昨年の10月から、母と二人でアーツ・セラピーのセッション
を受け始めている。
父が亡くなった後、母一人娘一人のマンション暮らしの日々、
あまりにも仲が良すぎる母娘のせいか、狭い空間で毎日
顔を突き合わせていることもあり、親子げんかのネタが
つきない。
母との関係で、悩み満載の私にとって、少しでも、
アーツセラピーが役に立つのではと、私が尊敬する
表現アーツセラピストの森すみれさんが、『お母さんと一緒に
受けてみたらどうかなぁ』と申し出てくださった。
そのお言葉に甘えて、10月からスタートし、早や4ケ月が経過。
86歳で、体の不自由な母のために、毎月一回、すみれさんが、
花隈から苦楽園口の拙宅まで来てくださり、1時間ほどのセッションを
母娘二人そろって受けている。
今日は、その初回の体験について書いてみよう。
別々に渡されたスケッチブックに、お互いに行ってみたい景色の
絵を描くというワーク。おもむろに母が描き出したのは、鳥居と
草原、そして鹿の絵。
どうやら奈良に行って、鹿と触れ合いたいそうだ。
少し前に、テレビで奈良の観光スポットが放映されていて、
触発されたらしい。その結果、奈良に行くことが決定。
奈良にお住いの、昔からの知り合いにも連絡し、奈良で
ランチをご一緒することに...。それが、今週の日曜日。
昨年秋から4ケ月は経過したものの、母が描いた絵が実現するのも
もうすぐのこと。
高齢者や障がい者の旅のお手伝いを仕事にされている、
NPO法人しゃらくの小倉さんに、今回もお供いただくことに...。
季節的に少し寒いかもしれないが、鹿は冬眠しないから、
きっと大勢そろって、母をあたたかく出迎えてくれることだろう。
アーツセラピーのセッションを受けたことで、母の願いがわかり、
それを実現することにより、親孝行のネタが一つ増えたというもの。
11月のセッション、12月のセッション、1月のセッションでも
驚きの体験をしたので、おいおい書いてみたいと思う。