投資のいろは(日柄調整)
需給的に下の可能性も低くなってきています。
信用売り残が珍しく膨らんできています。信用買いもかなり積み上がっているわけですが。それを考えると日柄調整が次の1,2週間は継続しそうな気がします。
先物やオプションで見ても、本日のような動きでコールが値下がり(売られた、つまり下を見ている)したのは良いとして、実はプットもそこそこ下げています。タイムディケイがあるのでオプションの価値がどんどん下がっていくのは当然なのですが、今日程度の下落だと下落によるプレミアムの付き方をタイムディケイの減価の方が上回っているということで、そこを見ても下の方への動きも可能性が小さいと思います。
先物は日経とTOPIXを合わせても外資系証券ごとに持ち高がまちまちで方向感の見られない形になっています。若干TOPIXに買いが入っているので日経平均に連動する値嵩株について日柄調整乃至は小さな調整を見ていて、一方で特に銀行を中心としたバリュー株の上昇を見ているのかという気がします。
今月下旬(SQ前)にかなりコールを買っていたGSは今日の開示を観ると41000円から41500円までのコールを売っています。アムロなどもそういうポジションを取っています。まだ枚数は多くないのでこれからポジションを組みかえてくる可能性はありますけれど、上を見ていないという気がします。
私の場合、昨日のナイトセッションで先日お伝えしたクレジットスプレッドの更に外側でクレジットスプレッドを組んでいます。コール43000円を170円で2枚売り、その外側の43500円のコールを100円で2枚買っています。
8月に日本企業が四半期決算で経常利益2倍とか超好業績をあげて今期業績の上方修正が相次ぐというような事態にならない限りこの水準まで日経平均が上昇する可能性は無いのではないかと見ています。
ただ懸念点はあります。一番危険なポイントはこれまで何度も繰り返しお伝えしてきていることですが、今月末の日銀の金融政策決定会合で緩和修正をしないケースです。この場合為替が一気に円安に振れて、同時に株価が暴騰する危険性があり、オプションはそうした急速な動きの時にプレミアムが激増しますから例え現状で維持率が高く、ここからのタイムディケイでプレミアムがどんどん剥落したとしても金融政策決定会合を持ったままで持ち越すことには十分慎重であるべきかと思います。
しかし昨日紹介した日経平均のチャートも、もう一度見ておきましょう。
こちらは昨日のと同じで、本日分のローソク足が一番右に加わったものです。陽線からの窓を開けた陰線のローソク足があって、その翌営業日(昨日)に大きな窓を開けての陰線という形です。そして本日のローソク足も陰線です。
これほど形が悪いと積極的に買っていく方針にはなかなかなれません。
そして需給的に、中国に上場している日経平均連動のETFの出来高がここに来てまた細ってきています。本日は前日と比べると出来ていたのですが、ピークを付けたような気がします。
こちらは同じ期間の日経平均に移動平均線とMACDを重ねたものです。どうしても先日の三川宵の明星で5日線がピークを付けた後に25日線との乖離がありすぎて、ここがローソク足に近づくまでは日柄調整というのか、動きが冴えないと思います。MACDについても明日もう少し押す展開になるとプラス圏でのDCをするため、テクニカル的に良くない形になります。
出来高については本日少なかったのですが、トレンドとして見るとまだそこまで夏枯れのような状態にはなっていないように思えます。けれども出来高が大きいわけでは無く、尚且つ需給的にいまいち良くない状況です。
私の場合は現物株をオプションでヘッジしているわけですが、現物株を単独で持つとこの後の調整で、既に先週毀損した銘柄について、さらに含み損が増えるという展開も考えられると思います。
さて、それでは本日までの成績です。
現物株
クイック(4318)
600株×2178円
+43200円
パーク24(4666)
400株×1607円
-6800円
小計
+36400円
オプション
7月限月のプットバックスプレッド
-14000円(確定)
7月限月のP39000円売り
+9300円(確定)
7月限月のコールクレジットスプレッド
+6600円×3(確定)
8月限月コールのクレジットスプレッド
C42500円買@290円×1
C43000円売@170円×1
+1500円
C43000円買@170円×2
C43500円売@100円×2
+1500円
小計
+18100円
6月までの成績
現物
+669900円
オプション
+37000円
合計
+706900円
オプションの方は8月のSQまでに42500円を越えずに推移すれば、ここまで1月からスタートして+80000円程度のリターンになります。30万円の資金で動かしている割には良いパフォーマンスかもしれません。ただこれまでこのブログを継続して見てきている方はお分かりだと思いますが運にも味方されていますし、ひとつひとつの取引を見れば結構読みを外すこともありました。
ただ現物が下落することをそこそこ高い確度で予見できる時にはこうしてヘッジを入れることで現物の減価をオプションでヘッジして、そうして得られた利益で下がった現物を買い増すという作戦で資産運用の効率を高めるという実例を紹介出来ているのではないかと思います。
それと、このブログの主旨とは異なりますが、さらに大きな視点で私の資産全体をより安定的なものとするために以前ご紹介した3月下旬のエントリーで書いたようにテスラ株を断続的に売っています。3月の時点で1500株を売って、その後は毎月100株程度売り続けて、それを資金にしてドルが高いうちに新興国の企業などを買っています。BYDも更に買い増ししています。アメリカ国内でもNVIDIAをいくらか買っています。それからヴィンファストも以前ご紹介したアメリカ株を買うというエントリーで紹介していましたが、その時は100株程度買いました。その後は本格的にここを長期保有する計画で毎月1000~2000株程度買っています(テスラの売却で出来た資金と償還されてきている既発の米国ストリップス債が原資です)。
業績のガイダンスを観るとテスラのはどうしても色褪せて見えます。ここは一番大切な時期にCEOが政治ゲームにのめりこんで会社のかじ取りを怠ったことで既にBEVの分野で中国勢に肉薄されています。
私はNIOも保有していますが、こうして見ると現在モビリティーセクターの企業の株としては日本企業でホンダ1社、そしてこれから売っていくテスラが北米で1社、後は中国のBYDとNIO、そしてベトナムのヴィンファストという感じでホンダは以前ここで長期投資のエントリーをあげていた時(黒歴史ですが消していません)には1000株と書いていましたが、本当にそれだけしか保有していません。分割後の今ので3000株です。確か分割前で3000円で買っていたので分割後で見ると1000円/株で買った分があるだけです。
上記の日本以外のモビリティー企業はそれよりもう1桁程度多く買っています。分散投資の観点からはひとつのセクターに集中するのも考え物ですが、何といってもこのBEVセクターの成長率は現状世界の様々な業種の中で見ても最も高いです。そこにある程度の資金を投入することは合理的に思えます。
また、北米の半導体企業を買いすぎると、これはまたこれで日経平均が事実上日本の半導体指数と化していて、NASDAQやSOX指数に連動しやすすぎることからも、資産全体の安定性を損なう方向になります。
そこで半導体とは近いけれども相関が強くない企業群に資金を投下していこうと考えています。現状だとアメリカでは共和党系の大統領が誕生する可能性が高いため、それを考えるともちろん北米の企業は業績が上がる可能性が高く、以前の同じケースであったようにラリーが発生する可能性があります。同時に為替が幾分ドル安に動く可能性を見ているので、そこらへんを新政権がどのように対処していくのかを見定めるまで新興国や中国の企業に資金を集めておこうと考えています。