今日は、この夏に撮ったシオガマギク属の花をまとめてみました。
シオガマギク(塩竃菊)
ゴマノハグサ科シオガマギク属
山地の草地に生える多年草
花期は8月~9月
塩竃とは、海水を煮詰めて塩を作る竃のこと。これが浜に置かれている景色が美しいことから、
「浜で美しい」を「葉まで美しい」とかけて付けられた名前だといいます。
しゃれ好きな人が付けたのかな。かなり回りくどい名前の由来ですね。
美しいとされる葉は、三角状狭卵形で縁に細かい重鋸歯ががあります。
紅紫色の花は、茎の上部に横向きにねじれるようにして付きます。
唇形花で、2裂する上唇はくっついてくちばし状になっており、中に4個の雄しべと1個の雌しべを包んでいます。
下唇は、横に広がり浅く3裂しています。
上唇の先から柱頭が見えています。
温根内ビジネスセンター内の展示解説では、この花の特徴を「タンチョウが、マントをはおったような形」と表現していました。
タカネシオガマ(高嶺塩竃)
別名 ユキワリシオガマ
ゴマノハグサ科シオガマギク属
高山帯の岩場や砂礫地に生える1稔草
花期は7月~8月
1稔草は、多年草のうち、開花・結実が1回限り(1回繁殖型)で、植物全体が枯死するものをいいます。
高さは5㎝~20㎝
葉は、羽状に深裂して3~4個が輪生します。
数段にわたり密につく花は紅紫色の唇形花で、上唇はくちばし状には尖っていません。
下唇は浅く3裂し、中央裂片がやや小さい。
山道上の蛇紋岩の岩場に咲いていたタカネシオガマを上から撮影。
ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
ゴマノハグサ科シオガマギク属
亜高山帯~高山帯の岩場や砂礫地などに生える多年草で、本州の東北地方南部~中部地方に分布しています。
花期は7月~8月
葉は、ふつう4個ずつ輪生し、羽状に深裂します。
紅紫色の唇形花を2~7段にわたり付け、濃紅紫色の萼裂片は5裂、上唇がくちばし状に尖り、下唇は浅く3裂します。
こちらは、8月6日、大雪山の雲の平付近で群生していたキタヨツバシオガマです。
キタヨツバシオガマ(北四葉塩竃)
ゴマノハグサ科シオガマギク属
東北地方南部を境に、北方のヨツバシオガマをキタヨツバシオガマと呼びます。
7段から10段の花序を付けます。
花期は7月~8月
下の方の花は結実しています。見頃はやや過ぎているのかもしれません。
大雪山の黒岳に登った8月6日はとても良い天気でした。