❤紫陽花♪ ② トパーズとShort Story(小噺) | 地球の日記☆マーク♪のblog☆

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この地球は今大きく変わろうとしている。自国主義からコロナ禍を経て、調和・融和へとイノベーション(変革)し、人生100年時代へ向けて脱炭素の環境優先へとベクトル(地球的エネルギー動向)が動いた。
常に夢を持って波に乗ろう!

宝石など、わらわのガラではないが、

そこにあるモノは何らかの意味がある筈

引いてみた

 

トパーズ

 

トパーズ

 

確か、ヒッチコックの名画にそのようなタイトルの

スパイ映画があった記憶がある。

007など冷戦前のスパイ全盛の頃。

 

トパーズ

1969年-125分-サスペンス

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基本情報

解説・あらすじ

緊迫する東西情勢の中、キューバにソ連製のミサイルが運び込まれるという情報がもたらされた。米仏の情報機関は、これを探るため局員を現地に派遣する。そして、浮かび上がったトパーズという謎の組織を追って、局員はその正体を探るが……。キューバ危機を背景にしたスパイ・スリラー。

 

 

 

さて、それでは、ストーンの

お告げに従って。

一旦、日本史から離れ

 

映画のようにストーリーをたのしむ

構成にシフトします。

 

日本史はいつでも書ける。

 

 

 

 

 

皆の衆、今日は。如何でござろうか。

 

拙著「国難は過去に何度も遭った」で、

 

多少はメンタル面に免疫を施されたものと思し召し候。

 

われらの時代、文武の腕を磨かざれば

 

「朝(明日)に道を聞かば夕べに死すとも可なりや」とも言われ、

 

真理を求め、その日を命懸けで生き抜いたもの……。

 

 

 

 

 

寿司の舟盛りを食べ 喰いながら一家の主である兄と居候の弟が

なにやら噛みあわぬ、いや寿司は噛めるが、

話が噛みあっていないようである。

 

 

 

 

 

「おぬし、どうしても出かけなければならんのか?

お上より非常事態宣言が下されているこのご時世に……」

 

「はい、坐して死を待つより、剣の修行をして、この国難を打開したく、

何卒外出させて戴きたくお願い申し上げます」

 

視線が熱く絡み合った。

 

 

 

「やむをえまい。このご時勢……誰かが討手にならねば」

 

襟を正して

「それでは、我が家に代々伝わる家訓を申しておく。しかと聞けい!」

 

「はっ」

 

「ひとたび、外に出たなら、外には七人の敵がいると想え!」

 

「誰です?それは」

 

「言わずと知れたこと。おめおめ覆面をはずして会食などもってのほか」

 

「お言葉ですが、われわれ今こうしてマスクはずして

会食しているではござらんか」

 

 

 

「ええい、黙れ。身内はいいのじゃ」

 

 

 

「コホン。また、油断なぞして間合いをはかるのを怠ってはならん!

いつ居合抜きの飛沫が飛んで来るやも知れん」

 

「(やれやれ……) 

はっ、 しかと承りました」

 

じっと目の奥を見据えて

「マジか?」

 

「えっ、今なんと申されました?」

 

「いや、おぬしのその腕ではまだコロナは斬れん」

 

「やってみなければ分からないではありませぬか」

 

「真空霞斬りを会得したぐらいでのぼせてはいかん」

 

「ですから奥儀を究めたく、敢えて人流の密集したハチ公前に出かけて、

コロナ菌を少しずつ取り入れ、抗原抗体反応で免疫を獲得するのでござる」

 

「それが、うぬぼれというもの。今は敵もさるもので変異株に進化しておる。

 

それとも、おぬしには、その見分けがつき、

真空霞斬りで、一匹一匹斬りおとせると言うのか?」

 

「はあ、やっと蚤、ダニの類は見切れて、

米粒を斬るように真っ二つにするぐらいは朝飯前になり申したが。

 

いかんせん敵は世界的コロナ。

 

残念ながら未だ見切れてはおりません。

 

ですから、今一度修行に、渋谷に行きとうござる」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「いや。  いかん。 

 

騒ぎになる。

 

その腰のものを置いて行け」

 

 

 

 

「ですが……、これが無ければ、闘えません」

 

 

「では、代わりにこれを持って行け」

 

 

「なんですか、これは?  包丁にしてはぶあっつい……」

 

 

「これで、感染者を探せる。これが鳴る。

 

感染者が来たら逃げろっ!

 

 

「えっ⁈ 逃げるんですか?」

 

 

「左様。君子危うきに近寄らず。参拾六計、逃げるに如かず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵に背を見せて逃げるなど、卑怯ではありませぬか」

 

 

「敵こそ姿を見せぬ卑怯者ではないか。

 

まあよい。ふふふ、しかしそれも作戦の内、

 

埋伏の計じゃ」

 

 

 

「まいふく?」

 

 

「左様、陥穽の策も併せて、味方の兵を伏せておく。

 

 

そなたは何も知らず麻布まで逃げて来れば良い」

 

 

 

「なにやら分かりかねまするが、拙者をおとりに使うおつもりですか?」

 

 

「心配するな。心配なら、ワクチン2、3本打っていくか?」

 

 

「それには及びません。これが鳴ったら逃げればよいのですね。

宮益坂の方へ」

 

 

「左様、コロナも羽が生えて飛んで来りはせんから、安心せい。

 

但しおびき寄せるようにゆっくりとだぞ」

 

 

「しかと賜りました」

 

緊張して金打(きんちょう)を打つ兄弟。

 

 

 

  

 

 

 

 

こうして弟二郎は渋谷村のハチ公の前に立った。

 

むかし来たきりだった。

 

確か、東急文化会館にプラネタリウムがあった筈だが。

 

と、青学の方へ行こうとした矢先、

 

往還でなにやら白い前掛けをした

 

西洋のお女中のような娘御が、

 

近づいてきて、御懐紙のようなものを渡された。

 

 

「ん?」

 

 

丁度その時だった。

 

 

兄から渡された陽性者接近警報がけたたましく鳴った。

 

ハッ、と弟二郎は身構えた。

 

腰を落とし、左方の足を引いて半身の姿勢に

 

一挙動でなったはいいが、

 

肝心の左腰に得物が無い……

 

「や、不滅の刃を家に置いてきた……」

 

虚しく左手が空を掴んで、一瞬ほぞをかんだが、

 

「こうなりゃ武術格闘技で応戦だ」と肚をくくった。

 

 

「うぬっ、その方、くの一か?」

 

「……」

 

「ころな方の患者、もとい間者(回し者)か?」

 

 

 

 

 

 

 

向かいに不可解な面持ちで佇立しているお女中だったが、

 

さっきからの殺気で緊迫した面持ちに変わり、この男弟二郎を凝視している。

 

 

 

すると、さっきから鳴っていた警報音が徐々に低く、遠ざかっていく。

 

「やや、おぬしが陽性キャリアーではなかったのか?」

 

「はっ、ナンチュウセイ?」

 

弟二郎は辺りを見回し、四方へ遠ざかっていく通行人の背に

 

警報機をかざすが、それらしい反応は徐々に小さくなって

 

……しまいには消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無念。捕り逃がしたか……」

 

 

 

 

悄然とした面持ちで天を仰ぐ

 

 

 

青空に夏雲のような白い雲と、

 

真っ赤に燃えたギラギラ照りつけるでっかい太陽が、

 

 

デンとニラミを利かしている。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか?お客さん……」

 

 

ふと娘御に声をかけられた。

 

 

弟二郎はあらためてそのお女中の奇妙奇天烈なナリに目を瞠った。

 

 

「えっなにっ?」

 

と、言おうとしたが、お女中に舐められてはいかんと、言葉を呑みこんで

 

 

「いや、失礼した。お女中のナリを見てコロナ方の回し者かと思うたまで」

 

 

 

 

「あのう……」

 

「失礼ですけど……女中ではありません。

 

  (胸を張って)メイドなんですけど」

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

「左様か、いかいこれは失礼いたした。冥土殿」

 

許されよ。ご無礼つかまつった」

 

 

「ふっ、おかしな方言」

 

「失礼ついでにちと尋ねたいが、よろしいかな?冥土どの?」

 

「ふ、いいわよ。でももうちょっと離れてくれないかしら」

 

「あ、これは失敬。そうじゃったソシアルダンスじゃった」

 

「ぷっ」

 

 

「この辺りでどこに行けばコロナの養成者に出逢えるかの?」

 

「陽性?」

 

「左様、クランケ」

 

「ああ、それなら、そこの左、宮益坂の向こう高速の下、六本木通りをずぅーとまあっすぐ行くと、高樹町に出るから

 

「タカギ町」

 

「うん、そいで、今度はそこを右にまあーすぐ行くの」

 

「……」

 

「そしたら、赤十字病院に出るから……そこだったら多分患者さんがいるんじゃないの?」

 

 

「かたじけない」

 

「でもなんでそんなとこに行くの?お客さん」

 

「いや、まだお客さんじゃない。免疫を付けにじゃ」

 

「メンエキ?」

 

「分からんじゃろうな、冥土どのには……」

 

「免疫なら済んだわよ」

 

「なにっ? おっと、マスクごしじゃ聞こえにくいな」

 

「私はワクチン打ったから、マスクはずしてしゃべったげる」

 

「あやっ?ワクチン打ったと?

 

「うん、こういう接客商売だから公衆衛生法とかで、

ワクチンチン余ったからSNS空席待ちで即時打ちして貰ったの」

 

 

「およよ、はやっ……で、どうじゃった?痛くはなかったかの?」

 

「そうねえ……、針が刺さった時はちょっとチクッとしたかな」

 

「ちょっと待ってね。信号変わったから動線こっちにくるから配るね」

 

素早くマスクを定位置に装着し、ビジネススマイルモードにもどった。

 

愛想を振り撒いて、ティッシュを撒いていく。

 

「なら、拙者も手伝ってつかわそう。どれ」

 

 

 

「あら、上手いじゃない。どっかでチラシ配りでもやってたの?」

 

「いやあ、それほどでも……」

 

「なに照れてんのよ。ウブなの?」

 

みるみる頬が紅潮して恥ずかしそうに

 

「穴があったら入れたい入りたい」

 

話しを逸らすように

 

「コホン。ところで、ワクチンチン打ってなんともなかったかの?」

 

弟二郎の額から汗が滴り落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

「そうねえ。0.3mlの筋注打った後、その部位が抗原抗体反応をしたのかしら、

腕がなんとなく重くなっちゃったかな」

 

「うん、それで?」

 

「でも2、3日で治ったわ」

 

「うん、それから?」

 

「ああ、そうだわ。その夜は鼻水が出たの憶えてるわ。あれも抗原抗体反応だわね。

そういうときこのティッシュが役立つのよねー。

 

それとねー。人間の細胞は60兆個あって活性酸素を排出するのにリコピンも摂ったわね。

 

古い細胞と一緒にコロナウイルスの死骸が体外へ排出されたのね」

 

「ピコピンピン? ほかには、頭痛がするとかは無かったかの?」

 

「それは無かったけど、お腹が減ったわね、今みたいに」

 

「ん?燃料が必要なのか?1日1500kcal以上なのか」

 

 

 

 

 

 

娘がまたマスクを外した。

一瞬、ビビったが、よくみれば意外に可愛い。

 

 

「そう、もうあとちょっとで配り終えるから、

どうかしら、うちのお店で一緒に何か食べない?」

 

 

 

そう言って寄り目で可愛いっ子ぶって、猫みたいな舌をペロッと出して甘えてくる。

 

よくみればこの娘は、手足が長くスレンダーで、小股が切れ上がったいい女だ。

 

 

ドキッとしたが、胸の内を悟られまいと平静を装っていると、

 

彼女の持っていたティッシュがポロッと下に落ちた。

 

 

彼女はそれを拾おうと、しゃがんだ。

 

そのとき胸の谷間から白いキメの細やかな青筋の見える綺麗な膨らみが見えた。

 

艶めかしい香りが漂って来て、経験したことのない変な気持ちになった。

 

 

そう彼女は明らかに誘惑しているのである。

 

 

「きょうは、お手伝いしてもらって、えらくかたじけなかったでござる。

 

 

あらっ。ふふ。うつったのかしら。

 

って、この用法、語法あっている?」

 

 

 

うーん、

 

据え膳食わぬは武士の恥とも……。

 

 

いやいや大変なことに相成り申した。

 

 

 

(モノローグ)

……参ったな。このままじゃどんな処に連れて行かれるか分かったもんじゃないぞ…

 

(ブツブツ…)

まさか手元不如意だと言っても、実際そうなのだが……

 

それですんなりリリースしてくれそうもないしな・・・(ブツブツ・・・)

 

 

 

さあ、コロナならぬこの色仕掛けのピンチを弟二郎はどう切り抜けるのか、

 

それともハニートラップに陥るのか?

 

危うし弟二郎の運命やいかに。

 

 

 

 

いやぁ、残念!

 

ここで、アメブロの字数制限に阻まれ

 

やむなく、続きを分割せざるを得なく……

 

あいや、待たれよ次週の次号を!

 

<つづく>    吟


本日、正午

紫陽花❸

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