昨年5月に成立した森林経営管理法では、森林の持ち主が管理できない民有林を経営者に集約させる制度ができました。
そして先日の記事に少し書いた国有林野経営管理法案可決により、わたしたちが暮らす地の大きな変化を避けられないと感じました。
わたしの知り合にはこの法案自体を知らなかったり、関心がなく詳しく知ろうとしなかったりという方がいました。
山や自然、生き物たちに関心がある人のなかには、可決したら大変なことがおこるという不安を感じずにはいられない方もいたのではないかと思いました。
改正案では数ヘクタールとされていた伐採規模が数百ヘクタールとされ、1年~数年だった契約期間がなんと、最大50年に拡大。
しかも、伐採した後、森林再生の義務付けがなく、伐採したままでも事業者を罰する規定はないのです。
大変おどろいています。
国有林を長期、大面積で民間事業体に経営をまかせるということは、人の利益のためにどんどん木は伐採され、そこに住んでいる生き物たちから家を奪うことになり生態系維持はできず、さまざまな影響がでてくると感じます。
雨水の流れなどからの災害が起こりやすくなることや水質の変化、行き場を失った生き物たちから抱く、人間の問題などがあると感じます。
この地にあるすべてを資源だといい、生き物も海も森も水も奪い尽くす・・・。
野生種の問題とされていることは、人間が生き物たちの生存地を荒らし、奪ってきたからです。
人間が原因で他の生き物たちが困り、絶滅しそうになっていても、人間は困っている生き物たちのせいだと言い出します(わたしたちは絶滅危惧種であるうなぎを保護しないで積極的に食べています。これは絶滅してもいいということでしょうか)。
人間はいつもずーと、他者に責任をなすりつけ、他の生き者に無実の罪をかぶせています。
海外では自然環境や野生種を保護する団体がいくつもありますが、日本は非常に少なく大きな団体としては1992年から活動をスタートした熊森協会があります。
活動をスタートして27年、自然動植物を保護しようと活動、発信をしてくれています。
熊森協会もこの法案について動いていましたが、強く反対していたのか疑問に感じます。
森や動物を心から大事に感じ、守られる存在であることやこれ以上、人間が活動をおこなってはいけないということを理解しているのであれば、この法案を全力で止めていたのではないかと感じました。
熊森協会はこの法案を詳しく知らない人たちに情報を発信したり、署名活動、デモもできますし、シュミレーションをし、今後を想定し、そのことをわたしたちに発信することもできたと思います。
他にもできることがたくさんあったはずです。
熊森は日本で唯一、野生種や自然環境保護活動を長年している団体です。
その熊森協会だからこそできたことが本当にたくさんあったと感じています。
長年活動している熊森協会の言葉は説得力があり、みんなに危機を伝えることできたと感じます。
調査に基づいた説明はおおくの人に理解してもらえやすく、現状を知ってもらえ、わたしたちに考える機会を与えてくれたのではないかと感じました。
個人でできることと、大きな団体だからできることは違うと感じますが、個人でも団体でも目標が同じであればそこに向かい、行動していくことができ、結果、大きな声になっていると感じます。
熊森協会にはこの法案を全力で止めてほしかったなと強く感じました。
この法案は先を見据えたものではないので、伐採されたその後のことも非常に不安になっています(目先の利益追求はその先を考えない)。
この法案により、生き物の犠牲が増えることは確実で、多くの命が奪われ、その命をわたしたち人間に利用(利益)される可能性が高いと感じます。
熊森協会には今後、この法案の運用をしっかりと監視(自然破壊箇所や面積、森林再生、生態系配慮など)ししてくれるよう、わたしは何度もメールやお手紙を届けようと思っています。
わたしはいつも今何年ですか、と言いたくなります。
わたしたちの社会では数十年前と同じことをいろんなところで繰り返されていて、毎日おどろいでいます。
今回のこの法案も問題を生み出すと感じています。
世界では地球温暖化対策や自然環境、動物保護問題を懸命に考え、今までの行いを見直し、利他的な行動をしています。
わたしたちの社会はその観点(保護、改善など)がまったくなく、大きなバイオマス産業によって森は喰いつくされていくのです。
そこに誰(生き物たち)の声や姿はなく、不気味な景観が広がり、わたしたちは今までよりもひどい現実と向き合っていくことになると感じています(怖いです)。
わたしたち社会が行っている隠れた部分にもしっかり目を向け見ていく必要があると感じています。
わたしはどんなことでもわたしたちの社会がおこなっていることが他に与えている影響を考え、想像できる人でありたいなと感じます。
わたしたちは生き物たちの家を奪い、生存を脅かす加害者であるということをきちんと認識して、わたし自身、加担していることを減らしてきたいと考えています。
熊森協会には生き物たちのためにがんばってほしいなと思います。
わたしもできることをひとつずつやっていこうと思っています。
*この法案以外でも、みんながいなくなってしまいそうな要素が非常におおくあります。
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