群ようこさんの『れんげ荘』シリーズの6作目



 

キョウコの動物好きは子どもの頃からだった。

猫や犬に囲まれて暮らしたいと思っていたが、亡くなった母親が大の動物嫌いだった。

母親と同居していた兄夫婦によると、母親が亡くなってから実家では鳥や猫が来るようになった。

キョウコの母親は、風呂場で倒れ、施設へ入所してから亡くなったのだが、キョウコは母親が亡くなったことで、家の邪気がなくなったため、動物たちが来るようになったと推測をしている。

 

 

 

 

 

 

キョウコに実家での同居を強く勧めていた兄夫婦だが、母ネコと子ネコ2匹がやって来たため、キョウコとの同居話は解消された。

そのおかげでキョウコは実家にいるネコたちに会いに帰りやすくなったようだ。

 

れんげ荘の最年少の住人であるチユキさんもまた、山で生活している事実婚のパートナーの元に子犬がやってきたおかげで、山に行き機会が増える。

チユキさんの仕事の関係から、山とれんげ荘との二拠点生活をしていたのだが、実はチユキさんは、山での生活に少し嫌気がさしていた。

山に住む住人たちが、チユキさん達のことを詮索してくるのだった。また別の部落に住む若夫婦もまた、集落の人々からいじめを受けている話も聞いていたことから、山に行くことを控えるようになっていた。

しかし、山の住人から半ば強引に渡された仔犬の「えんちゃん」のおかげで、パートナーとチユキさんの間での会話が増え、チユキさんも山に行く楽しみが増えたのだった。

 

不自由を感じることも多いだろうが、その中でも何か「かすがい」となるものがあれば、人との縁はまたつなぎ直せるのだろう。

 

 

会社は不愉快な事柄のことの方が多かったが、社会の勉強をさせてもらった場所と思っている。

 

リタイア生活をしているキョウコは、よく会社員時代の嫌なことを想い出すのだが、今となってはこんな風に会社のことを思っているキョウコの考え方が好きだ。