NO.601
「自画像」著者:朝比奈あすか
読了日:2020年11月18日

「......、私たちはあなたを裁くことを決まました。あなたの良さをはるかに超える悪を、あなたが選んだ。度を超えて卑劣な人間にだけ、自分の罪の大きさを本当に思い知らせる。それが私たちの役割だからです。」(264ページ)

この文章を読んで、僕は背筋が凍りました
あなたはいったいどんな作品だと思いますか

特徴:
主人公の女性が、男に対して一人称で語る
彼女は中学受験から中学時代の友人たちの話やら、人に対する嫉妬や恨み、自らの恥じにいたるまでをこと細かく説明していきます
その男は、いったい何のために話しているのかという様子でありながらも、彼女は話を止めようとしません
読者もこの男と同じような気持ちで、延々と耐えながら読まねばなりません
この物語の主題が語られるまで....

どんな読者におすすめで、どんな読者におすすめでないか:
女性の生の感情を綴った内容なので、私を含め男性には読み辛いものかもしれません
読む世代によって受け止め方は変わると思いますが、若い世代にはリアルに感じすぎて、鋭く刺さりそうな話が多いので、辛い内容かもしれません
その逆に、ある程度年を重ねた層には、思い当たる部分をそれぞれの経験から、ある程度マイルドに解釈できる余地があるので、なんとか読むこともできるかもしれませんが....
とにかく心の体力を必要とする話ではあります
手放しで、「おすすめです!」とは言えません

不満なポイント:
前中盤までの一人称の語りの部分で、断念する読者が多そうな作品だが
後半の100ページで大きく展開が変わる
そこまで来てやっと他の重要人物二人の語りによって、主人公の客観や評価が表れ物語が成立する
本当に、この物語を読む意味を知るまでが果てしなく遠い

ページ数
338(文庫)
読みやすさ
2(満点3)
わかりやすさ
2(満点3)
ストーリー
2(満点3)
テンポの良さ
1(満点3)
意外性
3(満点3)
私個人の好み
1(満点5)
合計
11(満点20)

2020年33作品目

つぶやき:
いい作品だとしても、読んでいて苦痛な作品はある
それは、向き不向きもかかわるのでしょうがない
そういう時は、次に、まず間違いなく面白そうな作品を読むに限る!

次に読む本:
東野圭吾 著 「仮面山荘殺人事件」
 

NO.600
「サスツルギの亡霊」著者:神山裕右
読了日:2020年11月17日

内容:
南極という広大なクローズドサークルを舞台に
謎の死を遂げた兄に導かれるが如く、主人公はその地に降りる
そして、そこで繰り広げられる連続殺人事件に巻き込まれていく

どんな読者におすすめで、どんな読者におすすめでないか:
厳しい自然と人間の描写が好みの方や、極寒の空間で逃げられない状況下の事件が好みの方にも、おすすめかもしれない
だが、謎や推理に関して特に探偵役がいるわけではなく、ややハードボイルドの様な内容だが、武闘派の出る幕もないので、謎解きや派手なアクションを期待している人にはおすすめしない

不満なポイント:
目的不明な主人公や、動機不十分なヒロインにも、いい人か悪い人かはっきりしない主犯格にも、共感しきれない部分がある
舞台が無駄に壮大すぎる

ページ数
339(単行本)
読みやすさ
2(満点3)
わかりやすさ
2(満点3)
ストーリー
2(満点3)
テンポの良さ
2(満点3)
意外性
2(満点3)
私個人の好み
1(満点5)
合計
11(満点20)

2020年32作品目

つぶやき:
物語も、主人公も、読者も、やり切った感もない読後感は、何か虚しい

次に読む本:
朝比奈あすか 著 「自画像」
 

NO.599「名探偵の掟」著者:東野圭吾
読了日:2020年11月16日

特徴:
「本格推理もの」といえば?というお決まり事やトリックや仕掛けを、名探偵役と間抜け警部役の二人がコメディ要素を交えて解説する、ある種の指南書的作品

どんな読者におすすめで、どんな読者におすすめでないか:
まず、軽めの喜劇タッチなミニミステリーが好きな方や短編好きな方には、おススメです
しかし、本格ミステリにドップリ浸かって作品に挑みたい方には向かないと思う

最後におすすめポイント:
この作品は、エピローグの後に「最後の選択ー名探偵のその後ー」という章があって、その話がラストの話なのですが、その章は種明かし無しの読者がガチンコで作品と挑める話になっていて読み応えありでした
また、「解説」も「東野圭吾」作品の分析が面白いのでおすすめです

ページ数
329(文庫)
読みやすさ
3(満点3)
わかりやすさ
3(満点3)
ストーリー
1(満点3)
テンポの良さ
3(満点3)
意外性
1(満点3)
私個人の好み
1(満点5)
合計
12(満点20)

2020年31作品目

つぶやき:
今までは、「東野圭吾」さんの作品は「ハズレ」がない!って思っていたけど
今回の作品は、読者の「ノリ」が合ってないと、面白さは半減するかも

「東野圭吾」 読書歴:
初読の東野圭吾作品は、まだブログ開設前に「容疑者Xの献身」
ブログ開始後、2018年「ナミヤ雑貨店の奇跡」「パラドックス13」

「ダイイング・アイ」
2019年「人魚の眠る家」「ラプラスの魔女」の計6冊
その中でも「パラドックス13」が特殊でよかった

次に読む本:
神山裕右 著 「サスツルギの亡霊」