英国立海洋学センターのクレイブ・ライ氏らの研究チームによると、1922年から2011年まで20年間で見られた世界的な海面上昇の平均値は約6センチだったのに対して、南極大陸周辺では8センチと、約3割以上早いペースで海面上昇が起きていることが、人工衛星の観測データから判明したとの記事。
海面に浮いている北極海の氷と違い、陸地にある南極の氷が融解、海に流失すれば、大きな海面上昇をもたらすのは随分前から指摘されていたこと。
同研究チームによれば、南極大陸周辺の異常な海面上昇は、大陸にある淡水の氷が融解して海面に流出したことしか考えられないとしています。
ライ氏によると『淡水の密度は海水より低いため、過剰な量の淡水が蓄積した領域では、局所的な海面上昇が起きると予想される』としています。
問題は、どれだけ南極大陸の氷が融解して流失したかですが、今のところ、スーパーコンピュータを駆使しても、年間3500億トン±1000億トンと雑駁な推計しかできないよう。
国連のIPCCでは、2001年から10年間で年間300億トンから年間1470億トンとかなり低く見積もっているのは、降雪による『回収分』を計算に入れているからですが、いずれにせよ大きな誤差があることは確か。
IPCCは2100年までの海面上昇を26~82センチと見積もっていますが、このレベルでも南太平洋のキリバス、ツバルが水没の危機で全国民の脱出が検討されていることは既に報道されています。
南極大陸の氷大量融解は、地球の自転軸に近いところにあるだけに、さらに破局的な問題の可能性もありますが、世界の科学者たちは今のところ、知らぬふりを決め込んでいます。