欲深く、業深く、不覚に不快な昼下がり

客観性を見失った僕の自傷癖を
殴るように愛した理由が消えて

被写体はいつでも、しなやかに
雨の日を通り抜けて笑っている

僕の首を締めるのは、嗚呼、きみ

喉の奥で繰り返す自分自身への罵倒
遮光カーテンの冷笑を見ないふりで

欲深く、業深く、不覚に不快で眠り薬

上辺だけを撫でた性行為が紙面を飾り
わたしの喉は渇きを知らないまま痙攣を続ける

壱、陶酔だけの彼がねむる
弐、壁の落書きが喚いている
参、彼女は自称アーティスト

骨が砕けそうなほどの感嘆が
身ぐるみを剥がされた赤色で
勝手にひとりで絶望しては鳴いている

掛け算すら満足に出来ない彼らの
削りとられたラストネームの由来

倒れ込んだ床の上には三面記事
最上級に不埒なのはわたしか貴方か
隠蔽されながら真相を嗅ぎ回っては

また同じ場所で出会ってしまう
堂々巡りのマスターベーション

青く照らし出される25分間
悲鳴はくりかえし、くりかえし
それでも視線は凝固したままで

重責、或はひび割れた虚栄心
世界は無表情で僕を見つめる

どうしても欲しかったものは
単純に言ってしまえば「温度」
君が僕に唯一与えなかったもの
最後なのに微笑んで、どうして、あの日

夕立ちのなか断ち切れてしまった指先を噛む
個人的な退廃は誰も咎めることなど出来ない

淡く照らし出された翼を持つ君の背
くりかえされる記憶の断片をどうか
悲しみのクローゼットに押し込んだままで

能面の笑いを覚えた18の冬
世界は反転し、加速度を変えた

歩き方も眠り方も
愛し方も生き方も
笑い方も泣き方も

全て活字を手本にして

フローリングに散らかる化粧品を指でなぞり
陶酔と酩酊と現実の区別もつかぬまま
まぶたは熱を帯び唇は歯列を受け止めた

(空間は私を押し出すように躍動を続ける)

痛いくらいに青い、朝の下で
世間体に砕かれそうな背骨は
卑屈な麻酔で自我を保っていた
あたしの血の色した
貝殻と瞳孔
袋状にしてある
記憶たちのご馳走になる
液晶だけの薄汚い部屋
立ち止まる貴方を誘って

襟巻きトカゲ
リアリー愛妻
暗闇に見出したレインボー
怖がらないで
こっちに来てね
貴方の眼玉黄緑卵

月星の隣の桃を齧ると
瞬きする度に
恍惚と朝まで踊れる
確かにそれは林檎のような
貴方の心臓を訪って

マタニティー梅林
球根ワルツ
夜空に舞い散るのはルナティック
宗の教育に似通う今宵
公園の亡霊は極秘戦

下手くそな麻薬よりも
ずっと貴方の方が素敵だから
あたしはもっと寄り添って居たい
目の前に映し出るはヘブン

必ずちゃんと帰って来て
どこに居ても信じているわ
止まらないのなら止めてあげる
あたしの愛たっぷりな糸で
捕まえてあげる