「燕は戻ってこない」 #8 | Suzunari の花たちへ

Suzunari の花たちへ

稲垣吾郎さん、新しい地図、SMAPが大好きです。

第7話のVIPは黒木瞳さんでしたが、第8話のVIPは絶対紛れもなく稲垣吾郎さんです。
たった45分の間にこれだけの心境の変化を見事に演じるとは!

悠子から子どもの父親が基ではないかもしれないと聞かされ「契約違反だ」と怒る顔。
リキと直接会い、中絶するかどうか話し合うときの憔悴した顔。
教室で教え子にバレエの伝統を受け継ぐ喜びを語るときの誇りに満ちた顔(世界的バレエダンサーのスターオーラ全開でしたね)。
そして・・・胎児のDVDを見ているときの表情。
驚き、感動、慈愛、涙・・・・・・。

リキに「僕はお金を出し、あなたは子宮と卵子を差し出した。一体命は誰のものなんでしょうね」と基は問いかけましたが、双子の胎児の姿はそんな問い自体無意味だと告げているようでした。

命は誰のものかなんてどうでもいい。
命はそこにあるだけで美しく素晴らしい。

基はリキに電話をかけ「産んでください」と告げます。自分が父親になる、と決意した瞬間は神々しく見えました。

それに対して今回悠子は狡く見えました。原作を読んだとき私はあの3人の中では悠子に感情移入したのですが、ドラマを見ると悠子は肝腎なときに逃げ出しているように感じます。りりこが言うとおり「(赤ちゃんの)処刑人になりたくなくて、基に(中絶の決定を)押しつけた」形になっているからです。代理出産プロジェクトの一端を担いながらも蚊帳の外に置かれている悠子はこれからどう決断するのか、難しいところですよね。

それから今回新しい人たちが登場しました。りりこの仕事場(りりこの親が経営する病院の看護師寮)で働く家政婦の杉本さんと、そこに住むりりこのおじのワタルさんです。二人はリキがシングルマザーだと思っていて(りりこがそう説明したのでしょう)、リキを歓迎してくれます。杉本さんは「私たちあなたが来てくれて本当に嬉しいの。赤ちゃんなんてもう縁がないと思っていたから、自分に赤ちゃんが出来たみたいで。」と素直に喜びます(竹内都子さん好演)。
今まで登場人物がほぼ全員ギスギスしていた(失礼!)ので忘れていましたが、赤ちゃんって本来周囲に祝福されて生まれてくるべきですよね。
(そうではない赤ちゃんもいることは映画「あんのこと」を観れば分かりますが・・・・・・)
リキも「命が重くなっていく」のを感じるにつれて、自信に満ちた表情になった気がします。


少し明るい兆しが見えてきたものの、このまま丸く収まるとも思えません。
残り2話で何が起きるのか、しっかり見届けたいです。

 

 

 

 

 

それから「週刊文春WOMAN」ただいま発売中です。今回「談話室稲垣」のゲストは池井戸潤さん♪