4月に転勤して新しい職場に配属になった。

当然ながら全く知らない人と新しい人間関係を築いていかなければならない。

私をサポートしてくれる担当になったT君だが、彼は初対面から愛想良くよく気がつき100点満点の男性だった。

今までO君というちょっとコミュ症の男性が担当だった私はあまりのギャップに引くほどだった。『なぜ本当の事をいうのか?職場では優しい嘘に囲まれたい私』前回、知らないままの方が幸せだった。ずっと知らないままでいさせてほしかったと思ったという話を書いた『式典で出されたお弁当が消費期限切れ⁉️アナウンスに慌てた話…リンクameblo.jp


初日も挨拶まわりをT君が忙しい中、車を出し自ら紹介してくれるなど至れり尽くせりのまま無事終わろうとしていた。

その時にT君が

「社員名簿の作成のために写真撮らせて頂きたいんですけどいいですか?」

と言われたので

「え?髪とか直してもいい?口紅も塗り直してもいい?」

と聞くと

「もちろんですよ!そのままでも充分ですけど」

T君は眩しい笑顔でそう答えた。ここまでは完璧だった。

それなのに写真を撮り終えたあとT君は言ったのだ。

「素敵です!完璧です!じゃあこれ僕が修正しとくんで😆」

「⁉️」

一瞬聞き間違いかと思ったが、いやいや、はっきり修正っていったよね⁉️

と引っかかったものの、今日は初日、T君とは初対面だ。

私も大人なので、ニッコリ笑って

「ありがとう」と答えるしかなかった。

これが気心しれたO君なら

「修正ってなんやねん💢あんた、失礼すぎるやろ‼️謝れ‼️今すぐ謝れ‼️」と怒ってスッキリ出来たのにと、私はコミュ症のO君を懐かしく思い出しながら職場を後にしたのだった。