戦場体験(つくば市政展望-334) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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敗戦の惨めさを実体験で味わった二人が谷田部町長選挙に介入する。二人とは竹内藤男県知事と山口武平県議であった。小園海軍大佐の厚木航空隊反乱に与したことに生涯語ることは無かったと言われる県政会のドンは、地域社会で政治的に中村喜四郎代議士とは相容れない関係であった。その中村喜四郎代議士が研究学園都市に嘴を入れつつあることが許せなかった。本来なら水海道中学の縁で横田美農夫候補を支援する立場だと見られていたが、出陣式に顔を出したくらいにして中村喜四郎代議士対策に選挙期間中は追われる。負け戦に与するわけにいかない。

ラバウルで武装解除された後、捕虜生活の惨めさを味わった竹内藤男県知事も負け戦に与するわけにいかなかった。それに中央はカネをチラつかせて合併を迫ってくる。ここで町村合併への足掛かりを掴まないと竹内藤男県知事の4選は吹っ飛ぶだろう。岩上二郎が4選で、竹内藤男は三選で終わらせられたら、ラバウル以来の二度目の敗戦だ。

谷田部町長選挙で合併にあいまいな横田美農夫候補を推して、もしも当選されたら困るのは竹内藤男なのだ。ここは頭の中がシロイ木村操候補に託するしかない。筑波郡の県議選は票の買収が盛んだと知られている。谷田部町長選挙も買収で乗り切れるだろう。問題は選挙資金だ。木村操候補へ注入するしかない。竹内藤男県知事は何が何でも勝ち戦へのる。

谷田部町長選挙結果の誤算は、竹内藤男県知事の誤算はブチ込んだわりに木村操候補の票が伸びなかった事だ。県知事の合併推進支持の木村操候補の得票は総投票数の過半に至らなかった。つまり、木村操候補の当選を無条件で喜べなかった。だが、取り敢えず勝ったのだった。