少年とまたもや一緒。
病室にいたらJがきた。
「はい、お前の。アイツから預かってきたぞ。もー渡さないから考えて使えって。」
封筒の中身！おー。金だ！
「これなくなったらオレどーすんの？」
「水飲んで我慢しろだって(笑)」
「えー。不安だな。」
「つーかお前はいつまで入院するつもりなんだよ？あと1ヶ月ぐらいいるのか？」
「いない。」
「大人なんだからガタガタ言うな！あと、はい！お前の。」
少年に着替え一式２セット。
「え、もう受け取れません。オレはこれで十分です！」
「何言ってんだよ。オレが買ってやりたくて勝手に買ってきたんだ。着てくれなきゃ困る。このサイズじゃ誰も着れねーから」
申し訳なさそうに少年は受け取った。
「本当にすみません。いつか必ず返します。」
「仕事頑張ってくれりゃそれでいーから、あんまり気にすんな。下の階にコインランドリーあったから洗濯も自分でやれよ。」
バタバタと用は済み
「あ！オレそろそろ行かなきゃ！学校！迎えに行くって約束したんだ！」
Jは帰って行った。
何か変。
Jがしっかり者なんだよな。
あんな姿は滅多に見られない。
少年が着替えの袋から見つけた。
「あ、何だろう。」
慌てて
「こ、これ！！返してきます！！」
立ち上がった少年の封筒見せてもらった。
Jの字で
「生活費 給料から引きます」
少年はすごーく焦って
「まだオレいつから働けるか分かんないんですよ？！給料って、これは受け取ったらマズイやつですよ！」
「働くんだろ？いつかは。Jのところで」
「もちろんです！！治ったらすぐ行きます！」
「なら、いーんじゃねーか？Jが勝手にやったことだ。お前がこれから稼ぐ金だ、自分で使って何が悪い？」
もう、少年は申し訳ないやら、ありがたいやらで封筒のJの字を見ながら
「なんか、すごいですね」
そう言ってた。
粋なことして。Jは。
でも分かる。
自分がしてやりたくてしたことって後悔ないんだよな。
しかしJ気になるな。
大人になった。急に。
いつもの落ち着きなくワーワーしてる感じがナイ。
変なの。