善悪の判断能力があまりに脆すぎるお話 | 岩本あおいのイラストボードアニメの知見を広げる

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こんにちは、イラストボードアニメーターの岩本あおいですニコニコ

 

今日は終戦日ですね。

あの日から「戦争をやめましょう」と誓ってきたのに、

また戦争を始めるのではと思えるような憲法改正の噂を

耳にします。

 

今の私たちは「戦争は良くないものだ」という

価値基準の方が多いと思いますが、

実際80年前の日本は「鬼畜米英」だとか言って、

むしろ戦争反対なんていう人は殴られてましたよね。

 

 

同じ人間なのに、ここまで価値観が変わることなんて

あるのでしょうか?

 

今回は「人の価値観は権力の前ではあっさりと

変わってしまう」事例をいくつか紹介しようと

思います。

 

 

 

 

 

「23分間の奇跡」という小説をご存知でしょうか?

原作はジェームズ・クラベルによる80ページほどの

短編小説で、日本では「世にも」で放送されたことがあります。

 

 

「世にも」で放送された、という時点で怖い話なのかな?

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

 

お化けよりも何よりも怖いのは人間である

 

ということを如実に描いた作品です。

 

 

下にサラッとあらすじを書いておきますが、しっかりと

見てみたい方はこちらからどうぞ↓

 

 

 

ある敗戦国の学校の教室で、今まで教えていた

人気者の教師が「みなさんさようなら」

と言って教室を去っていきます。

代わりに新しく若い女性教師が入ってきて、

生徒に挨拶をします。

 

ちょうど時刻は9時。

 

その教師は生徒の名前と顔をしっかりと

覚えていて、物腰柔らかい話し方や

生徒の意見を否定することなく

聞いてくれる姿勢に、生徒はすぐに

教師に心を開き始めます。

 

しかし、ある男子生徒は父親が警察に連行

されたことで大人を恨んでおり、その不満を

教師にぶつけます。

 

すると教師は

「お父さんもみんなと同じで間違ったことを

してしまったの。

間違えた時は、学校で正しいことを学ばないと

いけないよね」

と諭します。

 

 

そのあと教師は生徒に

「神様にキャンディーをもらえるように

お祈りをしましょう」

と言い出します。

 

生徒は目を瞑って手を合わせ、お祈りをしましたが

キャンディーは現れません。

 

「今度は、私たちの指導者にお祈りしましょう」

 

同じように生徒たちが目を瞑ってお祈りを

すると、机の上にキャンディーが置いてあります。

子供達はキャンディーを見て大喜び。

 

 

しかし、先ほどの男子生徒は教師がキャンディーを

配っているところをこっそり見ていたのです。

 

 

そして、

「僕は見ていたぞ!先生がお菓子を配っていたんだ!」

と叫ぶんです。

 

しかし、教師は

「貴方はすごく頭がいいのね。

そうです、彼は大切なことを教えてくれました。

誰にお祈りしたって、本当は何も出てこないと

いうこと。

何かしてくれる人がいたら、それは先生や他の人だって

ことなんです。」

と彼を褒め、クラス中の生徒も彼を褒めました。

 

そして新しい学級委員を決める際に、

教師は彼をクラスの学級委員に推薦し、生徒たちも

大賛成。彼もまた教師に心を開き、学級委員と

なるのです。

 

 

さて、彼が学級委員となった後、教師は

壁に飾ってあった「平和 自由」と

書かれた書を外して、みんなの好きなものを

飾った方がいいと思うと言い出します。

 

しかしその書は以前の教師が好んで

飾っていた作品。

生徒たちは「それを外すのはちょっと・・・」

という感じになります。

 

学級委員となった彼を教師は書を外す役目として

選びますが、彼が渋ると

「じゃあ俺がやりたい!」

と別の生徒が手を挙げます。

 

そうなると教師の期待に応えられない上に、

学級委員の務めを果たせません。

 

彼は「いいや俺がやる!」と言い、

その書を窓から放るのです。

 

 

窓から放られてぐちゃぐちゃになった

書を見て喜ぶ生徒たち。

自分の教えた思想を子供達が

受け入れたことを確認した頃に教師が

時計を見ると、時刻は9時23分でした。

 

 

最後に、教師は

「みんなにもっといい教科書を持ってきたんだけど、

今の教科書要るかなぁ?」

と生徒たちに問います。

 

「もう汚れちゃったし、2冊もいらない」

 

生徒は答えます。

 

「じゃあ、今の教科書を破いて捨てた人から

新しい教科書を渡しますね」

 

教師がそう言うと、子供達は

今までの教えが書かれた教科書を嬉々として

破き始めるのでした・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・という物語です。

23分でここまで価値観を変えてしまう

人間の恐怖驚き驚き驚き

ぜひ動画を見ていただいて、おぞましさを

体感していただければなと思います。笑

 

 

 

 

 

 

 

この小説よりももっと有名なものでいくと

戦争に負けたあと、戦意を鼓舞するような

内容を黒く塗りつぶした墨塗り教科書や

 

 

ナチスドイツの残虐な行為が挙げられますよね。

アイヒマンテスト、という名前で知られる

ユダヤ人をアウシュビッツへ大量送還した

アドルフ・アイヒマンは、終戦後の裁判で罪を

問われた際に

 

「私の罪は従順だったことである」

 

と主張しています。

ヒトラーの権力の前ではどんな命令であっても

従うことが私の使命であり精神的満足感だったのです、

とも残しています。

 

このアイヒマンが実験の名前になっている

理由にはこのセリフが関与しており、

アイヒマンテストとは教師役Tと生徒役Lを作り、

生徒が問題を間違えると教師は生徒に

電気ショックを与えるというものです。

 

 

 

生徒と教師は壁ごしで試験をしているので

生徒の姿を教師は見ることはできませんが、

電気ショックを流すと生徒の苦悶の声が

聞こえてきます。

 

 

電気ショックは徐々に強くなっていく

のですが、最後の方になると生徒は

あまりの苦痛に壁を叩いて実験を

中止しようとまで言ってきます。

 

しかし、教師役が実験を止めようとすると、

白衣を着た権威のある博士Eが感情を全く

乱さずに

 

「続行してください」

「この実験はあなたに続行していただかなくては

なりません」

「あなたに続行していただくことが絶対に必要

なのです」

「他の選択肢はありません、あなたは続けるべきです」

「責任は我々が取ります」

 

などと教師に声をかけるのです。

 

実はこの実験、被験者は生徒役ではなく

先生役なんです真顔

生徒は実際には電撃を受けていませんが、

演技で苦しんでいるフリをしているだけです。

 

 

教師は指示をされてどこまで強い電撃を

生徒に与えることができるのか?

 

を調べる実験だったのです。

そして、博士は当初最後の強さまで電撃を

与えられる人は1%もいないだろうと

考えていたのですが、その結果なんと

65パーセント驚き驚き驚き

 

 

いかに人は権力の前では善悪の判断が

つかなくなるか、よく分かる話ですよね。

 

 

 

 

 

最後に紹介する事例は

「胸糞映画ランキング」で必ず

5位以内に入ると言っても

過言ではない映画、ミストです。

 

 

この映画、B級モンスターが出てくる点で

苦言もあったりするのですが

もしかしたら名前を聞いたことはあるのでは

ないでしょうか、アメリカのホラー小説家

スティーブン・キングによる小説が

原作です。

 

 

ホラー映画というよりはモンスター映画

なのですがそんな話はさておきまして(笑)、

この映画を今回ご紹介したのは

 

 

スーパーマーケットに閉じ込められただけの

人たちが未知の脅威に脅かされた

結果、よくわからない宗教論者を信じ込み

人を殺してしまい始めるようになる

 

 

といった展開があるのです。

 

カーモディという名前のこちら↓の女性は、

この映画ファンからは「宗教おばさん」

と言う名前で呼ばれているのですが、

未知の脅威=謎の巨大生物がスーパーマーケットの

外にいることが分かり店内に留まっている

人々たちに向かって

「すべては神の裁きよ!人間がやりたい放題しているから

罪を裁きにきたの!」

と叫び周りから煙たがれていました。

 

 

まあ私たちも普通煙たがりますよね爆笑

何言ってんのこいつ、ってなります。

 

 

ですが、なんと最終的に

ほとんどの人間が彼女を崇拝するのです。

モンスターたちを呼び出してしまったと

思われる人物が発覚した際に、彼女が

 

「神の怒りを煽るこの人間を神の供物にしよう」

 

と言うと、人々は彼を容赦なくフルボッコにし、

モンスターがいるであろうスーパーマーケットの外に

放り出してしまうのです。

 

 

 

あんなに「なんだこいつ」と見ていたくせに、

今や彼女が言うことを正しいと信じ、

人殺しさえを厭わないのです。

 

 

それほどまでに人の善悪の判断というのは

なんという脆さか、ということですよね。

 

余談ですが胸糞映画の上位に入っている

理由はここではないのでご安心を。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

私の善悪の判断の基準も、実は今の日本の

環境によって培われたものなんじゃ

ないか?と考えると自分が自分じゃなくなる

ような感覚がありますね凝視

フィクション、ノンフィクションを交えて

紹介させていただきました。

 

 

今回は長くなりましたが、ここまで読んでいただき

ありがとうございます。

8月ももう半分過ぎちゃいましたね、怖っっ!!!

 

 

 

 

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