前回ブログの続き
議長が麻酔から覚めるまでの間
セキュリティ屋の友達はパソコンと大量の関連機器とコードに囲まれ画像解析
建具屋の友達が
「これじゃ微妙に顔が分かんないよな。見えるようになるのか?」
「俺の意地見ててよ。せっかく(議長)さんの良い知らせが聞けたんだから、復活祝いに何としてでもやり遂げなきゃ」
「そっか。お前らしいな」
「ここから何かが始まらないと解決できないじゃん。こーやって画像集めてきてくれたんだし。無駄にはできない」
「新しい幕開けだな!」
元探偵のセキュリティ屋の友達
あまり表情は出さずにいつもクールだが
議長の腕の復活を聞いた時は涙が滲んでた
見るからに粗い画像
モザイク状だからと皆が遠巻きに目を細め何とか顔が分からないか見ていた
しばらくして
「いや、待てよ。こっちの方が簡単か?」
セキュリティ屋の友達の独り言に
「簡単?」
「集めてもらった画像をつないでみたんだけど」
「は?!いつの間に?!」
「このちょっぴり写ってる車がこっちのこの車と車種同じじゃん?」
「あ。本当だな」
「(車屋の後輩)、これ同じだろ?」
「同じでしょうね。エンブレムの特徴とフロントガラスのここに何かあるし」
「その前の通りの画像にこれが写ってんの」
「ナンバー!?」
「持ち主分かればまず1歩じゃね?」
「1歩どころじゃないですよ!特定できるじゃないですかっ!」
画像をきれいにしていく中
「うそ、◯◯ナンバー?」
「間違いない」
議長の事務所がある県ではなく、どちらかというと会長やナンバー2寄りの場所だった
ナンバーはハッキリとはしないけど3パターン出せた
これを調べて所有者が分かる
更に
「何となく分かるかな。(助っ人)さん、見覚えありませんか?最初よりはだいぶ鮮明になってきました」
助っ人も片腕達も兄貴も皆が群がった
「あれ?!なんか見たことあるような」
「これ、誰だっけ」
「知ってます!絶対見たことあるけど、」
見た顔だけど名前が出てこないもどかしさの中
片腕の運転手が
「あ。コイツ何だっけ。俺、喋ったことある。感じ悪くて吐き気がしたんだよな。えーっと、」
「思い出せ」
「今、その途中です」
「どこで喋ったんだ?」
「どこだったかなぁ」
「何か他に覚えてることあるだろ!?」
「(片腕)さんの顔が怖くて思い出せなくなりました」
「どーすれば良いんだよ💦」
「(嫁)💧?俺の記憶力が良いの知ってるじゃん?💧なんで思い出せないんだと思う?💧」
「そりゃあれよ。(運転手)の気分を害する人が多すぎるんでしょ。その人じゃなくてその日、他に何があったのかを考えてみたら?その時に一緒にいた人とか、季節とか、(側近)は何をしてたかとか」
「えーっとね。もう何年も前!(兄貴)さんに出会うよりも前。なんか遠いところに遊び半分で行ったんだよなー。季節は、」
「春?夏?秋?冬?」
「春と夏の間ぐらい。スーツがなんかきつくて。あ!スーツ!!(若い衆)と新しいスーツ作りに行くかって言ったら(元理事)って奴に(片腕)さんのところは若い衆でも金持ってるんだなって嫌な言い方されたんだ!そこから三段階のイライラロードでさ!」
「イライラロード?」
「うん!そこから隣の何だか分かんない偉そうな奴が話しに交ざってきてさ!ほら(片腕)さんはここ(頭)が違うから金は有り余るほど持ってるだろとか言って!貧乏野郎のヒガミか?!と思って!」
「それが二段階目?」
「そう!そのあとにコイツだ!そうだ!コイツ、何の役職もないのに態度だけはいっちょまえでなんであんなに超偉そうなんだよ!と思って名前聞いたんだった!」
「なんて名前?思い出して」
「大自然みたいな名前!」
「は💧また難しいこと言うわね💧」
「(若い衆)に聞けば分かるかも!」
誰なのか分かるかもしれない
運転手がスマホを取り出し電話をかけていたが
助っ人と片腕の顔は雲っていた
珍しく会長も天井を見上げ穏やかな表情は消えていた
後で分かったことは
この直前に接触していた男のことはピンときたそうだ
名前が判明して
「全然、大自然な名前じゃないじゃん」
って言ってたんだけど
兄貴を含め片腕達は会長を見ていた
「どうしたの?知ってる人の名前?」
会長は
「俺が狙いだったということです」
衝撃の発言だった
「会長を!?なんで!?」
「その男は俺のところの直系ですから。不満の矛先が(議長)に向いてしまったんでしょう」
会長のところから下にいくつかの組織があって、そこからり更に枝分かれしていて
会長も枝分かれしているところまで把握できていないが
すぐ下の近い人だったからこそ名前が一致した
片腕は
「(元理事)って名前が出た時点で会長のところかと。嫌な予感はあたるものですね」
助っ人も
「車の所有者で答え合わせといったところですね。今の時点でほぼ確定ですけど」
不穏な空気になった
会長の空気感が一気に変わり
怖い感じがした
スマホを取り出した会長に
「オジサン(会長)、電話をするのはあと30分待って。今と30分後の言葉は違う。(議長)さんが目を覚ますまで待っててあげてほしい」
「あー、俺の悪いところが出てしまいましたね」
「しょうがないよ、おじいちゃん(会長の親父)の子供だもん」
「ありがとうございます。この1本(電話)で若い衆の人生を狂わせるところでした」
ゾッとするほどの雰囲気は嫁により一変した