ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨の健康を維持するのに欠かせない栄養素です。ビタミンDが不足すると、くる病や骨粗鬆症などの病気につながることがあります。

 

くる病とは、ビタミンDやカルシウムなどの栄養素が不足することで骨が柔らかくなり、変形や骨折を起こす病気です。くる病は、古くから知られており、中世ヨーロッパでは「くる病王子」と呼ばれていたルイ14世がくる病で苦しんだという記録があります。

くる病は、子どもに多く見られる病気で、骨が柔らかくなり、変形や骨折を起こします。

くる病の主な症状は、O脚やX脚、成長障害、頭蓋骨のへこみ、乳歯の出現の遅れ、骨の痛み、筋力低下などです。くる病が重症化すると、骨折や骨の変形が起こることがあります。

 

くる病の診断は、血液検査やX線検査で行われます。血液検査では、ビタミンDやカルシウム、リンの値を測定します。X線検査では、骨の状態を確認します。

 

くる病の治療は、ビタミンDやカルシウムの補給を行います。ビタミンDは、サプリメントや食事から摂取することができます。カルシウムは、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品や、魚介類、豆腐、納豆などの食品から摂取することができます。

 

くる病の予防は、日光を浴びること、ビタミンDやカルシウムを多く含む食品を摂取すること、肥満を防ぐことなどです。

 

骨粗鬆症とは、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症は、高齢者の間でよく見られる病気ですが、若い人でも発症することがあります。

 

骨粗鬆症の原因は、加齢、運動不足、栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどです。加齢とともに、骨を作る細胞の活動が低下し、骨を壊す細胞の活動が活発になります。また、運動不足や栄養不足は、骨の形成を妨げます。ホルモンバランスの乱れは、骨の吸収を促進するホルモンの分泌を減少させ、骨粗鬆症のリスクを高めます。

骨粗鬆症の主な症状は、背中や腰の痛み、骨折などです。骨折を起こすと、寝たきりになるなどの後遺症が残ることがあります。

 

骨粗鬆症の診断は、骨密度検査で行われます。骨密度検査では、X線や超音波を使って、骨の強度を測定します。

 

骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法などがあります。食事療法では、カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取します。運動療法では、骨を強くする運動をします。薬物療法では、骨の吸収を抑える薬や、骨の形成を促進する薬を使用します。

 

骨粗鬆症の予防は、日頃から、バランスの良い食事を摂り、適度に運動することです。また、骨粗鬆症のリスクが高い人は、早期に検査を受け、治療を受けることが大切です。

ビタミンDは、認知症、うつ病の予防、メタボ予防、免疫力増強、筋力増強、心血管疾患の予防、くる病や骨粗鬆症などの病気を予防し、骨の健康を維持するのに欠かせない栄養素です。日頃から、日光を浴びたり、ビタミンDを多く含む食品を摂取したりすることで、骨の健康を守りましょう。

ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を促進することで、カルシウム代謝に関与しています。ビタミンDが不足すると、カルシウム吸収が低下し、血中カルシウム濃度が低下します。そのため、副甲状腺ホルモンの分泌が増加し、骨からカルシウムを溶出させることで血中カルシウム濃度を維持しようとします。しかし、この過程で骨からカルシウムが溶出されるため、骨量が減少し、骨粗鬆症になる可能性があります。

 

ビタミンDを多く含む食品には、魚類(まぐろ、ぶり、サケ、しらす干し、サンマ、イワシ、うなぎなど)、卵、イクラ、きのこ類などがあります。また、日光、紫外線にあたることも大切です。