今日は午後からイヌのひよりちゃん(♀10歳)の発作の薬をもらいに行き、その足でわたしの耳鼻咽喉科に行ってきました。

 

ひよりちゃんは、発作の薬を飲み始めてから、たまに起きていた発作もなくなり今のところ調子がよいです。ホッとしています。

 

わたしは今飲んでいる漢方薬の効果があまりないので、新たな漢方を飲むことになりました。聴力の回復はないとのことですが、漢方が合えば、耳の痛みや耳鳴りが軽減するとのことです。

 

ところで、奈良公園のシカたちに関することですが、農業被害があるので、「駆除」を行なうこともやむを得ないとの話が出ています。

 

しかし、農業被害があるのは、田畑の防除柵を適切なものにしていないからではないでしょうか?実際にニュースで流れていた奈良公園付近の畑には柵がなかったり、どの動物の侵入も防げないような柵がしてあったりしましたよね。

 

そのため、適切な柵の設置作業をわたしたちがお手伝いできないかと県庁に相談したところ、「大丈夫(してくれなくてもいい)」ということでした。

 

理由は行政が少しずつだが、柵の設置を進めているとのことでした。

 

県庁のいつもお世話になっている方と話をしていると、農家の方が「シカが金網を食いちぎる」と言っていたとのことで、柵の効果はない、と話がまとめられそうになりました。

 

しかし、金網をシカが食いちぎり穴を開けて田畑に入ることは絶対的にありえないことです。

 

*シカが金網を食いちぎるのであれば、ワイヤーの括り罠も食いちぎるでしょう。しかし、シカたちには、それはできません。我が家の保護シカのぞみちゃん(♀推定6歳)は、括り罠のワイヤーを口(歯と顎)を使い取り外そうとしていたようですが、罠はとれていませんでした。のぞみちゃんは必死でワイヤーを取り外そうとしていたため、顎は骨折またはヒビが入っていたのです(レントゲンを撮れなかったので、獣医師の推測です)。レスキュー後から日にちが経つにつれて、のぞみちゃんの顎の一部は腫れ上がり、皮膚の中から膿が出てくるようになり、その後、表面(皮膚)の手当を行なっていましたが、なかなか改善しませんでした。

 

ふと、金網のつなぎ目の施工があまく、そこをシカが突破したかもしれないと思い、県庁の方にそのことを言うと、「専門家もシカが金網を食い破ることはまずない」と言っていたということです。

 

金網のジョイント部分にもポイントがあり、適正な材料を使いつなぎ合わせたり、ワイヤーメッシュを絡め合わせたりすることで柵の効果はアップします。

 

行政やその他の人たちの話を聞いていると「柵は効果がない」という方向へもっていくように進んでいる?としか思えません。

 

奈良公園のシカたちの個体数は、昔は今より少なかったかもしれませんが、それは自然環境の状態によるものです。春日山では、森林が回復するとともにシカの個体数も回復したという、自然環境ではいたって当然な現象であり、シカの個体数の回復は大騒ぎすることではないとわたしは思っています。

 

こちらは、1974年頃の春日山と2008年頃の春日山です。

 

1970年代まで無立木地・はげ山が広がっていた地域も少なくなかったのですが、その箇所が2008年頃には森林に覆われています。

 

●画像出典:揚妻直樹「シカ個体群の歴史から自然生態系保全を考えるー経緯を知ると見えてくるものー」

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://forest.fsc.hokudai.ac.jp/age/KiiSympo2015HP.pdf

 

他の種と生息地を共有しているのが、この地球で生きるということです。

 

そのため、他の種の存在を受け入れることがわたしたち人類の課題であると思います。

 

シカによる農業被害を軽減させるための「駆除」ということなので、その目的は農作物を守ることです。

 

シカに強い柵を最初から設置(田畑やその周辺環境構造の見直しを)すれば、その目的のほとんどが達成されます。

 

目的を達成できれば、目のつく自然環境に(田畑周辺に)シカたちがいても何の問題もありません。

 

しかし、シカ個体数が増加すれば、自然環境にシカたちの食べ物が少なくなり、シカたちが田畑の作物を必死に食べようとするので、柵の効果はない、と言う専門家の方がいらっしゃいます。

 

シカに強い柵であれば、シカは田畑に入れないので、シカたちは生活できるところへ移動するでしょう。

 

動物たちは非常に賢いです。入れないところとそうでないところ、よくわかっていますし、もし、シカが柵を突破しても、その柵の問題点を見つけ出して手直しすればいい話です。

 

シカやイノシシ対策として、他の国でも防除策の試行錯誤が行なわれていますよね。農家の人たちが自ら研究したり、防除の専門家が行なったりいろいろです。

 

第一の目的は何か?ということを明確にし、自然環境に対して乱暴な対策を行なわない懸命な対処を行いたいですよね。

 

*シカによる生態系破壊については、シカの「駆除」が生態系保全に繋がっているという根拠はないため、「駆除」は自然環境を攪乱している可能性があるかもしれません。

 

*シカによる土砂流出は、シカの存在が問題ではなく、人間の自然環境に対する開発などが問題です。土砂の流出は自然環境ではあることです。

 

「地球上における人類の隆盛は土砂流出現象なしではほとんど成立たなかったのかも知れません。人間は土砂流出と共存しなければなりません。人間は土砂流出システムの中で生活していますから、土砂流出システムの均衡が破れると害を受けます。現在では過度の開発によって従来緩衝地帯として機能していた部分がなくなり、システムのバランスが危うい状況になっています。」

 

●引用:高橋保 著『土砂流出現象と土砂害対策』近未来社、2006.(「まえがき」より抜粋)

 

人間はの脳は飾りじゃないので、専門家だけじゃなく市民もいろいろなことを考え、問題解決に向けた本質に焦点を当てていきたいですよね。

 

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