ずっと黙ってたJが。
「きっかけ次第じゃねーのかな。考えてすぐ実行するのと、考えがまとまってから更に考える時間ができるのとじゃ勢いと結果が出たときのスッキリ感が違うじゃん。オレは迷って動いた結果はいつもダメ。だからって立ち止まるのもダメ(笑)もう親父とはこれ以上、距離詰めようがナイんだから、誰かが動くしかないんだよ。そーしたら(嫁)は必ず動くから。」
「勢いって大事だよな。」
「だろ?お前、考えてからまた考えて、更に考えてから動いたことあるか?」
「そんな手間かけたことねーよ。」
「みんなさ、今から(嫁)になろーよ。」
「どーゆーこと?」
「今の(嫁)の状況に立ってみようってこと。んじゃやってみよ?」
先生も一緒に。
マジメに嫁の置かれている立場、状況、生い立ち、いろいろと自分と置き換えてみた。
先生は
「僕は人のことながら耐えられそうにないな。なんだろう💧怒りでもなく、絶望感でもなく、当てはまる言葉が出てこないような感覚。」
Jは
「オレはババア(嫁の母親)の顔が浮かんだだけでもーダメ💦今すぐどっかに当たりたい💧」
オレは
「振り返って良いことなんて1つもナイ。ただ親父のことは引っかかる。自分のことだけ考えれば今からケジメつけに行きたくてしょーがなくなるけど。」
「じゃあ旦那さんなら周りにどうしてほしい?」
「そうだな-。親父が困った状況になってからの方が飛び込みやすいかなー。1、2の3でみんなで足並み揃えて動くとさ、怒りでも何でもナイ気がする。演技して誰かを騙すために楽しむみたいな心境になるってゆーかさ。」
「答えかもね(笑)」
「え?どこが?」
「旦那さんが思ったこと。今までが全て突発的だったとしたら、明らかに今回は違うよね。劇団のように台詞があって、ストーリーをみんなが把握してるんだから。」
「そっか!それじゃ達成感ナイもんな!」
「やり甲斐もナイよね。」
「コレって、このまま動かない方に傾いていくのかな。」
「何もなければそうなると思う。お父さんか(嫁)さんか、どちらかによっぽどのことが起きないと、J君が言ったような今まで通りの勢いのあるキッカケにはならないね。」
Jが
「喧嘩と同じだよな。あーして、こーして、こー言ってってシミュレーションしてから喧嘩売らないじゃん(笑)何かがあって、そこにどーしても許せないってゆう怒りがあって手が出て足が出るんじゃん?ちょっと待って?って考えてから手足出るか?!」
「それと一緒か。そうだよな。時間かけるほどどーでもよくなってもくるし、それでも許せないって思っても同じ憎しみなんて湧かないもんな。」
「でも(嫁)にはチャンスだったかもな。親父が骨折した時に飛び出していれば。何十年もずーーーっと思ってきた恨みを晴らせたかもしれないのに。」
「(嫁)さんはそれも分かってるんじゃないかな。お母さんを思えば憎しみしか出てこない分、お父さんを守りたい気持ちも出てきて。」
「責めるだけの方が楽だよな。嫌い!で済むじゃん?嫌いだったけど、勘違いでまた好きになってとか、親父1人に対してだけでもややこしすぎる。」
親父を想えば思うほど。
守りたい正義感が湧き。
母親を想えば思うほど。
積もり積もった憎しみに復讐心が湧き。
真逆のことを同時に叶えようとしてるんだから、簡単には動けなくもなるね。
嫁の今の頭の中はもっともっと複雑だと思う。
だけど少しでも嫁の気持ちになれたから良かった。