今の会社に入社した時に仕事を教えてもらった先輩が勇退する事になりそのパーティに呼ばれた。
その先輩には、「犯罪さえ起こさなければ仕事なんてどうにでもなる。他人は絶対思い通りにならない。常に笑ってケセラセラの精神で行け。」と教えられた。
そんな先輩の勇退パーティはホテルで行われた。
主役の登場には未知との遭遇の音楽が流れ、焦らしに焦らしたあとババーンと扉が開いて立っていた先輩はサンシャイン池崎の格好だった。
ちなみに先輩の歳は65歳だ。
笑顔で雛壇までくると、先輩はそこでいきなりサンシャイン池崎のネタをやりだした。
その後も仮装して今の職場の人達とマイケルジャクソンのビートイットを歌い踊り、最後はスキンヘッドの部下にさらにスキンヘッドの被り物をさせ僧侶の格好で集まった100人の人に合掌礼拝させるなどやりたい放題だった。
幹事で司会をしていた人が
「何度もダメ出しをされまして。」と漏らしていた事から自分のお別れ会を自分でプロデュースするという前代未聞の所業に出ていた事が発覚したが、そうだろーなーと納得だった。
でも普通はそんなことしないだろうし、したとしても監督自らバッターボックスに立ってホームランを狙わないけどね。
サンシャイン池崎で叫び、マイケルで踊っているこの先輩に、私は一番最初の社会人としてのルールを叩き込まれたのだと思うと感慨深いものがあり、
「私もひとはだ脱ぎます」といいながらスキンヘッドのズラを脱ぎ「変わらへんやん‼️」とやじられていた僧侶もどきの人と一緒に心からの感謝をこめて合掌礼拝を唱和したのだった。