沈み行く川原湯温泉に泊まる | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

沈むゆく川原湯温泉に高校時代の友人とともに行ってみた。この温泉街がなくなることが、なんとも残念であるという気持ちを、宿泊することで形に変えてみる必要を感じたからだ。


お世話になったのは、


168湯 やまきぼし


吾妻郡長野原町川原湯301

℡0279-83-2013


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日帰り入浴を受け付けていないことと、嵐山光三郎が絶賛した崖湯がその理由だった。

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16時に到着。出迎えてくれたのは女将さんと番頭さん。この日の宿泊は、我々4人と老夫婦と忘年会らしき10名程度の団体さんの3組だった。


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ロビーには何枚かの写真が飾られていて、前出の嵐山光三郎氏と女将さんが崖湯に並んでいるものもあったが、多くは読売巨人軍の川上、長島、王といった面々のものだった。ずいぶん懇意にされているようで、「このころは長島さんが一番輝いていたころで・・・」と話される女将さんの言葉に、この温泉街もかつてはずいぶん輝いていたのだろうと感じずにはいられなかった。

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実は弁慶にとって川原湯宿泊は初めてのことではなく、幼少期に宿泊したことがある。その時に我が母は交通事故にあい負傷したというおまけつきだ。その頃に川原湯は温泉マニアではない我が両親に選ばれるほど、メジャーな温泉であったわけで、今でもその湯に入ればそれも納得できる温泉なのである。

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宿泊した部屋はパンフレットにも載っている桐の間だった。ロビーから階段をひとつ下がった階にある。入口からは平屋に見えるやまきぼしだが、その構造はロビーが最上階で、下に下にと伸びている形なのだ。廊下には硫黄臭ではなく、かすかに油臭が漂いお湯への期待が膨らむ。


畳の一部に少しやわらかく感じる部分があったり、ソファーのスプリングが抜けているとかの難はあったし、トイレの配管から水が漏れているという問題もあったのは事実であるが、温泉宿としての最低限望むものはすべて揃っていたし、満足に至らざるものは何もなかったということは、極めて重要な感想であった。これで満足できないのなら、旅館というカテゴリーの宿泊は今後やめておいたほうがいいだろう。間違っても鄙びた温泉街などに行こうとなど思わないことだ。


マニアでない3人の輩も良かったという評価をしたのだから、これは間違っていないと思う。

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夕食は別室、桔梗の間に用意されていて、お膳で給仕される。この宿の特長のひとつが、和食の中に一品の洋食が含まれることであるのだが、右上の鍋はシチュー風であった。



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そしてさらにグラタンも出てきて、予定外の2品の洋食が給されたのだった。



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これに締めでご飯と蕎麦が付く。我々はそんなに呑み助ではないので、これにビール6本を飲んで静かに夜を過ごしたのである。



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朝食は大広間で供され、名物の栗おこわと白米が選べる。ここはやはり、宿の振る舞いたる栗おこわを食べなければ折角の旅の楽しみを半減させるようなものだと思う。

もともと噛むことでこそ米の旨みが感じられると思う弁慶にとっては、噛み応えのあるこの栗おこわはなかなかのもてなしであった。


風呂編につづく



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