
アンリ大公とマリア=テレサ大公妃がゲストを出迎えます。アンリ大公の退位とギヨーム大公の即位式典には、ベネルクス諸国から国王夫妻と次世代の王位継承者が出席しました。
※ベネルクス諸国とは、ベルギー(Belgium)、オランダ(Netherlands)、ルクセンブルク(Luxembourg)の3か国を指す総称です。この名称は、各国の国名(Benelux)の頭文字を組み合わせたもので、3か国は歴史的、経済的に緊密な関係にあります。

ベルギーからはフィリップ国王とマティルド王妃、長女で後継者のエリザベト王女が出席。



ベルギーのマティルド王妃はDIORのビスポークドレスにレディディオールバッグ。マリア=テレサ大公妃はNATANのドレス。NATANといえばマティルド王妃とマキシマ王妃のお気に入りブランドてすが、マリア=テレサ大公妃もNATANの顧客で度々NATANの衣装を着用されています。

カタリナ=アマリア王女は新調したALEX PERRYのドレスに母マキシマ王妃のVALENTINOのケープコートを合わせました。

マキシマ王妃が2021年からここには載せきれない程、何度も着用されているお気に入りのコートです。最後に着用されたのは2025年の5月。貸し出されたのか、譲られたのかはわかりません。


マキシマ王妃はClaes Iversenの新しいドレスにClaes Iversenのコートを合わせました。ドレスがアンリ大公の軍服の色とマッチしています。

こうして並べてみると、カタリナ=アマリア王女のドレスはマティルド王妃と色がかぶり、コートはマリア=テレサ大公妃のドレスと色が似ています。
まずは大公宮殿のホールでアンリ大公が退位文書にサインをする式典が行われます。

アンリ大公の弟のギヨーム公子とシビラ妃

アンリ大公の妹マルガレータ公女と夫リヒテンシュタインのニコラウス侯子

アンリ大公の姉マリー=アストリッド公女と夫でオーストリア大公の儀礼称号を持ったハプスブルク=ロレーヌ公カール・クリスチャン。カール・クリスチャンは最後のオーストリア皇帝・福者カール1世の孫です。
※大公(Archduke)は公爵の上位の肩書(複数の公爵領を所有する「公爵の公爵」)で、神聖ローマ帝国ではハプスブルク家だけに許されました。 当初は家長が「大公」を名乗りましたが、その後、ハプスブルク家の王子たちを大公(Archduke)と呼ぶようになりました。カール・クリスチャンはカール1世の四男の息子で、家長ではありません

アンリ大公の娘、アレクサンドラ大公女は第二子を妊娠中。アンリ大公の退位により、大公家の継承順位は1つずつ上がりますがこの秋に出産予定のアレクサンドラ公女より下位である弟のセバスティアン大公子はすぐに順位が戻る予定です。
アレクサンドラ大公女の後ろは三男のルイ大公子です。




アンリ大公は午前10時に退位の宣誓を行いました。
大公家、そして諸外国の君主たちの見守る中、大公宮殿で退位文書に署名し、国家元首としての職務を終えたのです。


アンリ大公の退位は在位25年目に行われましたが、在位25周年は、正確には2025年10月7日でした。アンリ大公の父であるジャン大公は2000年10月7日に同じ式典で退位しました。


大公宮殿を出て隣接する下院へ向かう場面でしょうか?



アンリ大公の娘、アレクサンドラ大公女ととその夫ニコラ・バゴリー氏。アレクサンドラ大公女はこの秋に出産予定です。新大公即位の次はアレクサンドラ大公女の第二子出産とおめでたい出来事が続きます。

新大公夫妻の長男、シャルル大公子は祖父母と一緒に入場。
大公宮殿に隣接する下院に集まったルクセンブルク当局の前で忠誠の誓いを述べます。「私は憲法と法律を遵守し、憲法上の権限を忠実に行使することを誓います。」憲法第57条に記されたこの誓いにより、ギヨーム大公は国家元首としての大権を付与されました。

ギヨーム大公は現在在位中の君主の中で世界最年少の君主となりました。これまでは、ブータンのジグメ・ケサル・ワンチュク国王が2006年に26歳でブータンの王位に就いたときから世界最年少の君主でした。ギヨーム大公は、現在45歳のブータン国王よりも2歳若い43歳で現在の世界最年少君主となったのです。

小さなお子様の出席は1人だけ。足を椅子に上げたり、手遊びをしたり、あくびをしたり、祖母マリア=テレサ大公妃に靴紐を結んでもらったり…と子供らしい様子が見えましたが、5歳のお子さんが長時間大人だらけの空間で大人しく座っていられただけで上出来!
全ては見ていませんが、スウェーデン王室の洗礼式のような騒動は起こっていないはずてす。

祖父母と下院を退場するシャルル大公子(5)。
両親と離れた席で頑張りました!
ここからは下院での就任宣誓を終えて、大公宮殿へ戻る場面かと思われます。
ルクセンブルク大公就任宣誓の後、ギヨーム大公とステファニー大公妃は大公宮殿のバルコニーから集まった市民に手を振りました。


息子のシャルル大公子(5)とフランソワ大公子(2)も。

ルクセンブルクでは君主の退位が珍しくありません。
アンリ大公の祖母シャルロット女大公は1964年、45年間の統治の後、68歳で退位しました。シャルロット女大公は自発的に退位した最初の君主となり、息子のジャン大公世子が跡を継ぎました。

アンリ大公もは2000年10月7日に下院で就任宣誓を行いました。

25年前もルクセンブルクの世代交代の式典にはベネルクス諸国が集まりました。ベルギーからはアルベール2世(右から2人目)とパオラ王妃(右端)、オランダからはベアトリクス女王(左端)が出席されました。この時退位したジャン大公の妻ジョゼフィーヌ=シャルロット大公妃はベルギー王室の出身で、アルベール2世の姉。それぞれの子供であるアンリ大公とフィリップ国王は従兄弟。ギヨーム大公とエリザベト王女は「はとこ」の関係です。
シャルル大公子はブータンの皇太子を抜いて、事実上世界最年少の王位継承者となりました。2016年2月の誕生以来、ジグメ・ナムゲル・ワンチュク王子はブータンの皇太子に相当する「ドラゴン・プリンス」の称号を保持しています。ジグメ・ナムゲル皇太子は現在9歳、チャールズ大公子は5歳です。
シャルル大公子は18歳で成人すると正式な後継者として大公世子と呼ばれるようです。
25〜30年程後にも、オランダとベルギーの君主が出席して、ギヨーム大公からシャルル大公子への世代交代の式典が行われているのでしょう。②へ続きます。
以上です。最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。