人間でいたい

人間でいたい

愛と平和

明日からツァーだ。ドキドキしてきた…

挫・人間の新曲『愛の言葉』がリリースされましたね。

『わりきれないよ』リリースのときも思ったけど、自分が好きなバンドの新曲のメロディが頭のなかで流れていると、共に時を刻んでいることを実感できて幸せな気持ちになるよね。


「かなしみなんてあるほどいいさ」と歌っていた彼らが、「かなしみとかなくなりゃいいかもな」か…と、出だしから、これまでとは違う雰囲気を感じた。


これまでの挫・人間の曲は、皮肉・捻くれ・感情の爆発・メタファー・物語・パロディなどで主に構成されていた。しかし、今回の曲の歌詞は全体的にシンプルな言葉で綴られており、それがまず衝撃だった。


いや実際、セルフパロ?と思う部分はある。

たとえば、「◯◯おやじ」とか「結婚」というワードは、「ゲームボーイズメモリー」という曲にも出てくるからだ。



歌詞比較(一部引用)

◼︎ゲームボーイズメモリー

いつか一児の父になり かみなり親父になり say  ダリー


え?結婚?マジかよ おめでとうって嘘つきました


◼︎愛の言葉

コンプラオヤジに怒られるために生まれてきたのか 守るものあるか


いまではそう でもいつかは「結婚してみようよ」 なんて言ってみたいな




こちらの歌詞から思ったのは、『ゲームボーイズメモリー』がガキ→大人になるときの心境の揺れ(抵抗感)を表現しているのに対し、今回の『愛の言葉』では、受容の割合が圧倒的に増えているということだ。

どこか他人事のように俯瞰していた人生から、今度は「俺が俺の人生の舵をとる」そして、「この人生を丸ごと引き受ける」といった決意表明のようなメッセージ、覚悟を感じる。


一時期、それこそ2024年リリースのアルバム『銀河絶叫』では特に、人生への諦念と「それでも希望は捨てない」といった色が濃かったように思う。それはそれで、イエス・キリストの十字架のような神聖さを感じるものだ。


しかし今回の新曲では、皮肉や分かりづらい要素は一切排除して、「迷わぬこと」で「落ちこぼれヒーロー」として「歌に変えてゆく」「讃美歌に変えてゆく」ことを直球で伝えている。

それが愛だ、と。決めつける、と。


私さ、こんなにも思ってくれているんだと歌を通して感じることって、なかなかないよなとふと思って。

歌って(歌じゃなくても、小説だったり絵だったり詩だったり漫画だったり読み物だったりと数多くありますが)つくった人の他者に向ける目線がどこにあるかが浮かび上がってくるじゃないですか。

その、人間への眼差しが好きなの、挫・人間の曲は。

色やかたちは、いろいろなんだけどね。


今回の新曲は、歌詞が先につくられたというところからも、どうしてもこれを伝えたかったんだなと思うと、すごい胸がギュッ…ってなる。


ずっと、「下川さんみたいな人になりたい」と思い歯を食いしばりながら生きてきて、それが一体なんなのか、またひとつ分かったような気がした。


「手を伸ばすことを止めない」

自分の身が底の見えない暗闇に沈んだとき、そんな人の存在はどれほど心強いだろう。


自分という存在と他者という存在が、ときには争い憎しみ合いながら、どうして共に生きてゆくのかという問いを続けなければならない、と思う。