スクワットが出来ない人が出来るようになるまで | さかもとサンのブログ

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体が固い人が出来ないように思いますが、関節が柔らかい女性も出来ない人が多いです。

体が固い人と関節が柔らかい女性とではスクワットが出来ない理由が違うので対処法も変わってきます。

体の固い人の場合、力はそれなりにあるケースが多いので、関節の使い方、特に股関節が上手く使えない人が多いのでその辺りの改善をメインにやっていく感じになると思います。

関節が柔らかい人の場合は、逆に力が弱く制御できないケースが多いので、関節のそれぞれの角度に対しての筋力を少しずつ付けていく形が比較的多いと思います。

もちろん例外もありますのでその場合は状況を調べながら、観察しながらやっていく形になります。

割と股関節の外旋外転屈曲に対しての動きに慣れていないが多いように思います。
体の固い人も関節が柔らかい人もその部分に関しては共通していると思います。
ただそれら関節の関わる筋肉の状態が違うのかな、と言う感じですね。

今回は「関節が柔らかい場合」を取り扱いたいと思います。

関節の柔らかい人は、しゃがめるんだけど膝を曲げると膝が内側になって女の子座りみたいな感じになる人も多く、つまり股関節の外旋の筋力が弱ので、骨格的に力が入る形を取ってしまうことが多いです。

この辺りの解説は長くなりますが、例えば高重量スクワットで立ち上がる時に膝が内側に入る動きがある場合がありますが、あれば股関節の構造上、大腿骨が少し内旋した方が骨格での力学的な安定性を利用することができるので(つまり筋力以外の要素を使うことができる)それでそういう動きになるのです。

しかし人間の体がそう出来ているからじゃあ膝入ってもいいのでは?と思うのですが、これがまた人間の体の不思議なところで、力学的には有利でも、膝関節に関連する靭帯には良くないという、何故そういう構造になった?みたいな構造をしているからなのです。

この辺りの話は、何故女性の方が老年になると膝が悪くなることが多いのかと言うのにも関係してきます。
もちろん原因はそれだけではないのですが、女性の場合はそれに骨粗しょう症が加わったり筋力が男性に比べて弱いから等他の要因も絡むからなのですが。

閑話休題。

関節が柔らかくて、しゃがむ筋力が弱い人に対しては、筋力を付けるための筋トレが必要になりますが、通常のスクワットではそもそもそれを行える筋力がないのでその前段階のトレーニングをすることになります。

私が行ったケースのひとつとしては、まず椅子に座って立つ、それを繰り返してもらいます。
その時に股関節を外旋外転屈曲した状態を作ってもらう、つまり男性的な股を割った座り方のままでそれを行ってもらいます。

いきなりフルスクワットをやろうとしてもいっぺんに出来ないので、少しずつ、まずは股関節の外旋外転屈曲の状態に慣れてもらうところからですね。

最初はガッツリ座って、立ってまたガッツリ座ってというやり方ですが、慣れてきたらガッツリ座らないで椅子にお尻をチョンと付ける程度で動いてもらいます。

それで安定した動きが出来るようになったら、今度は椅子の高さを低くしていき(あるいはその椅子よりも低い台を使い)、また同じことを繰り返します。

私の所では高さを変えられる台があるのでそれを使いながらやっていきますが、なかなか一般のジムではそういうアイテムはないんですよね。
というか手作りなんですけどね、あると非常に便利です。

さて、台の高さを低くしていき、ほぼフルスクワットぐらいのしゃがみになるぐらいまで行っていき、それでできるようになったら、今度は台なしの状態でスクワットをしてもらいます。
つまりここでやっと自体重スクワットですね。

しかし案外ここで自体重スクワットはスムーズに出来ないので、一旦自体重スクワットでどこまで動けるのかを確認する程度でもうひと段階入れます。

それがケトルベルデッドリフトです。
最初は2kgぐらいで行います。
ケトルベルは最初は1回1回床に付けた状態で行います。
それで1セットに付き10~15回ぐらい行っていきます。
そして慣れてきたら床に付けない程度の所でやっていきます。
それも10~15回ですね。
更に少しずつ重量を増やしていき、でも4kgぐらいまでです。
それで床に付けない通常のケトルベルデッドリフトが出来るようになってからやっと自体重スクワットを行ってもらいます。
そこでやっとスクワットが安心してできるようになります。

スクワット専門の人が見たら効率の悪いことをしていると思いますが、特に女性へのスクワット動作の導入には慎重さが重要になってきます。

今回話したケースに関しては、対象者がなかなか本気でスクワット的なしゃがみ方が出来るようになりたいという気持ちが起こってこず、何となくやっていたらやっぱりスクワット出来なかったのですが、何故か突然「できるようになりたい」と申し出たので、私の方も体を痛めないように気持ちを折らないように慎重にやったというのもあります。

だから実は書いたこと以外にも結構いろんなことをやってますし、後は私の監視の目は絶対に必要だったということを追記しておきます。

次の段階に切り替える判断や、痛みや体調が思わしくない時の負荷の調整などは臨機応変にしていかなくてはならないのでそれもありきでの進め方ですね。

私の場合はテーピングやスラッキングなど、少々関節の動きが悪かったり調子が悪い時の対応術もあるので、それとも合わせて出来るだけ体を痛めないように進めることもできる訳ですが、それら対応術がない場合はもう少し難しいのかも知れないですね。

ちなみに股関節の動きが固いケースも取り扱っていたりしますが、それはまた次の機会に話せたら良いと思っています。

ちなみに今回のケースの場合は2ヶ月ぐらいかかりましたね。
でも、どこか痛いとかもなく、そこそこの自体重スクワットが出来るようになったのでそれは良かったと思います。