今日の犬たちの散歩はそれぞれに嬉しいことがあり、犬たちは終始ごきげんさんだった。
散歩中、声をかけてくれる顔見知りの方たちには、犬たちは友好的に挨拶しに行き「散歩楽しんでるねん」と顔も知りの人に言っているのがおもしろい。
昨日は午後から翻訳家で著述家の井上太一さんとZoomで初の対談をした。
井上さんとは今までメールでやり取りをしていて、井上さんはわたしにわからないことなどをとても親切に教えてくれていた。
井上さんは動物擁護活動を積極的に行っていられるので、日本の動物擁護活動の事情に詳しい(もちろん他の国の動物擁護活動にも非常に詳しい)。その話を聞いているだけで大変勉強になる。
今回、井上さんと対談するにあたり、井上さんの自著『動物倫理の最前線』を対談日までに読み終わっていたかったが、読み終われなかったのでわたし自身少し残念に思った(読み終わっているとより有意義な対談になったと思うので)。
井上さんは、現在ヴィーガン入門の本を書かれているので、わたしのヴィーガン生活について話をしたり、動物擁護活動の話をしたり、鹿を保護した当時の話など様々な話を井上さんとした。
わたしはもともと人との会話が苦手で脳内にあることをうまく言語化できないのだが、井上さんはわたしの話を親身に聞き取り返答してくれていたのでうれしかった。
日本の動物擁護活動の内容などで、わたしが問題視している点を井上さんに話すと、井上さんもその点を問題視されていた。動物擁護活動を発展させるには、やはり、多角的に深く勉強をする必要があると思ったし、大幅な底上げ(活動するにあたる意識向上・認識改善など)が必要だと思った。
動物にたいして行われていることは、人間社会で起こっている延長なので、まず、歴史を含めて人間社会の構造、システムを学び自分の立ち位置を知ることが重要だ。
そして、社会が生みだしている差別を理解しなければいけない。
動物擁護活動はインターセクショナルの差別に反対すること、このことが重要だと改めて感じた。
わたしは動物たちの権利を主張する立場だが、そうではない新福祉主義という立場もある。
新福祉主義は動物たちの権利を目指し、動物福祉の改善活動を行うが、その福祉は真に動物たちの利益を目的とされたものではいため動物福祉はどこまでいっても福祉止まりなのだ。
わたしたちは人権が保障され福祉が機能している。他の動物種たちも動物たちの権利が保障されて真の福祉が保障される。
井上さんとの話でも出たが、わたしたちは人間と他の動物種を全く別として考えることがほとんどなので、人間と他の動物種の生物としての連続性に気づき、動物として同じであることの理解が重要である。
Zoomで対談中、鹿のすぐるちゃん(♂5歳)と犬のひよりちゃん(♀8歳)、鹿ののぞみちゃん(♀推定4歳)が飛び入り参加していた(笑)。
鹿たちのその様子に井上さんはニンマリされて、鹿たちとの暮らしや保護した時の様子などを聞いてくれたので、わたしは張りきって答えていた。
「鹿たちを保護・レスキューは大変だった」と言葉で言うのは簡単だが、実際には非常に大変であり、わたし自身、言葉で言い表せない大変さだったと今になって思う。
社会に野生動物保護という考えがほぼない状態で、特に「害獣」とレッテルを貼られ「駆除」対象になっている鹿を法的に問題なく保護するのは困難に近い。
しかし、不可能なことではないので、保護した者の責任として、保護動物のために最大限の活動を行う。
以前、車に轢かれた鹿を保護した方がいたが、その方は行政から飼育許可を得ることを放棄していた。
飼育許可を得る交渉なく、野生動物を保護することは非常に無責任である。なぜなら、医療やQOLにかかわる処置(避妊去勢)を受けることができないからだ。
「保護主の責任」は当然ながら機能しなくてはいけない。その認識もこの社会で皆無に等しい。
わたしは主に「おかしい」と思ったことにたいして批判を行っている。そのことにたいして井上さんは批判することはわるいことではなく、そのやり方に気をつけること(無茶苦茶なことをしないなど)が必要と教えてくれたので、今後、意識をして批判を行っていきたい。
日本ではなぜか「批判」することが嫌われる。しかし、批判なくしてよりよい社会を目指すのは、歴史を見てもわたしは不可能だと思っている(批判があってこそ過去にあった抑圧や差別などに目が向けられ、過去の暴力が改善された今の社会がある。現代には現在の構造的暴力がある)。
そのため、わたしはクリティカルシンキングに磨きをかけたいと思っている。
井上さんも、おかしいことには「おかしい」と声を上げられている。批判することを毛嫌いする社会で批判の声を上げるのは、周囲から様々な反応があり楽なことではないが、
動物擁護活動に覚悟を決め、わたしも声を上げ続けていきたい。
井上さんの動物擁護活動の決意は井上さんの自著『動物倫理の最前線』からもよくわかる。
井上さんが他の国の本を翻訳してくれたり、学術書を書いてくれたりするので、わたしたちは学びを深めることができる。
動物擁護活動の内容は、個々人や団体などで異なるが、真っ当なそれぞれの活動がどこかで繋がり、動物擁護活動が社会に認知される日が訪れるといいなと思う。
勉強を深めるために、また、井上さんと対談を行い様々な話をしたいと思っている。
いつでもオンライントークに参加できる位置で休むひよりちゃん(笑)。
「同居人の側がいいねん」とひよりちゃん。
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