つれづれレミゼ

つれづれレミゼ

2007年レミゼデビューを果たした初心者が、レミゼや舞台に対して思うところをつれづれなるまま書き記す場所です

Amebaでブログを始めよう!

急に2023年のエンタメのまとめですが、昨年は自分のエンタメ鑑賞に大きな変化があり、何を感じていたのかを残しておきたいので、久しぶりに記録をまとめました。(大きな変化があったので「観劇総括」ではなく「エンタメ総括」となっております!)

2023年のトピックとしては、やはり、夏以降、観劇よりもコンサートへの参加が主軸になっているというところでしょうか。2023年はJの事務所が揺れに揺れた一年で、自分としてもよりによってこのタイミングで好きになる?!とは思ったのですが、それもめぐり合わせとご縁だったんだなと思います。KinKiのおふたりだけでなくNEWSの3人へも目を向けることで、視野が広がり所属タレントたちに広く好意を持つようになり、ある意味で当事者として問題を見ることになったために、こんなにも様々な思いがあるということに気付くことができました。多分タレントたちを好きになっていなかったら、他人事として特に踏み込むこともなく問題をやり過ごしていたと思うので、自分としてはよかったなと思います。

性加害問題については、被害者の救済をまず一番にお願いしたいです。そして所属タレントたちもある意味では被害者だと思うので彼らの思いも守られてケアされてほしいと思っています。自分もまだ苦しいけれど、断罪のためではなく、よりよい社会に生まれ変わっていくための苦しさであってほしい。自分にできることはあまりなくて、でもせめて、好きな人たちの思いに寄り添えればと思っています。年末年始、KinKiもNEWSもドーム公演があって、その中で言葉にできない思いもお互い伝えあえたと思えたので、そこはよかった……。

沢山通ったコンサートのなかで特に印象深かったものについていくつか。

NEWSでは、EXPOツアーの広島公演10/14,15が忘れがたいです。このときは、旧事務所が翌日には廃業になるというタイミングでのコンサートで、「さくらガール」のあとの増田さんの掌の落書きが、初回は「ジャニーズ生まれ」だったんです。それを見た瞬間、この人は生まれ育った国を亡くすに等しい体験をしなければならないんだ、と胸が苦しくなってしまいました……(これは私にとっては身が引き裂かれそうになるくらいの苦しさで、しばらく思い出すたびに泣いていました)。それでも、そんな痛みを抱えていても、いや、もしかするとそんな痛みを抱えていたからこそ、増田さんの歌のエネルギーはますます増していって、歌いながら全身からエネルギーを噴出しているように見え、とても美しくてゾクゾクするほどでした。ラス前の「U R not alone」で、センターステージの増田さんが、目を閉じ天を仰ぎながら両手を大きく広げて歌を口ずさんでいた光景が忘れられないです。会場の全ての熱量と思いを受け止めて自分の中に抱えて、その思いを今度は歌の中に全部込めて返してくれているように思えたから。ステージのうえの増田さんと、会場のファンとの間で、そこに確かに感情の交歓が生まれているように思いました。このときはファンも事務所問題でかなりセンシティブになっていたと思うのですが、その不安も動揺も全部NEWSの三人が請け負って救い上げてくれたような気がしたんです。最後の曲「劇伴」の「悲しみ不安激動も愛も全て」「包み込めるように今日も歌うから」という歌詞のままに、ほんとにそういう風にすべての思いを包みこんだうえで全身全霊で歌っているんだなと、心から思いました。全身全霊をかけて歌う増田さんは熱い炎で鍛え上げられた美しい鋼のようで恐ろしいほど美しいな、と、そんな風に思ったことを覚えています。こんなコンサート体験ってあるんだなと思いました。忘れがたいです。

もう一つ同じように忘れがたいのが、10/16のENDRECHERI(堂本剛くんのソロ名義)のバラードコンサートです。この日を最後に事務所の名前が変わるという日だったんですが、ラストの「街」で、それまでもずっと天を仰いで涙をこぼさないようにっていた剛くんが、最後の「痛みだけは」で涙につまって「忘れたくないんだ」なかなかでてこなくて……。剛くん、辛かったときに自分には音楽があったから、という話をいつもするけど、昔は音楽をやりなさいとすすめてくれた人のことを必ず話していたのに、この事件があってからはその名前を決して出さなくなったんです。その痛みも全部忘れないように抱えるんだなと思い、私のほうが抱えきれなくなってボロボロに泣いてしまいました(激しく泣いてしまって多分お隣の席の方にひかれていたと思う……)。最後にスクリーンに、「いつも寄り添ってくれてありがとう、愛してる」のメッセージが出て、それしかできないですけどそれはできるんだと思ったので、KinKiのおふたりにも、NEWSの3人にも、好きだという気持ちで寄り添おうと、そう思いました。ピアノ演奏だけの静謐な祈りのようなコンサートで、戦うことなく全ての思いをただ受け止めて抱きしめようとしているように感じるコンサートでした。

この二つの印象的なコンサートが連続での開催で、増田さんと剛くんというシンガーとしての力量が抜きんでている人たちの歌に続けて触れたことで、私もしばらくヨロヨロになるほど引きずってしまったのですが、こういう体験に出会えたことは、私にとってはとても幸せなことです。舞台でもコンサートでも自分にとっては本質は変わらなくて、役者やアーティストたちの思いに連れられて、まだ自分が体験したことのない喜びや痛みや愛や苦しみを一緒に体験できることは、自分にとって大きな喜びなので。

他にも印象深かった現場の記憶を下記に。

NEWSのコンサートは、大変ありがたいことに名古屋公演11/30のオーラスにも参加できました!(粘りに粘ってチケットさがしました(笑))。3人の熱量と客席の熱量とバンドの熱量と、相互に思いと熱量を交換しあいながらどんどんどんどん全体の熱量が大きくなっていくことが身体全体でビリビリ感じられる素晴らしいオーラスでした。私的に印象深かったのが、ご挨拶で加藤さんが「皆で幸せになろうね」と言ってくれたこと。なぜならば9月にあった加藤さんのインスタライブをきいたときに、私は同じことを思っていたので。同じことを言ってくれたことがとても嬉しかった。「Different Lives」の曲のタイトルに対して、加藤さんは「"違った選択をしたIFの人生"という意味もあるけれど、"それぞれの人生を生きる一人ひとり"という意味もあると思っている。そういうDifferent Livesが集まる場所がこのコンサートだったらいいなと思っている」というようなことを言っていてそれもよかったな。それぞれ皆自分の人生を請け負って生きて、そうして個々としてDifferent Livesが集まったときに、幸せを皆で共有しあえる一時があるならなんて嬉しいことだろうと思います。そういう約束の場所としてまたコンサートで出会えたらいいな。加藤さんでもう一つ、「フルスイング」を歌う加藤さんが、とても印象的でした。NEWSの歌は、私にはちょっと真っ直ぐすぎて受け入れ難い部分も結構あり「フルスイング」もそういった曲の一つなのですが、加藤さんが歌に全力で思いをのせて血を通わせ熱量を与えて歌ってくれたことで、今そこに生きているものの脈動として歌の言葉が伝わってきて、嘘偽りないものして感じられて深く胸打たれました。EXPOツアーの初日と比べると、オーラスでは歌に込められた熱量もどんどん大きくなっていて、そういう歌が育っていく過程も一緒に体験できて、これもとても貴重な思い出です。

なお、ここでも言っておきますが、増田さんの歌の熱量にノックアウトされているので増田さんのことを熱く語りがちですが、担当は加藤さんになります!初期の著作から見えてくるナイーブな部分と、一歩ずつ誠実に日々を積み重ねている生命力の強さに起因するワイルドな部分と、両方があるところがとても魅力的な人だなと。最新作「なれのはて」の発売前会見のあとで講談社からインスタライブをしてくれたときに「(まるでニューヨークみたいな窓の外の景色だけど)全然護国寺!あはははは……!!」という元気な笑顔が忘れられないです。好き(笑)

観劇のほうでは、芳雄くんは「ジェーン・エア」と「ラグタイム」が好きでした。「ジェーン・エア」は萌音ちゃんの求道者のような眼差しがとても印象深いなあ。「怖いけれど恐れないで 抱こう勇気を 愛するために」と歌う声が強く美しい。ただ強いだけではなく、悩みも恐れもあるのが分かるから、この歌声の力強さに勇気をもらいました。たとえ過ちを犯したとしても、あきらめずに罪をあらためて進んでいかないといけなのだなと、そんなことを思いました。「ラグタイム」は子どもたちによき未来と国を手渡したいという願いを込めた作品だと思え、父親役を演じる芳雄くんに胸が熱くなりました。ちょうど「ラグタイム」の上演時期はJの事務所問題で一番世の中が揺れていた時期と重なっていて、「ラグタイム」を見ながら「正義」とか「世の中」について考えたりしました。この時期に「ラグタイム」が上演されていてよかった。

倫也さんは今年は「ケンジトシ」と「OUT OF ORDER」でした。1年に2本も舞台を見られるなんて嬉しかったな!「ケンジトシ」は北村想さんらしい観念的な作品で、シアタートラムでの初観劇時はうまく受け取れなかったのですが、劇場サイズの大きいサンケイホールブリーゼで見たときは、天から注がれる菩薩のまなざしと、そのまなざしに見守られながら生きて遊んで死んでゆく生き物たちの物語だと感じられたのが印象深いです。倫也さんと黒木華ちゃんが、実存と観念を自由自在に切り替えながら舞台の上に存在しており、彼らに引っ張られてこちらもあちこち小宇宙を旅したような気持ちになり、あまり体験したことのない観劇経験だったなあ。「OUT OF ORDER」はお芝居が上手い人たちの技巧に気持ちよく転がされて、お芝居の中でどんどんグルーヴが生まれていくのが感じられる楽しい観劇でした!倫也さんほんと上手い!

珠城さんの出演作は「マヌエラ」と「天翔ける風に」を見ましたが、上手く自分にはマッチせずでちょっと残念。「マヌエラ」は作品テーマが好きだし共演者たちも千葉哲也さんや宮崎秋人くんなどよいメンバーだったのですが、ウクライナへの侵攻が始まった時期だったのでエンタメとして自分が受け取ることができなくなってしまったんですよね……。"今"を重ねて作品を見るには作品の強度が甘かったかもなと思います(もともとそんな想定はしていないのだからやむをえない。私が求めすぎなだけ)。「天翔ける風に」は、珠城さんの英はとても清らかで誠実な人でよかったのですが、NODAMAPのほうの「贋作・罪と罰」と比較すると作品の軸がずれているように思えてしまい、いまいちハマり切れなかったのでした。これは演出の匙加減の問題なんだと思うんですけど……。志士たちのダンスがとてもカッコいいし、原くんの志士ヤマガタもとても凛々しくて今にも革命成功しそうだったのですが、作品の全体のバランスとしてはそれではダメでは!?と思ってしまったので。志士たちは先鋭化した正義の暴走を担っているはずだと思うんですよね……

そのほか、EndlessSHOCKも熱をもって観劇しました。今回はライバル役がダブルキャストだったのですが、5月の北山くんが素晴らしくて。昨年博多座でのSHOCKでも見ているのですが、そのときにこんなにライバル役の心情を複雑に構築してしかも説得力をもって伝えてくれるのすごいな!と思って、目が離せなくなったんですよね。なので、本当頑張ってチケットとって見ました。今回、本編とEternalの交互上演だったので、より深く心情が見えるようになり深くヒロミツの思いを感じることができて、とてもよかったです。北山くんがSHOCKに出てライバル役を演じてくれて、本当にうれしかった。ありがとうございます。

宝塚では月組さんの公演を中心に楽しみました。「応天の門」は風間くんの基経さまがよかったなー。「フリューゲル」もムラで一度見たときは大分内容ががちゃがちゃしているなという印象だったのに、その後東京でみたらすっきり見やすくなっていて(脚本が変わったわけではなくて作品全体を俯瞰して芝居の強弱をつけることで、メインの部分がすごく伝わりやすくなっていた)、月組さん素晴らしいな!と思いました。それとバウの「月の燈影」がとてもよかった!裏社会を仕切るドンの役の夏美ようさんがヤバイカッコよさだったし、若者たちの群像劇として丁寧な心情描写があり切なさに涙しました。

そのほかよい観劇だったなとしみじみ思えたのは橋本あっちゃんの出た「いつぞやは」、宮崎秋人くん目当てでいった「ビロクシー・ブルース」ですね。「いつぞやは」は加藤拓也さんの作品ですが、語ること語らないこと(語らないけれど内面に思いはある)の線引きが見事だし、それをちゃんと芝居として立ち上げている役者たちもみんな上手くて素晴らしかった。「ビロクシー・ブルース」はニール・サイモンの自伝的青春グラフィティなんですが、主演の濱田さんの温かく包み込むような演技のなかに、青春期の思い出に対してのノスタルジーと、作家的な俯瞰を感じられるのがとても好きだったし、小山ゆうなさんの演出が丁寧で個性的な訓練所のメンバーの一人一人のひととなりが見えてくるのがとてもよかったです。お目当ての宮崎秋人くんも癖のある人物を明確に立ち上げていて、ほんとにお芝居上手いな!とうならされました。

そんな2023年でした。世の中が不穏で私はいつまでのんきにエンタメを見続けられるのだろうという不安があるのですが……。それでも生きていくしかないからな。エンタメに力をもらいながら地に足をつけて、誠実に生活をしていけたらと思います。

--------------------
[凡例]
◇芳雄くん関連
◆銀ちゃん関連
○倫也さん関連
●珠城さん関連
☆フィギュアスケート関連
★宝塚関連
△コンサート
◎映画


1月
△KinKi Kidsコンサート×2(京セラドーム)
★花組「うたかたの恋」「ENCHANTEMENT」(宝塚大劇場)
◎NTL「レオポルトシュタット」(TOHOシネマズ日本橋)
◎THE FIRST SLAM DUNK(TOHOシネマズ日比谷)
●マヌエラ×2(東京建物 Brillia HALL)
◇エリザベート(博多座)
◎NTL「ブックオブダスト」(TOHOシネマズ日本橋)
 
 2月
★月組「応天の門」「Deep Sea」×3(宝塚大劇場)
★星組「ディミトリ」「JAGUAR BEAT」(東京宝塚劇場)
○ケンジトシ(シアタートラム)
・バンズ・ヴィジット×2(日生劇場)
・舞台刀剣乱舞 禺伝配信
★星組「海辺のストルーエンセ」

3月
★月組「応天の門」「Deep Sea」(宝塚大劇場)
・ドリームガールズ(梅田芸術劇場)
○ケンジトシ×2(サンケイホールブリーゼ)
◇ジェーンエア(東京芸術劇場プレイハウス)
◎エゴイスト(イオンシネマ川崎)
☆フィギュアスケート世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)
★赤と黒LV(TOHOシネマズ川崎)
◎●私の幸せな結婚(TOHOシネマズ川崎)

4月
◇ジェーン・エア(東京芸術劇場プレイハウス)
★月組「応天の門」「Deep Sea」×4(東京宝塚劇場)
・ブレイキング・ザ・コード(シアタートラム)
・unrato#9「Our Bad Magnet」(東京芸術劇場シアターウエスト)
◎NTL「るつぼ」(TOHOシネマズ日本橋)
・Endless SHOCK×3(帝国劇場)

5月
☆Prince Ice World(新横浜スケートセンター)
・エンジェルスインアメリカ(新国立劇場小劇場)
★花組「二人だけの戦場」(梅田芸術劇場)
・Endless SHOCK×5(帝国劇場)
・市川猿之助奮闘歌舞伎『不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―』(明治座)
☆浅田真央アイスショー「BEYOND」(新潟公演)

6月
◎岸部露伴ルーブルへ行く(TOHOシネマズ日比谷)
★ちなつさんディナーショーLV
◎怪物(TOHOシネマズ川崎)
★宙組「カジノロワイヤル」(東京宝塚劇場)
★月組「月の燈影」(バウホール)
◎NTL「ライフ・オブ・パイ」(シネリーブル池袋)
・新国バレエ「バレエ白鳥の湖」(新国立劇場オペラパレス)
★月組「Death takes a holiday」×2(シアターオーブ)

7月
・NODAMAP「兎、波を走る」(東京芸術劇場プレイハウス)
★雪組「Lilacの夢路」「ジュエル・ド・パリ!!」(東京宝塚劇場)
・EndrecheriFUNKLOVE ファンミ(東京国際フォーラムホールA)
◇ムーランルージュ×2(帝国劇場)
・スローターハウス×2(東京劇術劇場シアターイースト)
◎トラさん(TOHOシネマズ日本橋)
☆浅田真央アイスショー「BEYOND」(立川公演)
◎君たちはどう生きるか(TOHOシネマズ川崎)
・嵐になるまで待って(サンシャイン劇場)

8月
・闇に咲く花(サザンシアター)
・テンダーシング(あうるすぽっと)
★星組「1789」(東京宝塚劇場)
△NEWSコンサート×3(セキスイハイムスーパーアリーナ)

9月
△Endrecheri平安神宮奉納演奏
★月組「フリューゲル」「万華鏡百景色」(宝塚大劇場)
◇ラグタイム×3(日生劇場)
・いつぞやは(シアタートラム)
★花組「鴛鴦歌合戦」「GRAND MIRAGE!」(東京宝塚劇場)
△NEWSコンサート×2(大阪城ホール)
・アナトミー・オブ・ア・スーサイド(文学座アトリエ)
●天翔ける風に(東京劇術劇場プレイハウス)

10月
●天翔ける風に×3(東京劇術劇場プレイハウス)
△Kis-My-Ft2コンサート(横浜アリーナ)
△NEWSコンサート×1(横浜アリーナ)
△NEWSコンサート×3(広島グリーンアリーナ)
△ENDRECHERIバラードライブ(TOKYO DOME CITY HALL)
チャーリーとチョコレート工場(帝国劇場)
◎NTL「善き人」(TOHOシネマズ川崎)

11月
△NEWSコンサート×3(マリンメッセ)
△テレビ朝日ドリームフェスティバル2023(幕張メッセ)
●珠城さんファンミ
・ビロクシー・ブルース(シアタークリエ)
・連鎖街のひとびと(サザンシアター)
★月組「フリューゲル」「万華鏡百景色」(東京宝塚劇場)
△NEWSコンサート×2(ガイシホール)

12月
★柚香さんコンサート配信
○OUT OF ORDER×2(世田谷パブリックシアター)
◇ベートーヴェン(日生劇場)
△KinKiコンサート×2(東京ドーム)
△NEWSドームコンサート×2(東京ドーム)

・海をゆく者(PARCO劇場)
◎窓際のトットちゃん(TOHOシネマズ日比谷)海をゆくもの

本日は2026/1/4なのですが、途中まで書いてそのままだった2022年の観劇記録を今更ながらアップしておきます。ほぼほぼ、後々自分が読み返すときのためです。

2022年は、元旦の東京ドームのKinKi Kidsコンサートの記憶が鮮烈です。コロナ禍以降、当時のジャニーズ事務所で単独グループとして最初に東京ドームコンサートを再開したのがKinKiのコンサートだったのですが、オープニング一曲目の「新しい時代」を聞いた瞬間に、心が緩んでいきなり涙が出たことを覚えています。このタイミングでは、コロナの流行はある程度落ち着いていたのですが、久しぶりの東京ドームに知らず知らず緊張していたところに、2019年末以来2年ぶりにKinKiのおふたりにコンサートで会えたことがすごく嬉しくて、思わず涙が出たのだと思います。コンサートの開催そのものも急遽決まったそうで、大がかりな演出はなく、ピアノ一本の伴奏とおふたりの歌というシンプルなコンサートで、だからこそおふたりの歌声を200%味わえて心に直接語りかけられているように感じられ、2時間のコンサートの間、歌を楽しみ、おふたりのやりとりに沢山笑い、東京ドーム全部を包み込む愛を感じられる、贅沢で深く心をつかまれるコンサートでした。

このコンサートが明確に自分の中のスイッチをいれて、このあとしばらく熱に浮かされたように夜な夜なKinKiのコンサートや映像を見返していました。で、それでもうはっきり2022年はKinKiのおふたりを中心にした一年になるのだろうなと確信し、その通りになった一年でした。

KinKi Kidsは25周年の年だったので夏にも冬にも東京ドームと京セラドームでコンサートがあり、4day×2、全部参加できて幸せでした。夏のコンサートのときは、コロナ第七波の流行まっただ中でピリピリしており、着席&声出しも禁止という状況でした。遠征の前後では空港での無料PCRを利用して検査していました。トロッコの演出があったのですが、「このまま手をつないで」のバラードアレンジの曲で会場を回っていて、歓声を上げられないからしんと静まりかったドームのなかで、剛くんと光一さんが振る手にあわせて、さざ波のようにペンライトが揺れている様子に、言葉がなくてもこうして思いを交わせるんだなと思い、本当に印象深く、今も思い出しては涙がでそうです。

(ここまでが2年くらい前にかいていた文章です。以下は2026年になってから追記)

KinKiのおふたりに心つかまれたので、それぞれのソロ活動もどんなものかと確認してみようと、この年は初めて春のENDRECHERIのコンサートツアーと平安神宮奉納演奏に参加しました。コンサートの時はちょっと上手く受け止められなったんですが、平安神宮奉納演奏がすごくよかった!剛くんの音楽は思いが強い分、その思いがこちらに向かってくるのは少し重いのですが、それが神様に向けて捧げられている場所だと私にはちょうどよいんだなと思いました。一緒に神様に向かって祈るという同じ思いをシェアできる感覚もとても嬉しい、大切な時間でした。

EndlessSHOCKは、なんとこの年は帝劇初日が当選したのです!勝利くんのライバル役は、光一さんと年齢差があるので、親獅子が子獅子に試練を与える千尋の谷のように見えました。初日に見て、その後帝劇公演の終り頃にももう一度見たのですが、勝利くんの舞台の上での存在感が増していて、若い人の成長ってすごいな!とありありと思ったことを覚えています。あとはこの年は原くんがSHOCKに加入したのも嬉しかった!

この年のEndlessSHOCKは9月の博多座公演にも通いました。自分的博多座初日の9/9の公演が、飛行機を降りたら中止案内が出ていたこと、忘れられないです……(フライング機器を扱うスタッフがコロナになり代替要員で場当たりが必要とのことで、この一日だけピンポイントで中止になったのです)。そんなこともあったねと供養のために記録。幸い翌日滋賀に移動してBEYONDを見る予定だったので、そこまで落ち込まずに、大好きな博多の街を思う存分散歩したのでした。そして、最終的に大楽を譲ってもらえて遠征を増やし、なんだかんだ4回見ました。EndlessSHOCKはこの博多座から本編復活だったんですよね。私は2019年以来の本編だったんですが、2019年のときは初観劇だったので、ただただ圧倒されていて細かい部分を深堀してみることができていなかったので、この博多座の公演で、初めて気づくコウイチの思いや芝居の構造なども多く、自分のEndlessSHOCKのベースがこの博多座公演で固まったと言っても過言でないかもしれません。何より博多座公演のライバル役だった北山宏光くんのヒロミツの芝居がすごく好みでよかったんですよね。クールでものすごく計算してコウイチを出し抜こうとしているように思えるライバル役で、合間合間の表情から細かく今考えていることが伝わってきて、目を奪われたのです。私にとってのマイベストライバル役は一生北山くんであることはこの先も変わらないでしょう。

芳雄くん関連では「リトルプリンス」と「ダディロングレッグズ」がよかったな~。「リトルプリンス」は、音楽座の名作を東宝制作で上演したものです。レジェンドの土居裕子さんの王子が素晴らしくて!土井王子が「♪シャイニング・スター」と歌い上げた瞬間、私も一緒に宇宙空間に投げ出されたような浮遊感を味わいました。リトルプリンスは、きっと色々な解釈があると思いますが、土居さんの王子は、既に星に旅立った人たちへの思いも胸の中に抱えられていたように思い、それで余計に胸がいっぱいになったのだと思います。芳雄くんの作品を見るといつも、死ぬことが少し怖くなくなる、という感覚があるのですが、「リトルプリンス」もまさしくその効果のある作品でした。

この年の「ダディロングレッグズ」は、坂本真綾さんの代わりに萌音ちゃんがジルーシャを演じました。ナイツテイルで一目見た時から、萌音ちゃんにジルーシャをやってほしいと思ったので(多分萌音ちゃんに関してXでつぶやいたときの一言目からそう言及している)、願いがかなって嬉しかった~。そして予想通り萌音ちゃんはジルーシャにぴったりなのでした。真綾さんのジルーシャに比べると、なんにでも全身でぶつかっていくガッツのあるジルーシャで愛おしかったです。

この年の倫也さんは韓国ミュージカルの「ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~」でした。ただこれは、脚本としてはかなりざっくりしていて、どちらかというと圧倒的な歌のインパクトで成立させる作品だったので、倫也さんの良さが十分でていたとは言い難い感じでした。それでも大千秋楽の仙台公演は遠征して、幸せそうに劇場を見渡している倫也さんをみて、私も幸せな気分になったので、行ってよかったです。(体調絶不調で、息も絶え絶え仙台までいった……)

その他印象深い観劇は「hana -1970、コザが燃えた日-」「ライカムで待っとく」「レオポルド・シュタット」Serial number「Secret war ひみつせん」「ヒストリーボーイズ」。

「hana -1970、コザが燃えた日-」「ライカムで待っとく」は、この年は沖縄返還50周年で沖縄に関する演目もたくさんあった中で、これはぜひ見ようとアンテナにひっかかった2作。2作とも死者の思いが描きだされる点が共通点かもしれません。特に「ライカムで待っとく」は沖縄在住の若い書き手だからだと思うのですが、自分たちだけではもうにも動かせない宙に浮いたまま必死でもがいているような切実な苦しさとともに、私たちは傍観者ではなく当事者であると突きつけてくるところに、深くえぐられました。沖縄の話は見るといつも泣いてしまうのだけど、泣くだけなら簡単だ、何ができるんだ、とそれを自分に問うています。

「レオポルト・シュタット」は翌年に見たNTL上演版も含めて、とても好きな作品です。きっとオールウェイズベストを選出してもこの作品は入ると思う。トム・ストッパード自身の出自も投影されている、20世紀末からおよそ50年のウィーンユダヤ人一族の4世代を描く物語でした。沖縄の物語もそうですが、私はいつも演劇を通して、自分の知らない時代のこと、知らない土地のこと、そこに生きた人たちの思いをありありと感じるのだと思います。

Serial number「Secret war ひみつせん」は、日本の戦時中、陸軍中野学校と731部隊を題材にした作品でした。これもまた自分の知らない時代のこと、知らない土地のこと、そこに生きた人たちの思いをありありと感じる作品でした。詩森さんの作品なので、人の思いの描き方は、生々しさよりも、リリカルさや繊細さのほうを強めに感じました。この作品での宮崎秋人くんがとても繊細で美しく、かすかににじみ出る色気も目が離せなくて、これ以降必ず見る役者になりました。

2014年に倫也さんにとあっちゃんに出会った「ヒストリーボーイズ」。その後もことあるごとに再演希望と言い続けていましたが、ようやく願いが叶い、上演をみることができました!東宝でジョン・ケアード作品の演出助手などをしていた永井誠さんによる演出で、椅子や箱を出演者が自分で動かして空間を作っていくところが好きでした。ポズナーがとてもナイーブな子になっていたところもとてもよかったです。

2026年に書いた思い出し記事なのに、こんなにたくさん書いてしまった!よい観劇は年月がたってもずっと自分の中に残っているということですね。

 

--------------------
[凡例]
◇芳雄くん関連
◆銀ちゃん関連
○倫也さん関連
●珠城さん関連
☆フィギュアスケート関連
△コンサート

1月
△KinKi Kids Concert 2022 at TOKYO DOME
・月組『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』×3(宝塚大劇場)
・hana -1970、コザが燃えた日-(東京芸術劇場プレイハウス)
◇リトルプリンス×2(シアタークリエ)
・INTO THE WOODS(日生劇場)
・だからビリーは劇場で(シアターイースト)
・義経千本桜川連法眼館の場(歌舞伎座)
・彼女を笑う人がいても(配信)
・ヴェラキッカ(配信)
・マーキュリーファー(世田谷パブリックシアター)

2月
・花組『元禄バロックロック』『The Fascination』配信
・義経千本桜渡海屋・大物浦(歌舞伎座)
・渋谷・コクーン歌舞伎「天日坊」(シアターコクーン)
・ブッシュマン接触時代(あうるすぽっと)
・星組「ジェントルライアー」(配信)

3月
・月組『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』×2(東京宝塚劇場)
・千と千尋の神隠し(帝国劇場)
・月組『今夜ロマンス劇場で』新人公演(東京宝塚劇場)
・プルーフ(王子小劇場)
◇奇蹟(世田谷パブリックシアター)
・花組「冬霞の巴里」(シアタードラマシティ)
・劇団新感線「神州無頼街」(オリックス劇場)
・雪組『夢介千両みやげ』『Sensational!』(宝塚大劇場)

4月
・ブラッドブラザーズ(国際フォーラムホールC)
・もはやしずか(シアタートラム)
・Next to Normal(シアタークリエ)
・EndlessSHOCK(配信)
・EndlessSHOCK eternal×3(帝国劇場)
・じいさんばあさん(歌舞伎座)
・磯崎くんダンス公演
・ヨセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート(日生劇場)
・サラリーマンの死(PARCO劇場)

5月
・EndlessSHOCK eternal×2(帝国劇場)
●珠城りょうコンサートCUORE×2(シアタードラマシティ)
●珠城さんファンミーティング
・月組『ブエノスアイレスの風』(日本青年館ホール)
・磯崎くんダンス
△ENDRECHERI コンサート
●珠城りょうコンサートCUORE×3(国際フォーラムホールC)
・磯崎くんダンス公演
・月組『Rain on Neptune』
・(映画)ハケンアニメ!(シネチッタ)
・(映画)シン・ウルトラマン(TOHOシネマズ川崎)

6月
・新国バレエ「不思議の国のアリス」(新国立劇場オペラパレス)
◇ガイズ&ドールズ(帝国劇場)
・バイオーム(東京建物 Brillia HALL)
・リーマン・トリロジー(シネリーブル池袋)
・Serial number「Secret war ひみつせん」(シアターウエスト)
◆氷川きよし公演(明治座)
●珠城りょうトークライブ
・パンドラの鐘(シアターコクーン)

7月
・星組「めぐり合いは再び」『Gran Cantante』(東京宝塚劇場)
☆Dreams on Ice(新横浜スケートセンター)
・紙屋町さくらホテル(サザンシアター)
・ふぉ~ゆ~ meets 梅棒『Only1, NOT No.1』(シアタークリエ )
△KinKi Kids Concert 2022-2023 24451~君と僕の声~×2(京セラドーム)
・The Pride×3(赤坂レッドシアター)
・ミス・サイゴン(帝国劇場)

8月
△KinKi Kids Concert 2022-2023 24451~君と僕の声~×2(東京ドーム)
◇ダディロングレッグズ(シアター110)
・(映画)NTL「プライマフェイシイ」(TOHOシネマズ日本橋)
・NODAMAP「Q」(東京芸術劇場プレイハウス)
●8人の女たち(サンシャイン劇場)
☆フレンズオンアイス(新横浜スケートセンター)

9月
△ENDRECHERI平安神宮奉納演奏
・ヒストリーボーイズ(フリースペースTACCS1179)
☆浅田真央アイスショー「BEYOND」(滋賀公演)
●8人の女たち(シアタードラマシティ)
・月組 『グレート・ギャツビー』×2
・トーマの心臓×3(シアターサンモール)
●姿月あさとコンサート(東京国際フォーラムホールC)
☆ディズニーオンアイス(幕張イベントホール)
・EndlessSHOCK×2(博多座)

10月
・EndlessSHOCK×2(博多座)
・アルキメデスの大戦(シアタークリエ)
・月組 『グレート・ギャツビー』LV
●「Unrequited Love」〜マクベスを殺した男〜(ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールA)
・凍える(PARCO劇場)
・新国バレエ「ジゼル」(新国立劇場オペラパレス)
・レオポルド・シュタット(新国立劇場中劇場)
・宙組『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』『Capricciosa!!』(東京宝塚劇場)
○『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』(東京芸術劇場プレイハウス)
・文学座「欲望と言う名の電車」(サザンシアター)

11月
○『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』(東京芸術劇場プレイハウス)
・雪組『蒼穹の昴』(宝塚大劇場)
・(映画)すずめの戸締まり
●珠城さんコンサート(江戸川区民ホール)
・月組『ELPIDIO』(KAAT大ホール)
☆浅田真央アイスショー「BEYOND」(江戸川公演)
・月組『ブラック・ジャック 危険な賭け』『FULL SWING!』(市川市民会館)
○『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』(電力ホール)

12月
・ライカムで待っとく(KAAT大スタジオ)
◇しびれ雲(本多劇場)
・雪組『蒼穹の昴』(宝塚大劇場)
・closer(シアター風姿花伝)
△KinKi Kids Concert 2022-2023 24451~The Story of Us~(東京ドーム)
☆全日本フィギュア(ラクタブドーム)
・(映画)ドクターコトー診療所(TOHOシネマズ日比谷)

宝塚大劇場でだいもんさん(望海風斗さん)の退団公演となる『fff』『シルクロード』を見てきました。『fff』は、ウエクミ先生で、かつベートーヴェンが題材だなんて、絶対好きなやつだろうと期待値MAXで観劇しまして、予想通り大変心に刺さったので、観劇後ぐるぐると渦巻いていることを残しておこうと思います。

以下、がっつりネタバレがありますのでご注意を。


「fff」は、かなり自由な解釈を許す作りになっているなと思ったので、人によって解釈や受け取り方がおそらく相当幅広いだろうと思います。私にとっては、ベートーヴェンの半生を追いかけながら、彼にとっての創作の源泉についてと、彼が困難のなかでも音楽を作り続け、最後には歓喜の歌にたどり着くまでの姿を描く話だと思って観ていました。(あくまでも私がこう受け取ったということなので、人によっていろいろだと思う)

彼にとっての創作の源がなんだったかといったら、それが真彩希帆ちゃんが演じている「謎の女」だと思って。「謎の女」は、ずっとルイの傍に存在し続ける存在。少年のルイが父親から暴力を受けたときも、青年のルイが失恋をしたときも、壮年のルイが難聴を患い一人イライラと作曲と続けるときも、傍にいる。「謎の女」は、ルイの内的存在なのだろうと自分は受け取りました。そういう意味では、「モーツァルト!」におけるアマデにとても似ていると思う(アマデは才能の擬人化ではありますが、才能も自分自身であるので、内的存在であることは変わらないと思うのです)(余談ですが、ルイとの会話で「お前、まさか俺の才能か!?」「違うわよ!」というやりとりがあったのですが、多分「アマデの真似!?」と突っ込まれる前にウエクミ先生が先に言っておいたんだなと思った(笑))

そして物語の終盤、「謎の女」は、「自分は世の中の不幸である」とルイに告げる。私はそれを見て、「謎の女」とは、世の中の不幸であると同時に、世の中の不幸を見つめるルイ自身の目でもあると思いました。だって、「謎の女」はルイの内的存在なのだから。

「謎の女」が自分は世の中の不幸であると告げて歌い始めたとき、私は、彼女の後ろに横たわる、戦いのあとに打ち捨てられた兵士たちの躯から目が離せなくなりました(宝塚の夢の舞台に似つかわしくなく、打ち捨てられた躯の姿は非常に痛々しい状況で配置されていたのです)。横たわる兵士たちの姿が心に刺さり、子供たちを失って嘆く女の声まで聞こえてくるように思った。そこには、これまでの歴史の中で積み重ねられてきた一人ひとりの苦しみが積み重なっているように思いました。そうして、もしかしたら、人生のすぐ傍にいつも不幸があり人一倍不幸に敏感だったルイは、この世の中に積み重ねられた沢山の人々の苦しみをも見つめる人であり、苦しみを見つめることが彼にとって創作へのエネルギーだったのかもしれない、と思ったのです。

このように感じたのは、私が「野田版・桜の森の満開の下」が大変心に刺さる人間で、物を創るひとたちが、いったい何によって物を創り続けるのか、ということをいつも気にしてしまうからかもしれません。世の中の混沌を見つめ、それをたった一人で形に残していく人たちに、わたしはどうしても心惹かれてしまうのです…。

だから、ルイが世の中の不幸を見つめ続け、最後は苦しみをすべて抱きしめたその先で、歓喜の歌にたどり着いて高らかに「歌え!!!」と叫ぶ姿に、思わず涙が溢れるのを止められなかった。涙が出たのは、喜びや嬉しさといった感情からではないです。人はこうやって不幸も苦しみも抱きしめてなお生きていくのだ、という、人間自身のプリミティブで、ある意味泥臭いともいえる強いエネルギーに圧倒されたのだと思います。そして、この「人生と不幸の連続である」という普遍の事実は今も昔も変わることないということ、ルイが見つめた不幸と苦しみの先に私自身の不幸と苦しみもまたあり、ルイが創り出した「歓喜の歌」は、今を生きる自分にも生きるためのエネルギーをくれるものだということを心の奥底で感じて、涙が出たのだと思います。

「fff」の観劇の前日、予習のためにベートヴェンの交響曲を聴いて、なんて美しくなんて力強いのだろうと感動していました。200年以上昔に創られた音楽でも、古さなど全く感じず、今の私にも新鮮で大きな感動をくれる。その音楽の普遍に感動していたからこそ、創作物の根底に今も昔も変わることのない人間の苦しみを見つめる目があるということに、より心が震えました。そうして気づいたら涙が溢れてしまった。

物語の最後、力強く歌いあげるだいもんさん、真彩ちゃん、雪組の皆さんの歌声にも、鳥肌が立ちました。人間が今そこに熱量をもって存在していて、見ているこちらに働きかけている、という生の舞台の醍醐味を全身で感じました。

そして、大合唱のあと、「アンコール!」と掛け声がかかり、第九の歓喜の歌でフィナーレになるところもとてもよかった!今回ベートーヴェンの音楽を随所に使っていて、それがとても効果的だったので、最後もやはりベートーヴェン自身の音楽で締めてほしかったので。こういうところもウエクミ先生と好みが合うなと思いました(笑)

だいもんさんと真彩ちゃんはこれが退団の作品です。ものすごくエネルギー使う作品なんじゃないかと思う(特にだいもんさん)。一日2公演やるとか想像を絶するよ!!どうか守られて東京の最終日まで思う存分駆け抜けられますように。チケットが取れれば、東京でも是非見たいです。