嫁の病院へ。
向かう途中で嫁の頭痛がヒドく。
珍しく先生に薬を要求して別の部屋で休んでた。
ここ2年、この先生に任せてきただけあって。
「急に頭痛がするなんてね。」
先生は疑問を感じた。
昨日の冷え症が酷かったこと。
昨日より寒いと言われてる今日はそんなに寒がらなかったこと。
そして昨日、ポンと思い出した記憶があったこと。
雪の中を夜遊んだこと。
前回の受診からのことを話した。
「関連がナイとは言い切れないね。記憶が戻ったことがあったなら。これが胃が痛いとか別の痛みならまた違うんだけど。お父さんのことはどうなったの?」
「まだ動いてないんだ。何週間も経つのにな。そこも変だなって思う。いろいろ整わないのかなって思ったんだけど、何なのかは分からない。」
「(嫁)さんにしてはずいぶん長いね。計画は立ててあるんだし、みんな協力してくれるのは分かってるもんね。」
「関係あるか分かんないんだけど、意思の疎通ってゆーの?そーゆーのが取れてナイから進めないのかな。オレ達と(嫁)は毎日顔合わせてるから考えてること分かるけど、親父の本心は想像でしか感じられないから。オレを介しての言葉だろ?本当に親父が母親と離婚を望んでるのかイマイチ掴めないんじゃないかな。」
「旦那さんはどう思う?お父さんは本当に離婚を望んでると思う?離婚の理由は聞いてる?」
「離婚したくなるような母親なのは分かる。でも今まで何十年も一緒にいられた事実もある。親父は別居して新しい人生手に入れたみたいなこと言ってたけど、それも分かる気がする。」
「でも、わざわざ話し合いができない相手と離婚しなくても、今まで通り別居でも良いんじゃないの?」
「だよな。間違いなく離婚したいんだ!って気持ちは見えないな。」
「仮にお父さんの離婚の理由の中に、(嫁)さんのことを虐待したお母さんが許せないってことが絡んでたら?(嫁)さんは正しいことだと思えないんじゃないのかな。」
「ソレか。(嫁)の為に離婚するみたいになっちゃうもんな!」
「(嫁)さんは自分が正しいと思ったら突き進むってこないだ来たときに言ってたからね。だから何かしら正しいって判断できない要素があるんだと思うよ。」
「このままの状態で進んだら、ずっと引きずりそうだしな。」
「計画自体は正しいと思ってるけど、実行してお父さんが後悔したらどうしようってところに引っかかっちゃってるんじゃないのかな。(嫁)さんが立ち止まるとしたら自分のことではなく、お父さんのことを考えてるからだと思うよ?」
「直接話しができたとしても、32年も間あいちゃってるからな。どうなんだろ。」
親父の本心。
嫁の本心。
どちらも絶対コレ!ってことを確信できてるわけじゃない。
親父への思いを素直に言わない嫁だし。
親父も考えの基準が嫁の為なら!ってところにあるし。
本当に本心?
考えれば考えるほどオレにも見えなくなった。