群ようこさんの『れんげ荘』シリーズの3作目。
今までは見つけては借りて読んでいたので、前作から間が空いてから読んでいたのだが、今回は7作目までまとめて借りられたので順番通りに読んでいる。
キョウコは変わらず無職生活を続けていた。
日々の生活を退屈としながらも、つましくささやかに過ごしている点も変わらない。
だが少しずつ変化が訪れてきた。
れんげ荘の物置部屋に住んでいた旅人のコナツさんが、旅から帰ってアルバイトを始めたが、今まで定職についたことがないコナツさんには合わないようで、結局辞めてしまう。
今後の生活を考える中、彼女は実家に戻ることにした。
キョウコの母親が倒れ、救急搬送されたと兄から電話が入り、ICUのため面会できないため、キョウコはれんげ荘へ戻るところで話は終わる。
キョウコがれんげ荘から乗ったタクシーの運転手というのが気が利いている。キョウコの電話のやり取りから状況を察し、病院に着くと夜間専用口に回してくれる。
大きい病院だと、夜間や休日の出入り口というのが正面玄関から離れた場所にあることが多い。仲違いしているとはいえ、母親の病状がわからない時は気持ちが高ぶっていて、入り口がわからないとイライラしてしまう。
こういう心のこもったタクシー運転手というのは、仕事へのプロ意識があるのだろう。
私は何度か外れのタクシー運転手にあたったことがある。
その中で特にひどかったのは、行先を伝えて走り出した最初の信号で止まった時に、道順がわからないので案内してほしいと言われたのだ。
徒歩の道順しかわからないので、車の進入禁止とかはわからないことを伝えると、
「最近タクシー運転手になったのでみちがわからない。ナビも使い方がわからない」
と言われたのだ。
仕方がないので降りるというとワンメーター分を払わそうとしたのだ。
さすがにおかしいので、文句を言うとしぶしぶ降ろしてくれた。
どんな事情でタクシー運転手になったかは知らないが、道順がわからないならナビの使い方を学ぶべきだし、自分のスマホの地図で調べることもできるはずだ。
読んでいて私もこんなタクシー運転手にあたりたいな、など思った。
このシリーズを読むのは2度目なのだが、心に引っかかる箇所というのは前回と違っていた。
同じ作品でも、その時の私の心模様によって感動する場面や、気になる場面は異なるのだろう。


