片腕の運転手が帰る時。
「じゃあ次は年明けに。良いお年を!おじゃましました!」
笑顔で言った。
嫁は
「(運転手)、今年はありがとう。いっぱい助けてもらっちゃったよね、私。」
時期的になのか。
とても重く聞こえた。
小学生の頃から変わらない運転手だったからこそ。
嫁を何度も助けられたと思う。
今年は特に。
嫁の声が出なくなったり。
嫁の病気について深く知ったり。
運転手にとってもショックは大きかったはず。
でも。
純粋な運転手だから、言葉1つ1つが嫁にはストレートに響いたと思う。
1年の感謝に対して運転手の返事は。
「俺は頼まれなくても来年以降もお前の友達だよ。今年は世話になったと思うヒマがあるなら、来年も世話しろ!ぐらい図々しくなれ(笑)俺は今年限定の世話係じゃねーぞ?一生、友達なんだから。あ、そうだ、」
「何?」
「俺の方が礼を言わなきゃ!(片腕)さんに怒られなくて済んだこと多かったから(笑)こればっかりはお前のお陰(笑)」
「違うわよ?怒っても怒っても意味がナイ人に腹を立てる(片腕)が可哀想だからよ?(笑)」
「なんだよ(笑)でもいーか!(片腕)の為なら!皆さんも良いお年を!ちなみに俺は元旦は事務所当番です!(笑)」
最後まで笑顔でウチを出ました。
Jの会社の後輩も。
「じゃあ俺も帰ります。2日は絶対来ますけどヒマだったらその前に来ますね!」
何だか急に年末なんだなって実感が湧いてきた。
そこに。
「じゃあやるよ?」
「何を?」
「大掃除!」
オレは毎年毎年思う。
嫁が異常なほどあちこち毎日掃除するから大掃除なんて絶対必要ナイんだよ!
神棚ですらホコリ1つもナイし。
今年こそ言ってやろーと思ったら。
Jに
「テキトーに家の中フラフラしよーぜ。やらなきゃ気が済まないんだから。」
「そーだな。」
しばらくすると。
ワーワー声がした。
リビングに行ってみると。
イスの上に立つ嫁と。
「降りなさい!って言ってるでしょ!」
言うしかできない片腕。
「何してんの?」
「窓枠の上を見るって言ってこんなことしてるんですよ💧どーせイス持ってきたって見えないクセに💧自分が見るから降りて下さいって言ってるのにご覧の通りです💧」
「(嫁)?そこで背伸びしたところでギリギリ見えないぞ?それでイスから落ちて今度はどこケガすんの?(片腕)さんに代わってもらえ。」
「じゃあ肩車して?💧」
「あのな?お前ケガしてんの。」
「だってやることナイんだもん💧」
「もう1つな?やることナイんじゃなくて、どこも汚れてないんだからな!?」
「大掃除にならないじゃない💧」
「必要ナイじゃん(笑)じゃあさ、あの窓枠の上が汚れてたら掃除する。見て?肩車してやるから。」
「うん!」
肩車した結果。
「汚れてない!💦拭いても色付かないよ💦」
片腕に、ひと言。
「そんなに大掃除したきゃ来年は汚しなさい(笑)」
なので大掃除は中止。
急に全員ヒマになりました(笑)