ライブメモ:挫・人間ツアー(裏ファイナル):新宿redcloth | 人間でいたい

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愛と平和


親友の結婚式があった。披露宴では友人代表スピーチ等が一切なく、何というかその子らしい取り計らいだと感じた。既に入籍済で新居にて2人暮らししており、改めて何かが変わる日ということではないにしろ、一人娘を立派に育てあげ新しい人生へと送りだす父の背中を見るとグッと込み上げるものがある。知っているという過去があり、知らないという未来がある。誰よりも近くにいると感じた日があって、その度に他人を知れたような気になってよがって。でもそんなの、ほんの一瞬だ。それでも、それが永遠に自分の中での大切になっている。そんな、分かると知っていると感じていた他人が私のまったく知らない他人との永遠を誓う日にゃ、不思議に思う。けれど、きっとその未だみぬ続きのことを人生と呼ぶのだろう。式の讃美歌は、涙なしでは歌えなかった。
私は他人との大切を信じ続け、明日を築きあげてゆこう。そういうことを感じられるのが結婚式だと思う。
おめでとう。料理が得意だなんて知らなかったな、旅行の夜に2人で話した時、突然大人びて感じて怖くなったけれど、そのひんやりとした手触りが生きてゆく為の強さだと思ったこと、教えてあげない。

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4/6(月・祝) 挫・人間ツアー 裏ファイナル red cloth

なぜ「裏」ファイナルなのかというと、
3/26(木)に予定されていたツアー初日の公演が中止となり、その振替公演となったからである。

12時開場、12時半開演というなかなかない時間帯のライブで妙なワクワクがあった。気合を入れて、久しぶりに頭をでんでん太鼓にした。でんでん太鼓は、いざという時の戦闘モードを搭載されたような気分になれていい。
天気は悪くも良すぎるということもなく、何かが起こりそうな予感を漂わせていた。

SEが鳴り、メンバー登場。
何かが光ったと思ったら、下川くんがにやりと笑う顔が見えた。恐らく、フィルムカメラ??
タイチさんがダンスを披露し、会場から「おぉ〜」と声があがる。 (タットダンス?というっぽい。)

「おはようございます!!」
下川くんの元気が良い挨拶で幕開け、
1曲目、「セイント・ギロチン」。
遠い目をしながら「朝って、エロいよね...」と言っていた人のことを思い出す。実際、そうなのだ。不規則に音を立てて弾け飛ぶポップコーンのように、身体が動きだす。誰のものでもないこの時間、優雅で開放的...!!昼ライブ、最高。

2曲目、「教祖S」。
今までのツアーにはない、珍しいセトリだな〜と思った。テンションMAX!!
歌っている時の下川くんの顔が、なんだか般若みたいで、ステージから遠いながらも迫力があった。

3曲目、「未来・挫・フューチャー」。
イントロが始まって、
勘のいいガキ、ここでふと頭によぎる。
確か公演が延期になった日、代わりに開催されたトークショーで、「アルバム完全再現ライブとかも良いですね。」と話していたこと。

今日は裏ファイナル公演。
これは...この流れはもしや...?!?!

期待に胸高鳴り、
「この時間は起きてないって顔してますね」というようなことを話す下川くん。
そして、4曲目「夏・天使」披露。

3月。リリイベの名古屋から東京へ帰るバスに乗って、窓から見える夕焼けを横目に「銀河絶叫」をリピート再生して聴いた、あの日。

いつも思い描いていること、話したいと伝えたいと思ったことの3分の2も話せなかったと感じることが多い人生だ。それでもあの日は、勇気を出して半分くらいは話ができたと感じた日だった。今日のMCで、「理想と現実と、自分の世界がある」という話があったが、あれは私のことだ。私は自分の世界が特別で大切で、恥じらいもなく、時々どうしてもそれを他人へ伝えたいという気持ちになる。挫・人間の歌は、そんな自分を開かせてくれるような感覚をくれる。第三の目...「アジナ・チャクラ」の覚醒だ。血が騒ぐ...というより、血が巡るといったほうが近い。じんわりと、生きている感じを呼び起こしてくれる。

5曲目、「俺だけがZU・BU・NU・RE.....」。
冒頭の下川くんのポーズ、何?あぁ...(納得)って声児さんが言っていた気がするけれど、水曜日の「水」のポーズだったという認識で合ってるかな?
すっ...すっご。アルバム完全再現ライブ、ということでアルバムに収録の冒頭のポエトリーもフルバージョン!!カタコト?風で、「真面目にやれ!!」という野次が喉から出かかったが、叫ぶことまではできず...

6曲目、「ストリップ劇場の恋」。
この辺りから、あぁ〜ツアーが...あぁ〜という感覚をしみじみと身体に刻まれる。本当に。改めて、良い曲ですよね。こういう世界を知っている大人でありたいと思う。最後の台詞、「私...幸せよ。」が余韻で耳に残っている。

7曲目、「ギンガ」
下川くんがギターのチューニングを合わす姿が格好よかった。勘のいいガキ(嫌われている)はもう、曲が始まる前にギンガだな〜とか考えていたのですけれど何というか、私の中でギンガは透明の結晶(クリスタル)みたいなイメージで、ギターのチューニングを合わす姿がそのイメージと合っていて綺麗、と思った。

8曲目.....
「ツアーでやっていない曲をやろうと思います。」

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

「かっこよくなりたい」!!
あの、映像化不可と言われていた作品が遂に...実写に?!?!みたいな気持ちである。嬉しい!!!

アルバムに収録されている「かっこよくなりたい」は即興詩のため再現ができず、会場からお題を募って新たな即興詩を披露。

「失恋」、「隅っこ」、「性癖」、「求めちゃう」...さすが信頼させていただいている隅っこの皆様、キレ味の良いお題があがって最高。(「ガンダム」という案が声児さんからあがったが、それで「ガンダム」に決定となった場合にヤラセ感が出てしまう為やめようという流れまで完璧で、素晴らしかった。ガンダム第1話の紫を見よう。)
そして最終的に、「性癖」が披露された。

以前の「銀河絶叫」感想ログでも書いたが、
即興詩...それはつまり、嘘がきかない。
真昼間から他人の「性癖」を大勢で聴くという背徳感...ビンタ...九九...
そして生の「かっこよくなりたい」は最高に痺れる演奏で、話している内容とのアンバランス加減がゾクゾクに拍車をかけた。

「アルバムに収録のかっこよくなりたいと通ずるものがあった」と演奏後の感想で下川くんが呟いていたが、なるほど確かに。その扉を開ける、勇気... アルバムに収録の「かっこよくなりたい」でも感じたが、この演奏の熱量と相まって飛び出る言葉もあるのではないだろうか。心がぶるぶると震える。人生にはアルコールが必要なのと一緒なのだ。体をぶつけて痛い、と感じたら「痛い」と口に出すのだ。(無論、恥だらけの情けない自分は体をぶつけて痛かったら瞬時に痛い!!と喚き散らすし、なんならその痛みを全部今まであった嫌なことのせいにする。)

9曲目、
先程の「性癖」直後のため、意味深な文脈になってしまった「間違いだらけの消えない情熱」。
せっかく合わせたチューニングが、「性癖」のせいでめちゃくちゃになってしまったとのこと。い、イイ...

こちらこそイェーイ ←新しい。可愛い。流行語大賞候補。

今回のツアーは「ロック」がテーマだったが、
個人的に、この曲のイントロが1番その「ロック」。荒削りな衝動をメロディで表すその手腕は、ピカソのゲルニカに通ずるものを感じる。

10曲目、「ここにいないあなたと」。
宝物と思えるものを、瞬間を、いくつ思い浮かべられるだろうか。それは幸せとともに、哀しさを纏うもの。大人になる度、それが感覚的に分かるように、分かってしまうようになる。それでも、きっと何通りもあるだろうと言われている人生が、その定義が意味をなさないと思うものに出会えた時、やっぱりただがむしゃらに幸せだと感じてしまう。でも、恐れることはないのだ。それは、正しさだから。涙を流す度、思いが言葉にならない度、声が出ない度、体が動かない度にちょっとずつ自分を嫌いになった。傷ついている、と思った。けれどそれが大切だったと気がつく日も、反対に喜びが間違っていたと感じる日も、この先きっと訪れる。それは、全部正しさになるのだ。自分騙しの、自己暗示じゃ駄目。だから、たくさん間違って失って分かることを恐れるな。今のこの時間の、この日の正しさがすべて。大切な人は、いつか必ずいなくなるのだから。

11曲目...
の前に、MCタイム。
今日のMCは全体的に、特にツボで全部面白かった。「月野犬」の下りとか、面白すぎてずるい...思い出し笑い不可避。そして、下川リヲさんという偉人が紅白歌合戦に出るような音楽家にまで影響を及ぼしているという物語に興奮。

こうして自由を奪われた状態で披露された「下川くんにであえてよかった」は、妙な緊張感があって良かった。コールアンドレスポンスも、しもかわ合唱パートも全部、一生懸命声を出すことができた。

良きか悪きか、私は「お金を払って自由を奪われにきているおじさん」側なのだと思う。
先程も述べたが、あらゆる人生の選択肢がすべて意味をなさないと感じる瞬間に生を感じるのだ。きっとその瞬間に、人生が私の、私だけのものになったと感じられるからなのではないかと思った。

曲の最後、
十字架に磔のままでビリビリと電流が流れている風の下川くんの姿が、良かった。
(曲中の、十字架から解き放って笑顔で力こぶをつくっている姿も良かったけど。)

本編が終わり、
早すぎるアンコール登場(ありがたい)。

久しぶりにライブで聴く
「さよならベイベー」、嬉しい!!
レッドクロスでの弾き語りライブを思い出した。
一緒になれないけど ちょっと愛してた のところ、思い出じゃなくてちゃんと記憶として感じることができたように思う。成長成長。

それから「セルアウト禅問答」、「絶望シネマで臨死」とツアーでの定番曲が続き、熱があがりつつも徐々に寂しさを感じる。

そしてラストのMC。
月野犬の真骨頂(?)、
「曲のサビで、全員がひとつになって拳を掲げる」、下川最強伝説の前座。
ぞうゾーン(ツボ)で、子ゾウが大人しく檻(だったかな?)へ戻っていく姿と自身を重ね合わせてこちらへ投げかける姿の説得力がすごくて、めちゃくちゃ笑った。

初恋相手の家を吹き飛ばした月野氏(もとい、イセリア)、
「星野源の家を...吹き飛ばします!」宣言後、
メンバーが瞬時に「ガッキーは?」と問いかけて「そう、ということはガッキーの家もなくなるということ...」と。

この辺りから、下川ミュージカルが...すごかった。
「チョコレート、渡せなかったな... カメラが引き姿が遠くなり、桜がぶわっと舞いテレレレレン♪テレレレレン♪」全て、自作自演である。今、頭の中を見せてもらっているんだな、と感じた。
そうそう、こうやってね...

「星野源の家を吹き飛ばしたいか!!」と煽られ、イェーイ!!と盛り上がると「お前ら最低だぜ!!」と言って曲が始まり、ちゃんと自由を奪われている感じがあって良かった。

曲中、最低な教育番組みたいな下川ミュージカルのシーンがあってゲラゲラと笑ってしまった。
アニメとかでもよくある、最終話でカオスになるあの爆発力を感じてめちゃくちゃ良かった。
ラストの「羽ばたきたい」前の台詞も切実さを感じられて、やっぱり挫・人間ですね...という気持ちになった。
ありがとうございました、
最高です挫・人間。

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今回のツアーで、
長々とひとつひとつブログを書いてきたが、
ここでようやく、
きちんと自分の気持ちが少し分かれたように思う。
このツアーを通して学んだこと、感じたこと、
ブログを書きながら考えたことがたくさんあって、例えばふとした日常生活でそれらを思い起こし、行動、そして選択の原動力となっている。
信じる強さは自分の手で、足で、力にしていくのだ。まるでひとつの、物語のような時間だった。

色んな地へ足を運んだのも、あの日の夜も、全部大切な思い出です。すごくすごく、楽しかった。
ちゃんとできて、えらいね。

...帰りに東新宿駅の回転寿司屋「みさき」で寿司を食べた後、駅のホームをイヤホンをしないで歩いた。イヤホンで聴くよりも遥かに大きな音が、耳の奥で鳴り響く。私、幸せよ。

追伸:私の性癖も、ひとつ晒しあげます。「エイの裏側」です。かもめんたるのう大さんと同じでした。