【配線図追加】常磐線各駅停車の上野直通復活策 | 京阪大津線の復興研究所

京阪大津線の復興研究所

大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。
なお、記事と無関係なコメントはご遠慮ください。

フォロワーの皆様はお気づきかと思いますが、鉄軌道の改善策を考えるにあたり、大規模な土木工事を極力伴わない方法を探るのが当ブログの基本方針です。ただ、中には例外もあります。

その一つが「なぜ停めない?綾瀬駅」の記事です。詳細はリンク先でご確認頂くとして、ここでは概略のみを述べます。

綾瀬駅は東京都足立区に位置します。長らく国鉄の単独駅でしたが、常磐線が複々線化された1971(昭和46)年4月20日、営団地下鉄千代田線との境界駅になりました。これによって緩行線は千代田線に直通するようになり、かつ快速線にホームが設けられなかったので、常磐線本来のターミナルである日暮里・上野方面へは乗り換えが必要になってしまったのです。

西隣の北千住駅は、千代田線が地下2階、常磐快速線が地上2階にホームが設けているため、移動の負担が大きいのが実情です。これを緩和するため、千代田線と山手線の交点に西日暮里駅が新設されました。こちらの乗り換えは北千住駅より楽ですが、地下鉄を挟むため運賃の負担が大きくなります。民営化によって国鉄がJRに、営団地下鉄が東京メトロに生まれ変わった今でも、この問題は解決していません。

そこで当ブログでは、綾瀬駅の緩行線ホームを縮小し、空いたスぺースを活用して快速線に島式ホーム1面2線を設けることを提案しました。もちろん、これには多大な費用を要しますが、問題の切実さに鑑みれば、そうするしかないと思ったのです。

しかし、私は気づいてしまいました。もっと簡単に、もっと安く、もっと便利にできる方策があることに!すなわち、綾瀬駅の北千住側に、緩行線(千代田線)と快速線を結ぶ渡り線を上下1本ずつ設けるのです。

 

 

綾瀬駅の配線図(赤が新設の渡り線)

この発想を得るきっかけとなったのは「小田急の複々線活用案」の記事です。これを執筆しているときに、代々木上原駅から綾瀬駅止まりまたは北綾瀬駅行きの列車が思ったより多いことに気づきました。JR方面から霞ケ関駅や明治神宮前駅で折り返す列車が混じっていることを加味してもなお余裕があります。

言い換えれば、綾瀬駅や北綾瀬駅行きの列車が存在する分だけ、常磐緩行線は綾瀬駅以東で線路容量が大きくなるため、自社線内の増発は容易ということです。実際、朝7時30分〜8時30分に綾瀬駅を発車する列車は27本ですが、そのうち当駅始発が5本、北綾瀬駅始発が3本存在します。

一方、朝7時30分〜8時30分に北千住へ到着する常磐快速線の列車は、コロナ後も続く減便の影響もあって、通過する特急2本を含めても15本に留まっています。かつ品川駅に直通する列車の割合が増えたため、上野駅2階で頭端式ホームを備える10~12線の使用頻度が下がっています。ましてや1階はなおさらです。折り返しには不自由しません。

総括すると、常磐緩行線から常磐緩行線の上野駅へ直通する各駅停車を終日毎時6本程度運転することは十分に可能です。なお、取手駅以北へ直通する「普通」はこれを機に種別を正式に「快速」へ統合し、案内上の分かりにくさを解消するのが妥当です。

 

話を戻すと、各駅停車の郊外側の折り返しを松戸駅で行う場合でも、金町・亀有・綾瀬の3駅から日暮里・上野への直通列車が、半世紀以上の空白を経て復活することになります。たった2本の渡り線を追加するだけで長年の課題が解決するのですから、JR東日本と東京メトロの英断に期待したいところです。

 

書籍のご案内

【不都合な停車駅 36選】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:864円 (税込・送料別)

 

【京都市内交通の再編計画】 (詳細)
データ本:330円 (税込)/ 紙本:1,045円 (税込・送料別)

 

【新・関空アクセス鉄道の復興計画】 (詳細)
データ本:330円 (税込)/ 紙本:616円 (税込・送料別)

 

【関空アクセス鉄道の復興計画】 (詳細)
データ本:330円 (税込)/ 紙本:729円 (税込・送料別)


【フリーゲージトレインの復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【北海道新幹線の復興計画】 (詳細)
データ本:270円 (税込)/ 紙本:594円 (税込・送料別)

 

[都会のローカル線の復興計画] (詳細)

データ本:324円 (税込)/ 紙本:756円 (税込・送料別)

 

【各駅停車がローカル線を滅ぼす】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【軌道系都市交通の復興計画(前篇)】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【軌道系都市交通の復興計画(後篇)】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【高加減速車と多扉車の復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【ダブルデッカーの復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【遠近分離ダイヤの復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【振子車両の復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【前面展望車の復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【鉄道ジャーナリズムの復興計画】 (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

[転換クロスシートの復興計画] (詳細)

データ本:324円 (税込)/ 紙本:756円 (税込・送料別)

 

【「復興計画」の時刻表集(完全版)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:864円 (税込・送料別)

 

【寝台車と食堂車の復興計画(前篇)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【寝台車と食堂車の復興計画(後篇)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:670円 (税込・送料別)

 

【鉄道デザインの復興計画】  (詳細) アンチ水戸岡派必読の書
データ本:324円 (税込)/ 紙本:756円 (税込・送料別)

 

【「関西鉄道」の復興計画(前篇)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【「関西鉄道」の復興計画(後篇)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)

 

【関西経済の復興計画(鉄道篇)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:715円 (税込・送料別)


【京阪神間直通輸送の復興計画】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:756円 (税込・送料別)

 

【阪和間直通輸送の復興計画】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:756円 (税込・送料別)


【関西私鉄王国の復興計画(上巻)】  (詳細)
データ本:324円 (税込)/ 紙本:605円 (税込・送料別)

【関西私鉄王国の復興計画(中巻)】  (詳細)
データ本:324円(税込)/ 紙本:670円(税込・送料別)

【関西私鉄王国の復興計画(下巻)】  (詳細)
データ本:324円(税込)/ 紙本:670円(税込・送料別)

鉄道コム