神戸の市街地に一頭の鹿が現れたというニュースを見た。
その記事にシカを「捕獲」する場面が写し出されている。
見るに耐え難い映像だ。
●ニュース記事はこちら
おとなしく、友好的であるシカに対し、だいのおとなが何人もよってかかり、弱者であるシカを力ずくで捕まえ、ロープでシカの脚を縛る。
これは、動物虐待であり暴力である。
何人もの人間に力ずくで捉えられたシカはどれほど絶望的だっただろう。そして、どれほど怖かっただろう。
映像で見る限り、市街地に迷い込んだシカはひどいパニックに陥っておらず、生息地に戻る道を探しているかのように見えた。
これは、迷子になっているということだ。
この画像のシカの帰りを待っている家族や仲間がいただろう。
いとも簡単に、個々の命を奪うこの社会のおとなにわたしは絶望している。
市街地に迷い込んだシカを含め、他の野生動物は生息地に返すべきだ。
神戸市は、シカを殺害した理由をこう語る。
「再び市街地に表れた場合に人的被害が出る恐れもある」。
「兵庫県の計画で駆除対象になっている」。
個々の動物たちの生涯を決定するに、あまりにも杜撰な内容である。
草食動物であるシカが人的被害を起こす可能性は低い。
被害を起こすのはいつでもどこでもわたしたち人間側だ。
全国で行われている「シカの駆除」や他の野生動物種の「駆除」は、それが正しいという前提で行われているが、必ずしもそうではない。
わたしは大変怒っている。
「市ではシカは駆除対象と決まっているから~」と言い、それ以外の対処を行わないこの社会のあり方が非常におかしい。
駆除対象であっても、街に迷い込んだ野生動物は山へ返すべきだ。
駆除対処である野生動物種をすぐに殺害することを行っているのは、わたしたちの社会ぐらいではないだろうか(北海道の自治体では、市街地に迷い込んだシカは森に返しているところもある)。
他の国では、シカであれ、クマであれ、市街地に迷い込んだ野生動物はいったん山や森に返している。
「人的被害が出る恐れがある」というなら、その科学的根拠を示してほしい。
どの程度の確率でどのようなことが、どこでどのようにして起こるのか?
それをわかっていて「人的被害が出る恐れがあるから殺害」と言っているのだろう?
神戸市に批判と意見書を届けたいと思う。
ちょうど、他の国の野生動物のレスキュー動画を見ていた。
シカであれ、コブラであれ、住民や森林局は野生動物を生息地に戻している。
救助された野生動物が生息地に戻されることを他の国では称賛されている。わたしたちの社会を大違いだ。
●動画はこちら
「害獣」とか「外来種」とかレッテルを貼り差別を行い、ジェノサイドを普通に行っている社会を誰もおかしいと思わないのだろうか?誰も恐ろしいと思わないのだろうか?
わたしはこの社会の考えは非常に危険な思考であると思っている。
迷子になっている個々を助けることなく、殺害する社会なのだから……。
他者を殺すことが普通であることにおかしいと思わない社会は末期である。
にほんブログ村のクリックをよろしくお願いします。
↓↓↓