春名幹男『スクリュー音が消えた』(朝鮮研究-51) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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「東芝事件と米情報工作の真相」という副題だが、東芝ココム違反が90年の三党合意の下敷きになり、翌91年の文鮮明訪朝と文鮮明による凄まじい金額の献金へ、そしてコンピューター数値制御の旋盤の北朝鮮への輸出となる。凄まじき献金が平壌近郊の、確かクソンの朝・露合弁機械工業工場の建設に繋がる。この間の経緯は山梨学院大学の宮塚利雄助教授のJETROへのレポートが初出とされ、なんとコロナ禍直前にペンタゴンが問題視する。2010年代後半になって宮塚利雄教授は山梨学院大学を定年退職後にインテリジェンスの世界で国際的となる。

新潮社は1993年に、春名幹男氏のこの本を出版している。その時には宮塚助教授のレポートは出ていた筈だが引用されていない。春名幹男氏は共同通信の海外特派員出身だけに国内の文献を読まなかったのだろうか?

こういう技術の絡んだ情報機関では、jetroが世界最大、最優秀の情報機関だという認識の欠如故なのか?