徳島市は美味しい料理店が沢山ある。今徳島ラーメンが全国区になっているが、経済産業省からの出向した県警本部長が言い出して発展した。
四国はさぬきうどんの範囲と思っていたが、うどん文化は薄く、ラーメンが地場のグルメになった。JRの駅周辺でなく徒歩10分ほどのところに秋田町、紺屋町が繁華街である。
そこから少し外れているが、高級割烹料理店「青柳」がある。ご主人はテレビの「料理の鉄人」にも出演した人物。四国には大河がある。清流が多い。アユが解禁する春に、会食した。
まず。予約を取る。その予約時間を守って貰いたいとのリクエストがあった。料理はフルコース。お任せ。川魚は小骨もあり食べにくいので、苦手意識があった。
アユの姿焼きが出て来た。今朝取れたてのアユ。数時間を掛けて遠火で焼いた。アユは芯まで火が通ており、頭から食べても柔らかく、触感が良く、臭みは全くなく香ばしさを感じた。
御主人に焼き時間はどのくらいと単純な質問をしたら、6時間前から焼いて今が一番旨いタイミングと説明してくれた。
格式もある。木造建築にも重みがあり、食器の料理に合わせた調和を感じた。昔からの料理店は畳。足の悪い人には苦痛となる。最近は畳にテーブルの椅子席が見られる。
足の痛みも苦にせずに会食を楽しんだ。重苦しい懐石料理を身軽に食べれる青柳支店を作ったが
行くことは無かった。懐石料理の名店が普及のために支店を作り、気楽に楽しめる「伝統の味」
を提供する試みは徳島だけではない。多分苦戦する。高級割烹の料理人は食材と料理時間に余裕がある。普及店は制約がある。日本料理の佳さは食材の吟味、その調理と料理の時間、手間暇を
掛けることにある。食と時間と空間を楽しむ。これが日本料理の真髄と思う。「うまみ成分」
青柳は政治家、経済界の人が多く利用している老舗の店。今はどうなっているのか。あおのアユ
をもう一度食してみたい。
de 非宇宙人