・Romberg試験、Mann試験、片足立ち、上肢偏位試験、閉眼足踏み試験、
しゃがみ込み試験
・体幹運動失調(truncal ataxia)と呼ばれ、小脳虫部下面の病変局在を示す特異的な所見では、四肢・体幹の筋緊張は著名に低下していることが多く、支えなしに坐位を保つことも困難なことが多い。
これにもかかわらず、四肢の協調運動障害は見られないか、見られても軽度である。
体幹運動失調(truncal ataxia)でも、起立や坐位時の姿勢の異常や歩行障害は起こる。
・立位の観察:立位姿勢をとらせると両脚を広げ、両上肢を外転してバランスをとる。さらに症状が重いときには全身が不規則な動揺をおこすこともある。転倒するようなときは患側か、後方に倒れる。小脳性の障害は閉眼時と開眼時の身体の動揺に差はないが、脊髄癆のときはRomberg徴候陽性となるように閉眼時動揺が増加する。
・坐位の観察:腰掛け姿勢をとらせると両足を開いて椅子に手をついてバランスをとる。もし、両腕を組ませると体幹・頭の動揺が起こる。
・歩行の観察:歩行をさせると両足を広く開き、
両側へよろめくように歩く(酔っぱらい歩行drunken gait、または、よろめき歩行staggering or reeling gait)。
軽度の失調を診るにはつぎ足歩行(tandem gait)を行わせるとバランスを崩すか、足が出なくなる。