シオガマギク属の花(シオガマギク、タカネシオガマ、ヨツバシオガマ、キタヨツバシオガマ) | nemophy photo-blog

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花などを記して残す雑記帳

今日は、この夏に撮ったシオガマギク属の花をまとめてみました。


8月3日の釧路湿原温根内歩道で咲いていたシオガマギクです。


シオガマギク



シオガマギク(塩竃菊)

ゴマノハグサ科シオガマギク属

山地の草地に生える多年草

花期は8月~9月


塩竃とは、海水を煮詰めて塩を作る竃のこと。これが浜に置かれている景色が美しいことから、

「浜で美しい」を「葉まで美しい」とかけて付けられた名前だといいます。

しゃれ好きな人が付けたのかな。かなり回りくどい名前の由来ですね。


美しいとされる葉は、三角状狭卵形で縁に細かい重鋸歯ががあります。


紅紫色の花は、茎の上部に横向きにねじれるようにして付きます。


唇形花で、2裂する上唇はくっついてくちばし状になっており、中に4個の雄しべと1個の雌しべを包んでいます。

下唇は、横に広がり浅く3裂しています。




シオガマギク


上唇の先から柱頭が見えています。


温根内ビジネスセンター内の展示解説では、この花の特徴を「タンチョウが、マントをはおったような形」と表現していました。



シオガマギク



こちらは、7月5日の至仏山で撮ったタカネシオガマです。
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タカネシオガマ(高嶺塩竃)

別名 ユキワリシオガマ

ゴマノハグサ科シオガマギク属

高山帯の岩場や砂礫地に生える1稔草

花期は7月~8月


1稔草は、多年草のうち、開花・結実が1回限り(1回繁殖型)で、植物全体が枯死するものをいいます。


高さは5㎝~20㎝

葉は、羽状に深裂して3~4個が輪生します。

数段にわたり密につく花は紅紫色の唇形花で、上唇はくちばし状には尖っていません。

下唇は浅く3裂し、中央裂片がやや小さい。


山道上の蛇紋岩の岩場に咲いていたタカネシオガマを上から撮影。

放射状に8個の花が数段付いています。
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こちらは、7月5日、至仏山で咲いていたヨツバシオガマです。
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ヨツバシオガマ(四葉塩竃)

ゴマノハグサ科シオガマギク属

亜高山帯~高山帯の岩場や砂礫地などに生える多年草で、本州の東北地方南部~中部地方に分布しています。

花期は7月~8月


葉は、ふつう4個ずつ輪生し、羽状に深裂します。

紅紫色の唇形花を2~7段にわたり付け、濃紅紫色の萼裂片は5裂、上唇がくちばし状に尖り、下唇は浅く3裂します。


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こちらは、8月6日、大雪山の雲の平付近で群生していたキタヨツバシオガマです。


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キタヨツバシオガマ(北四葉塩竃)

ゴマノハグサ科シオガマギク属

東北地方南部を境に、北方のヨツバシオガマをキタヨツバシオガマと呼びます。

7段から10段の花序を付けます。


花期は7月~8月



下の方の花は結実しています。見頃はやや過ぎているのかもしれません。

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大雪山の黒岳に登った8月6日はとても良い天気でした。

雲の平から北鎮岳を望みます。
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