チェコが世界に誇る
人形アニメの巨匠
ブジェチスラフ・ポヤル（１９２３〜２０１２）
そのキャリアは６７年にも
及び、その人生は
まさに”チェコアニメの歴史”そのものです。
そんな
ポヤル監督と
お仕事をさせていただいておりました
私は、生前、監督から
チェコアニメの黎明期の頃のお話を
たくさん伺いしました。
チェコの人形アニメは
世界最高峰とも呼ばれ、
それを築いたのが
イジー・トルンカ（１９１２〜１９６９）
そして大きく発展させたのが
ブジェチスラフ・ポヤル（１９２３〜２０１２）と言われています。
プラハでアニメ制作がスタートしたのは
戦後の１９４５年
この時
トルンカ ３３歳
ポヤル２２歳
二人は師弟の関係で、
トルンカはアニメ制作チームを率い、
ポヤルは、そんなトルンカを支えました。
この２大巨匠のドラマを
連載風に書かせていただいております。
昨日は第１回目を書かせていただきました。↓
https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12759991751.html
本日が第２回目です。
前回は
戦後再開された
カンヌ国際映画祭で
トルンカの
「動物たちと山賊」が
最優秀賞を獲り、
大きく注目されたチェコアニメ
でも、トルンカは
その受賞を
”長くナチスの支配下にいた
チェコが初めて作ったアニメ”に対する
ご祝儀受賞と捉えていたようです。
なので、その時
同時に出品していたディズニーのアニメには
全く勝ったとは思っていなかったようです。
それどころか
ポヤル監督の言うことに
よれば…
ポヤル「トルンカは、かなり落ち込んでいたよ。」
私「なぜですか？
初めての作品がカンヌを獲ったのに…。」
ポヤル「ディズニーとの差を思い知らさせれたんだよ。
受賞はしたけれど、
ディズニーとの差は
ずいぶんあると感じたのだろうね。
”ローマは一日にしてならず”だよ。
ディズニーに対抗するなんて
無理があると感じたんだろうね…。」
私「それで、どうしたんですか？」
ポヤル「トルンカの打ちひしがれる姿は
見るに耐えなかったよ。
彼は一流の芸術家だから、
賞を獲ったからって、
自分を誤魔化すことができないんだよ。
彼にとってのカンヌは
”実力差をまざまざと見せつけられる機会”に
他ならなかったのさ。」
私「なるほど…」
ポヤル「でも、私には一つアイデアがあったのさ。」
私「アイデアですか？」
ポヤル「”人形アニメ”を勧めたのさ。
チェコでは”人形劇”がとても盛んだからね。
人形作りも、かなり長けている。
トルンカは、元々、
人形作りの職人でもあったから
いいアニメを作れると思ったよ。
もちろん、人形でアニメにする経験はなかったけど、
絵のアニメよりは
いいものを作る自信はあったよ。
それで
トルンカに
人形アニメの制作を勧めたのさ。」
チェコには
”どんなものにも命がある”という考え方があります。
人形劇がとても盛んで
まるで生きてるような
お芝居を人形を操って行います。
１９世紀に
ハンガリー＝オーストリア帝国に
支配されていた時、
チェコ語の使用は禁じられていたのですが、
帝国は
民衆の不満からの暴動を防ぐため、
国民から愛されていた
人形劇の公演だけは
”チェコ語の使用”を許可したほどです。
今もプラハには、たくさんの
人形劇場があり、
毎日、公演が開催されています。
人形のショップも多く、
繁華街に行けば
たくさんの人形が目に入ります。
チェコに根付いた
人形の命を
アニメで見せるべき、と
ポヤルは考えたそうです。
そしてポヤルは
トルンカに提言しました。
トルンカは
ポヤルの提言に
”全くその通りだ！”と
目から鱗が落ちるような思いで
賛成し、
国に進言しにいったそうです。
当時はアニメ制作は
国が管轄していたので、
国の許可が必要だったようです。
ポヤル「でも、国は意見は
辛いものだったよ。
実際、絵のアニメ（「動物たちと山賊」）で
カンヌを獲っているのだから
わざわざ人形アニメを作る必要がない。
このまま、やりたまえ、という答えだった。
…しょうがないな、私は思ったのだけど、
トルンカからは
とんでもない言葉が出てきたよ。」
以下は
トルンカとポヤルの
当時のやりとりの再現です。
ポヤル「トルンカさん、しょうがないです。
時間をかけて国を説得するしかないでしょう。」
トルンカ
「…辞めてきたよ。」
ポヤル「えっ？」
トルンカ
「アニメスタジオを退職してきたよ。」
ポヤル「！！！！！」
トルンカ
「君の言う通り、
我々は”人形アニメ”を追求するべきだ。
それができないのであれば、
ここにいてもしょうがないだろう。」
ポヤルは
”トルンカらしい”決断だと
思いました。
でも、残された自分たちは
トルンカなしで
アニメ制作ができるのか？
…いや、ここは
自分たちも
トルンカについていくべきなのでは？
…でも、
戦後の混乱の中、
せっかく国営のスタジオに就職でき、
家族も養っていける目処もついたのに…
それを捨てることは…」
ポヤルは一瞬の間に
いろいろ考えましたが、
それを全て
切り裂くトルンカの言葉が
聞こえてきました。
トルンカ
「君の退職届も出しておいた。
あと、ベドジフや他のヤツの分も
出しておいてたよ。」
ポヤル
「？？？？？？」
ポヤルは言います。
ポヤル
「腹をくくったね。
トルンカについていくしかなかったよ。
他のみんなも蒼白の顔で
事務局に挨拶に行って
荷物をまとめたよ。
トルンカは
こういうところがあるからね…
でも、トルンカの
希望と野心に満ちた
顔を見ていたら、
こっちも力強い
気持ちになったよ。
スタジオを辞めた
翌日から、
早速、トルンカと
新しいスタジオ用の
不動産周りだよ（笑）
国営のスタジオを辞めて
”フリー”となった
トルンカと
若いスタッフたちの
”人形アニメ”を求めての
冒険が始まったのです。
本日はここまでです。
次回は
トルンカたちの逆襲を
書きます。
絶版になった
トルンカのDVD
「真夏の夜の夢・コントラバス物語・クチャーセクとクティルカ」
「バヤヤ・おじいさんの砂糖大根・おじいさんの物々交換・しものいたずら」
「チェコの古代伝説・手・動物たちと山賊」
また
ポヤルのDVD「ブジェチスラフ・ポヤル傑作集」
「ぼくらとあそぼう！」
「ふしぎな庭」も販売しております。
川崎市多摩区の「チェコのアニメと絵本の店」と
銀座直売会で
少し在庫がございます。
９月は今の所
営業を再開する予定ですので、
ぜひ、お越しください。
詳しい営業日は
またお知らせいたします。
https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12726466598.html
▼劇場HP
https://www.theater-seven.com/ev/ev_czech01.html
≪チェコのアニメと絵本の店≫
８月はお休みとさせて頂きます。
≪銀座直売会≫
８月はお休みとさせて頂きます。
≪チェコチェコショップ≫
チェコのアニメのＤＶＤ，絵本
可愛いキャラクターのグッズから
他では見つけられないレアグッズまで
チェコ専門のネットショップ！
-
≪You tubeチャンネル≫
絵本の読み聞かせ動画の
You tubeチャンネル
チェコチェコチャンネルを開設！
https://www.youtube.com/channel/UCugp-H8m0SsaY6s9AxoyoIA
-
シューケアグッズのR&D“靴磨き女子部”とのコラボが実現。
お取扱いはこちらでチェック↓
FANS.ヤフー店
https://store.shopping.yahoo.co.jp/resources-shoecare/a5a2a5dea1.html
FANS.楽天市場店
https://item.rakuten.co.jp/randd-shoecare/c/0000000256/☆アマールカのオーガニックコスメ
http://welina.jp/shopbrand/ct50/
☆アマールカのLINE公式スタンプ
「LINE」アプリ内 「その他」→「スタンプショップ」より
『アマールカ』を検索
https://store.line.me/stickershop/product/1407/ja
☆ＬＩＮＥカメラ
「LINEカメラ」アプリ内 「ショップ」→「STAMP」タブから『アマールカ』を検索
-
-
-
-
☆アマールカのビジネスパートナー募集
アマールカの
グッズを作ってくださる企業様や、
グッズの物販イベントやチェコアニメの上映を
受け付けています。
ご希望の方は
アットアームズ（担当：眞部）
までご連絡お願いいたします！
☆アマールカの画像を使用してください！
アマールカの画像を是非、
ブログのプロフィール画像や
ツイッターのヘッダー等に使用してください！
（画像を使った商品の制作や広告使用は禁じます。）
http://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12202989702.html
http://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12209346046.html
https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12483924194.html
≪チェコアニメのダイジェスト動画をご覧ください≫
現在、日本で大人気「森の妖精アマールカ」
https://www.youtube.com/watch?v=-0eUzkdbp-4&feature=youtu.be
先日の講座で