種の異なる動物を助けるにはさまざまな知識が必要になってきますが、知識だけではなく、個々の動物への配慮がとても大事になってきます。知識があり、配慮ある接し方は保護される者への負担を減らし心身の傷の回復を助けます。
先日、接し方や施設のあり方がとてもいい保護施設があることを知り、感動しました(今もしています)。
動画には大きな傷を負った鹿を保護し、治療をして再び野生で生きていけるか判断するためにリハビリを始める様子が載せられています。動画の動物種は鹿ですが、接し方などは、犬や他の動物種に対しても言えることなので、接し方の参考になると思います。
★動画はこちら↓
まず、保護した鹿が施設ですごす部屋ですが、隙間なく木でしっかりと作られています。しかも、部屋は中央で仕切られています。仕切ることで治療も掃除もしやすいのではないかと思います。そして、部屋の広さもこの鹿さんにとってはよいと思いました。
・部屋の広さは個々鹿にもよりますが、広すぎると落ち着かないこともありますし、傷の大きさによってもあまり広くない方がいい、ということもあると思います。
鹿さんの看護をするときには、恐怖をあまり感じないようのカバーで顔(目)を覆っているのもいいです。そして、お世話係りの方たちがとても静かにケアをしています。傷をふれるのもやさしく、コミュニケーションをとる声はとても小さく。
お世話係りの方が鹿を抱え移動をするときには、抱き抱えられた鹿が少しおどろき脚を動かしていますが、鹿のこの動きに対しお世話係りの方が歩くのをやめてジッとしています。このときに鹿を抱えている方が自分の呼吸を整えているかのように見えます(自分も落ち着く)。鹿を抱えている方の動きに安定感があり、安心します。
鹿を移動用のボックスに入れる際も静かにゆっくりと行われています。鹿を上面からボックスに入れるのはこの鹿さんがまだ若く身体が小さいからだと思います。
リハビリを始める場所に到着してからのスタッフみなさんの動きもいいです。すべてのときにおいてスタッフの方たちは静かに落ち着いて行動をし、何といっても手際がいいです!
スタッフ同士のコミュニケーションでは、小さな声だけでなく表情だけでコンタクトしているとときもあり、状況に応じて変えているのがまたいいです。
鹿さんがリハビリを始める敷地面積も広くてすばらしいです。
スタッフの方たちがこのように行動できるのは、もちろんそれぞれの動物種たちと接する知識があってのことですが、鹿への配慮がとてもいきとどいています。
「どういうことが嫌なのだろうか」「どのようにしてあげると落ち着く(安心できる)のだろうか」など、鹿と向き合い多くのことを考えて想像したり、やってみたりしているのだと思います。やってみて、鹿が「それは嫌だ」と言ったら別の方法や接し方をしてみる、という、「鹿(犬)に聞く」ことが最も重要なことと思います。聞きながら個々鹿や犬に合わせて進めていくことで(わたしたちが動きや行うことなどを変えていく)、治療や看護が鹿や犬たちにとって大きな苦痛となることはほとんどないように思います。
手術や処置などが必要な時は、本人はとてもつらいですが、状況を理解していますので、治療に協力してくれますし、とても頑張ってくれます。動画の鹿さんもほんとうに頑張っています。
個々鹿や犬をわたしたちが行うことに従わせるのではなく、わたしたちが個々の鹿や犬に合わせて接し方を変えていく、ということが個々を救うとても大きな要素となります。
「わたしも たっくさんがんばったんだ」
接し方というのはわたしたちが相手をどのように思っているかがわかるひとつでもあります。相手を大事に思い、敬意を持っているのとそうでないのとでは接し方が全く違ってくると思います。
明日の記事もこの鹿さんと、ここの保護施設(RESERVA WILDFOREST)の話をしたいです。
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