今日の診察。
オレは医者に退院をさせてもらいたいって言う気満々でした。
レントゲンを撮ってから診察室に入った。
「肋骨はいいです。キレイにくっついてます」
見た目に大丈夫そうだし。
これは行けるか?って感じだった!
「リハビリどうですか?やってみて」
「凄く良くなった!」
今思えばどこが良くなった訳でもないんだけど退院したい一心でこんな言葉が出た。
「そうですか。じゃあ順調にリハビリ進めば」
もしかして!!
退院か?
「再来週には退院予定になれるかな。」
この言葉を聞いた瞬間
「再来週?!遅くねーか?」
「遅くはないですよ。これでもかなり傷も早く抜糸できてるところです。」
「せめて来週とかは無理なの?」
「来週!!ちょっと無茶なお願いですね」
「歩けるようになったし、日常生活は1人で何とかなる!」
「ま、生活はともかく、車の運転、それから階段なんかの片足だけの力が必要な動作とか右手の細かい作業も入院中にしっかり回復させないと、本当の日常生活には戻れませんよね?」
「じゃあ、毎日通うのは?」
「通いで。んー。」
医者に致命的な言葉を聞かされる。
「まずはケガの状態からすると今はだいぶ良くなってます。が、全く動かないところから今歩けるようになったりしてるんですから認識としては動けるようになったと思うのも分かります。でも医者の立場からすると厳しい言い方ですけど、普通の動作にはまだ遠いんですよ」
これ言われて何て言い返せばいーの?
医者に言われた通り、オレは階段もまだ上がれない。
左足の力に100%頼ってる。
体力もナイ。
ちなみにまだ箸も持てない。
小さいものがつまめない。
ウチに帰ってもただウチにいるだけの生活になるな。
会社に行けても送り迎えだよな。
パソコンとかできなさそうだし。
まずはシャツのボタンからして自分でできないのが現実。
だからせめて土曜日の外泊許可は絶対!って思って。
「何か大事なことがあるんですか?」
「子供の運動会、ダメならまた勝手に病院出てくけど」
「そんなこと言わなくてもちゃんと出しますよ許可は」
すんなりオッケーだった。
チキショー!こーなったら病室でも地道にやるしかないな!!
来週には階段も箸もバッチリできるよーになって少しでも早く医者を納得させてやる!!!
そこで思いついたのが!
右手でティッシュを丸める!
そんなこと?とお思いでしょうがオレにはティッシュを手できつく握ることがまずできない。
手を開くと広がるティッシュにイライラする!このティッシュが形状記憶されてんじゃねーのか?ってぐらい!
だから2枚目!
やっぱ同じ。
こりゃティッシュが悪いのかと思って。
今度はティッシュを裂いて指で丸める。
いつまで経ってもひも状のまんま!!
オレのベッドはティッシュだらけだ。
ティッシュの箱ごと持って少年の病室に。
「なー。このティッシュ片手で丸めて」
いとも簡単に丸めた。
「どこら辺に力入れてんの?」
少年は素直でいー奴だから一生懸命、握りながら確かめて
「指です!」
「指か。ちなみに、コレ指で丸めてみて」
また少年はクルクルやってみせた。
「どこが動けば丸まんの?」
「親指が回れば丸まります!」
「そうか!親指ね、分かった!!」
「あの、これは何をやってるんですか?」
そう言われてオレは恥ずかしいぐらい必死な自分に気付いた(笑)
「コレな。リハビリ自分でやろうと思って考えた(笑)」
しかも少年に笑いながら
「左手は使えますよね?」って。
だよな!わざわざ少年に頼まなくても自分の左手で確かめりゃよかったんだよな。
あまりにも笑えて
「一服しに行こーぜ!」
ポケットにティッシュ入れて少年と2人ベンチでティッシュ丸めてました(笑)