前回はオーストリアからLOIが来た話。今回は「会議は踊る」話を書く。
上司と二人と契約に関わるので通訳を商社に頼み、フランスのアンドレパスカル通りにある
IEA(国際エネルギー機関)に立ち寄ってからウィーンに到着。アンドレパスカル通りはIEAだけ
の住所なので、覚えている。
ウィーンは初めての場所。ホテルは「ホテル フランス」。近代的なホテルでなく、年代を感じ、街並みにマッチしたホテル。ウィーンの電力会社の見慣れた技術者が待ち受けていた。
夕食に招待された。オーストリアの料理は知らない。ドイツ料理に近いかもしれないが、ここで初めて気が付いた。水を頼むと炭酸水が出てくる。水は「ミネラルワーター」とオーダーする。
ビールで乾杯。メニューはドイツ語で書かれているので、ドイツには日本の「かつ」に似た料理があると気づき、それを注文した。食事会のあとは近くの「大聖堂」まで散策。
ウィーンはこの大聖堂を中心に都市が形成されている。次の日は契約の相談。天井の高い会議室に副社長始め十数人が待っていた。ポイントは技術開発の内容ではなかった。
相手は契約の条件に絞って会議は進行。新規発電所は建設中で、この完成に合わせて窒素酸化
物の除去と低減技術を日本の技術を完成したいと迫って来た。2年で完成するさせることが
条件。こちらは5年掛かると主張。なにしろ初めての海外案件で経験者がいない。また技術開発は国内向け。欧州の発電所と相違点が多い、日本の発電所は米国型。相手も工期は2年と
譲らない。「会議は踊った」。会議は決めなければならない。上司は英語で「This project is cancelled]と大きな声で言い放った、その時、英語の会議がドイツ語が飛び交った。
何を話しているのか分からないが、困惑に満ちていた。その時にその騒ぎを抑える様にWagner副社長が英語で、5年の提案を了解する。ただし工期を速める方法を段階的に検討して貰いたい
とと発言があった。「会議は踊る」が決する結論が出た。高い天井、大きなテーブル、うす暗い照明 米国慣れした日本では威圧感を覚える環境で経験した会議。
上司は中米などでの海外経験があったが、本格的な海外事業は初めて。
これからどうなるか「不安」を覚えつつ会議は終わった。その後、ウィーンの電力会社からオペラに興味あるかとの問いがあった。明日はウィーン国立オペラハウスで「魔笛」が公演されるが
天井桟敷であれば、席を確保するとのこと。音楽にはまったく疎いが「The Magic Flute]の
夜の女王(Queen of the night)は聞いたことがある。ソプラノ歌手は世界的な有名。
天井桟敷ですら満員のはずなのに、この席が前の日で確保出来た事には、最初は疑問すら思わなかった。日本の歌舞伎の天井桟敷の席程度と思って居た。
公演開始前にのロビーには蝶ネクタイが舞っていた。着物を纏った女性も居たが皆、正装してきている。こちらは背広にネクタイのビジネススーツ。天井桟敷の一番前の手すりを通して、
上から目線の「魔笛」を観賞した。貴重な経験と思う。
次回はオペラの話を少し。
de 非宇宙人