保護犬を迎え、その犬さんが食べ物に執着しているという話を聞きました。

 

同居人が食事の用意をしていると保護犬さんが興奮しガウガウになり、同居人さんが噛まれたそうです。保護犬さんはその他の時間はガウガウすることなく静かということです。

 

保護犬さんが保護されるまでの過程が詳しくわかればいいですが、そうでないことの方が多いのではないかと思います。

 

わたしたちは「なぜ、この子は噛むのだろうか?」「なぜ、こんなにも食に執着するのだろうか?」など、目の前にいる保護犬さんが経験してきたことをあれこれ想像したり、考えたりすると思いますが、それを教えてくれているのは目の前にいる保護犬さんです。

 

食べ物にかんして非常に執着し噛むまでになるほど、ひどいことをされていたということで、犬さん自身とても苦しんでいます。

 

食べ物を見たり、食べ物に関連する状況になると、過去にひどいことをされたフラッシュバックが起こることもあります。

 

食べ物は生存に不可欠なので、食べることに懸命になるのは当然です。

 

わたしたちはどうしても犬の行動だけに目が向きやすく、犬の心境などを見落としがちになっています。

 

噛むといった犬の行動だけに目を向けていると、その行動をやめさせる犬を修正する発想になり、犬の感情は置き去りになるのではと思います。

 

噛む犬の対処法としてよく聞くのが、口輪をする、しつけやトレーニング、訓練などを行う、薬物治療などですが、これらは犬を我々にとって都合よく変えるということで、それを形にするには犬の行動や感情の自由を奪うことになっています。

・治療などを行うさい、口輪をしたり、鎮静剤を使用したりする場合がありますが、治療は犬にとって必要なことなので、犬自身状況を理解してくれていることが多いです。

 

抗不安薬を服用するのはよいですが、今一般的に行われているのは、抗不安薬を服用しながらしつけやトレーニングなどで、ここでも犬自身を変えるというものです。

 

抗不安薬を服用しながらストレスマネジメントを行うのが犬のケアに必要なことなのですが、悲しいことに犬をケアするという発想より、行動をなんとかしようという方へ向いているのがよくわかります。

・噛む行動をやめさせようと、犬にたいし「ダメ!」とか強く怒りつけると、個々の犬で反応が異なり、恐怖で萎縮する子やさらに興奮する子などさまざまです。

 

食べ物に執着して噛むまでになるほど、本人(犬)は苦しんでいるので、その状況を作り出さないように工夫してあげるといいと思います。

 

たとえば、食の用意を始めたとたん激しく興奮するのであれば、犬がいない場所(別室など)で食事の用意を行い、食事をすぐに出せる状態にして運ぶこともできます。

 

犬が食事をしている間、人は犬の側をうろうろしたり、じっとみたりしないで離れた場所に行く(姿を見せないなど)ことで、犬はひとり安心して食事をすることができます。

 

毎日、お腹が満たされる食事を安心して食べることができていると、食事への執着も徐々にうすくなっていくと思います。

 

器の回収は、犬が器から関心がなくなった頃に行えばいいと思います。たとえば、犬が器がある部屋と別の部屋にいるときなど。

 

もし、犬がずっと器を気にしているのであれば、無理に器を取ろうとしないでそのまま置いておき、回収できそうなときにすればいいと思います。

 

犬の行動を変えることばかりに意識を向けず、目の前にいる犬がわたしたちに行動や声、動作、目などで伝えている感情に目を向け、聞くことでわたしたちは犬にとってのいろんな工夫ができるのではないかと思います。

 

犬に聞きながらわたしたちが「どうしてあげるといいのかな」など考え、いろいろ試しながら犬の気持ちとともに焦らずゆっくり時間をかけて進んでいくことができるといいなと思います。

 

犬を萎縮させて犬の行動や感情を拘束したり、犬の気持ちを無視して人間がよいとする行動ばかりを強化したりしないで、犬の気持ちを大事にして築く信頼関係は犬自身とてもよろこびを感じる関係性で生活の質が向上します。

 

保護した犬さんが急に噛んできたら大変おどろくと思いますが、犬さん自身大変苦しんでいることを理解し、犬さんを信じてあげることも大事なことだな、と思います。

 

山里へ引っ越した頃の写真。

地面の水はけがわるかったので砂利をひきましたが、犬たちからブーイングが・・・。

なので、砂利を取りました。

この頃はまだ、犬たちに寄り添えていないわたしたちでした。

想像をすれば、砂利は足裏が痛いとわかるのに(汗)。

「でっかい 柿!」

 

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