「二つのルーツ」(『朝日新聞』を解読-259) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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3月10日の『朝日新聞』紙の一面は「二つのルーツ 混ざり合って私」を大見出しにしている。「親の母語学び 出自に誇り」とブラジル系三世の混血を取り上げている。「赤か白かの二択ではなく、自分は両方が混ざり合った紫色なんだと思えるようになった」とブラジル三世の言葉を肯定的に紹介している。

『朝日新聞』紙が混血の進む日本の現状をレポートしているのだが、どことなく「ちぐはぐ」である。民族派の巨頭であった山浦嘉久翁は日本の水を三代飲めば日本人だと述べていた。『朝日新聞』紙は日本人化の過程を記述できないでいる。そしてはっきりと判ることは、今回の民団の団長選挙で朝鮮学校卒業生が当選したことを受けての報道だという事であろうか。

日共の武装闘争は横浜市鶴見区が起点であった。今度の民団団長選挙も鶴見区が起点を形成している。明治維新は鶴見区内での薩摩藩士の英国人殺傷が幕開けを開く。

『朝日新聞』紙の二面は「母語を学ぶ 環境つくる」とある。朝鮮総聯系民族学校の衰退の現状が大きく今回の民団中央役員選挙に反映している。

歴史は横浜市鶴見区から始まる、を実感させる3月10日の『朝日新聞』紙であった。