なんか最近、桑田佳祐のことばかり書いてますね。
そりゃそうだ、そばソーダ(あ、これ九州だけのCMかな?そば焼酎雲海)、アルバムが出たばかりだし、毎日テレビで見れるし、雑誌ももうすぐAERA、ロッキングオンJAPANで特集も読めるしね。
そんな中、今日のスペースシャワーTVは最高でしたね!
もう音楽の斬新な企画は、昨日も言いましたが、完全にスペースシャワーですね。
司会のいとうせいこうを筆頭に、他4人のゲストのサザンオールスターズや桑田佳祐に対する知識や見解がずば抜けていて、地上波でよくある上っ面の会話とはえらい違いでした。
特に20代のヒップホップアーティストの捉え方が今風で面白く、逆に勉強になりました。
世界の最先端のリズムをヨシ子さんだけでなく、いろんな曲でさりげなく使っていて、それをさらに独特な間合いで使いこなしているのは信じられないとか、それがどんなリズムなのか解析したり。
「月」でも単純なマイナーコードの中で、とんでもない難解な揺らぎのコードを一点に使ってるとか。
今の20代の若者は、小学生の頃に「波乗りジョニー」に自然に聴いてるから完全にDNAに刷り込まれていて、夏には必ず思い出してしまうとか(笑)
では、4人それぞれが選んだ「がらくた」の中の1番をあげてみましょう。
若い音楽評論家、柴 那典さん
「サイテーのワル」
ボーカルにかぶせるオートチューンの使い方が、テクノ的でなく、ギターリフでロックで、ベースがシンセという、今の最先端の潮流をうまく取り入れている。拡散をいいね!と読ませたり、文字の取り入れ方がなんかラッパー目線だなと。譜割りとかもスゴすぎる。今のラッパーの大元は40年前からのサザンだという人の意味もわかった。
ラッパーのR-指定さん(Creepy Nuts)
「愛のささくれ〜Nobody loves me」
三連のリズムの使い方が、USの今のラップと重なってて、しかもイントロから歌に入る時に1拍置いて「ちょいとそこ行く姐ちゃん♪」と始まるところが渋すぎる!
ここに反応する人はヒップホップ畑の人たちで、ポップス側からは気づかないのでないか?
チャンス・ザ・ラッパーがやってるようなスゴいと思ってるところをさらに崩してしかもベテランがやってるなんて…。
ここでちょっと中断して、歌詞の中に、ONE OK ROCK が出てくるところに、いまだに桑田さんはあんな大物なのに若いアーティストを妬んでいるのか?(笑)と盛り上がり、パンチライン(決め言葉)はここだ、ということで桑田佳祐に直にインタビューを行いました。
桑田
「最近の若いアーティストは得体が知れない。ONE OK ROCKやRADWIMPSとかいろいろ。この前も、ロッキングオンのフェスで、ゆずがメチャクチャ盛り上げたもんだから、出にくくなったよ(笑)昔のオールドロックとか芸能を感じさせるものを我々はどうしても取り入れたくなったり影響が出てしまうけど、彼らは本当に個性的でオリジナリティがあるよね。」
漫才師ダイノジの大谷さん
「若い広場」
サザンは昔、阿久悠さんの作詞を解体したりくっつけたりしてさらに進化させたような感覚があったが、この曲は、一周して阿久悠さんの良質なパロディにも聴こえる。しかも、6くらいの力で歌ってるような軽さがある。NHKの朝ドラとか気合いはいりまくりになりそうな依頼にこんなかたちで応えるのはさすがの余裕。毎朝聴くことになるから、飽きないようゆるくしたんだろう。さらに6の力だからこそ、残りの4は言葉が倍音のごとく響く仕掛けを作っている。
アーティスト、Lica×××
「ヨシ子さん」
サビの女性の声が入るミキシングはなんなんだ?から入り、歌詞も多層構造になってる。知らんぷりしながらも全部桑田さんやってるじゃないかと(笑)ディアフレンド、次がリフレインと韻までしっかり踏んでるし。
アルバム全体を見て、歌謡曲が1つのポイントになってるのは言うまでもない。しかしその歌謡曲は、我々若い人にはひとつのジャンルのように思ってしまうのだが、実はブルース歌謡、ジャズ歌謡、ハワイアン歌謡、ラテン歌謡…扉の向こうにはいろいろあることを気づかされる。
「若い広場」でいうと、黒人ドゥーワップあり、ビーチ・ボーイズありなど、実は歌謡曲って一筋縄ではいかない深いものなんだよ(日本の誇りなんだよ)と感じさせられる。
さらには、桑田さんは歌謡曲を壊していった人であり、1人で戦って続けてきた人でもある。つまり、ヒップホップでもロックでも何でもやってきてるけど、歌謡曲のフィルターを通して見てた一面もあるのかなと。
そこで、いとうせいこうさんが名言を。
偉大な人というのは、作ることと、壊すことを同時にやる人が多い。壊してるだけの人はすごく見えるけど大したことないのよ。
そこでまたインタビューに戻る。
桑田
「ジョギパンのデビューは今でこそあれで良かったのかな?とは思えるけど、当時はCharや、世良公則&ツイストみたいにジーンズはいてロックっぽく出たかった。まさかランニングにジョギパン…」
「若い広場とか、幼い頃に憧れたキングトーンズとかやりたかった。グッナーイ、グッナーイベイビー♪とか今思うとスゴい発音だけど(笑)」
参加ミュージシャンの話もありましたが、だいたい雑誌とかの内容と同じでした。
昔のでは、「スキップ・ビート」を推す人もいて、
歌詞の中で、割れたパーツのマニアってあるんですが、この一言で女性の体を表すスケベを表現するのがスゴいなと(笑)。後のサビのスケベスケベ♪につながる訳ですが、お茶の間に出す今でいうコンプライアンスとして、実はスキップビートと叫んでますという空耳感で、しかもメジャーで勝負して遊んでるのもスゴい。トップの人がこういうのをやってくれてるから、マイナーなインディーな人も勇気づけられる。
とにかく、語りが尽きないようで、2〜3時間くらいでも良かったんじゃないかってくらい盛り上がってました。
あ、もうこんな時間。
おやすみなさい(^^)

