コメントに車に魅かれたであろう幼鹿さんを発見した方から連絡をいただいたので、「害獣」指定されている負傷した野生動物を発見した場合どのようなことをすればいいかを書きますね。

 

わたしが住んでいる県は、人為的被害にあった野生動物は鹿も含め救護の対象になっており、「野生動物保護ボランティア」登録をすれば、保護ができる仕組みになっています。

 

わたしたちが行政から飼育許可を得る時の条件が、「鹿はこの敷地から出ないようにする」「夫婦どちらかに何かあっても飼育放棄しないで終生飼育をする」「周辺住民から苦情がこないようにする」あと「去勢手術・避妊手術」でした。

 

わたしの場合は終生飼育するなら保護を認めますよ、という制度があったので、その点よかったですが、都道府県によっては、その制度が存在しないところもあります。コメントいただいた方のお住いの県「山梨県鳥獣センター」のサイトを見たところ、鹿は救護対象外となっており、その他の詳しいことは記載されていませんでした。

 

このような場合は、県と交渉し、人為的被害である場合は、救護できる制度を整えてもらう必要があります。

 

「○○の県では、こんな制度があるよ!」「保護しているよ!」と行政に伝え、その制度を導入してほしいと要望をしてみるのといいのではないかと思います。

 

現在、森林破壊などが進み、野生動物たちが人里や道路に脚を運ぶことが多くなっていることから、野生動物を人為的に傷つけることはますます増えてくるので、種を問わず野生動物を救護するシステムが必須になってきます。

 

「害獣」とレッテルを貼られている種であっても、適切な診察、治療を行うことはわたしたちの責務であると考えます。

 

「害獣」指定されているから保護はできないとか、飼育許可を与えられないとかいうのは、その考えが今の時代に合っておらず、差別的であることから、保護・飼育できるように行政との交渉を進めるがいいと思います。

 

実際、わたしも行政とのやり取りには大変困り、途方にくれていた日がありました。

 

希少野生度動物であれば、動物園などが受け入れしてくれるかもしれませんが、「害獣」の受け入れはまずないので、現状では、保護した本人が責任を持ち看護していく必要があり、診察や治療にかかる費用ももちろん実費になります。

 

ただ、日本で鹿に詳しく、適切な診察や処置をしてくれる獣医師が非常に少ないことが最も困るところなので、さまざまな病院・大学病院へ連絡して、受け入れてくれる病院を探さなくてはいけないです。

 

動物園は動物を見世物として扱う場なので、野生動物を保護したわたしのニーズに合うことはなく、野生動物も犬や猫たちと同じように大事に扱ってくれる病院を探すのがいいと思います。今まで、動物園に何度も問い合わせしていますが、真に動物のことを考えて接している回答をいただいたことがありません。

 

負傷した野生動物を保護したら行政に連絡を入れ、行政の対応で「受け入れない」と言われた場合、とにかく先に診察・治療を進めたいことを伝えると同時に制度導入の話も進めていくのがいいかなと思います。

 

制度が整っていない場合、協議にとても時間がかかるので、その間、獣医師にその事情の説明(「行政には連絡してあり、今交渉中です」と)をして、診察・治療を行ってもらうのがいいです。

 

保護した動物が怪我をしているのに、「治療しないで放置する」のはナシです。

 

「害獣」指定されている種の野生復帰については、現在では行政は認めてくれない可能性が高いので、治療を進めながら、よいタイミング(体力の回復度)で去勢手術を行うといいのではないかと思います。

 

そして、傷が野生復帰できないほど大きいのであれば(不自由になってしまうことが分かっている場合)、終生飼育のむねを行政の方に伝え、獣医師からも「野生での生活は困難である」と行政に伝えてもらうといいです。

 

行政が「ダメだ!!」の一点張りであっても、救護する意思を強く表明して、責任をもち保護をすることを伝え、保護の重要性を語るといった交渉が進めることができればいいなと思います。

 

実際、人為的被害にあう野生動物が増えているので、それを放置することは道徳的にも倫理的にも、自分の良心に反することなので、わたしはそのような無責任なことはしたくないと思っていた当時を思い出します。

 

野生動物の負傷の大きさで、安楽死を選択しなければいけない時もありますが、まずは、獣医による適切な診断を行ってから、判断するといいと思います(包括的に考え苦痛が大きいのであれば安楽死を選択せざるを得ない時があります)。

 

負傷した動物のお世話は、簡単ではないため、相当な覚悟が必要になります。

 

保護した動物にできる限りストレスや負担を与えず、動物が安心して休める空間を作り、回復を促す、そのような環境が必要になります。

 

「害獣」とレッテルを貼られたり、「外来種」と言われたりする種たちは、負傷しても現在誰にも助けてもらえない状況にあります。

 

その状況を少しでも変えていけるように、ひとりひとりにできることをやっていけるといいなと思います。

 

自然環境や野生動物を守ることはわたしたちの責務であり、わたしたち人間の生き方に大きな影響を与えます。

 

自然動植物と平和的なかかわりを行える、そのような人間社会はきっと、人間も含め希望ある社会だと思います。

 

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