40代以降における子宮頸ガンの前癌状態について②
の続きです。
「もうセックスするのが怖い」
患者さん達は皆さん口にします。
当たり前ですよね。
女性の皆さん、どうですか?
癌になるかもしれないウィルスを持っているものをわざわざ身体の中に受け入れたいですか?
パートナーが大丈夫かどうか、ウィルスチェッカーがあればいいけどそんなのないですよね?
「どこにでもいるありふれたウィルス」
なら避けようがなくて
「ほとんどが性交によって感染」
するって
女性にとって恐怖ですよね。
しかも現実に異形成があれば
「不安」
に決まってます。
医師に不安を訴えると、「大丈夫」
と言うそうです。
何が、どう大丈夫なのか?
「殆どは癌にならないしなりそうになる前に手術すれば大丈夫」
だそうです。
じゃあ「安心」!
します??
そう医師に言われた患者さんは不安をいっぱい抱えて来るんですよ。
医師の言う事はもちろん間違ってはいないです。
でも聞きたいのはそんな事じゃないんです。
どうしたらいいの?
どうやったら治るの?
「ストレスをためないで規則正しい生活をして免疫を落とさない」
そんな抽象的な事言われてもタメ息しか出ないんです。
さて、
40歳前後からは、どうしても分泌液の減少に伴い、膣の自浄作用が低下してきます。
だから、性交前は清潔を意識して下さい。
パートナーがそれに応じないからといってHPVを自分から入れるような行為はやめて欲しいと思います。
手や身体や口内にいるありふれたウィルスだそうですからゴム装着だけでは頼りないです。
自浄作用が低下している事実を受け止めて、自分で自分の身体を守って下さい。
案外にシャワー無しのカップルは多いです。
男性は膣内のHPVがついても洗えますが、女性は難しいんですから、頑張って主張して下さいね。
自分の為です。
まず、これが基本です。
「積極的にHPVやその他雑菌を自分の身体の中に入れない」
次に
私達は良い菌(乳酸菌、酵母)や悪い菌(腐敗菌、病原菌)、ウィルスに囲まれ生活し、普段は上手く共存しています。
それに対して過剰反応するのではなく、無関心でいるのでもなく、事実として存在していると理解してください。
そして日和見感染してしまったら(例えば風邪やカンジタ等)、
免疫が落ちたサインと受け止めて、休息を入れて疲れを取り、生活を見直して修正してください。
ただひたすらコレの繰り返しが免疫を落とさないコツです。
休息も取らず生活修正もせず、ドリンクやサプリを免罪符にしても免疫は上がりません。
又炎症があっても異形成結果として出てきますから、
HPV検査をして膣内にウィルスがいるのか、いないのかも自分の身体の情報として把握しておきましょう。
そして異形成の経過観察については、
私が数年前からずっと疑問に思っていた事があります。
それは、
異形成と検査結果が出たなら、すぐに異形成部分を焼いてあげればいいのに、
何故こんなにも経過観察で引き伸ばして子宮口を切り取る手術まで置いとくんだろう?
粘膜のごく浅い部分にあるうちにさっさと焼いてやればいいのに、
そしたら一回で済むのに…
数年前までは、円錐切除術後再発した若い患者さんが多かったので、本当に切実に思いました。
だって又Ⅲbになったら再切除するって言われて来るんですから、
そんなに何度も切り取ったら子宮口無くなりますよ!
(患者さん曰く二回までなら手術できると、、じゃあ又Ⅲbなったらどうしたらいいの?と二人で切なくなりながら相談し合った事もあります)
あれから数年経って
40代以降の患者さんが増え、治療していくと、どうやら自然排泄されず、けれど癌にもならず、ずっと留まっても問題ないパターンの異形成なんじゃないかと感じるようになりした。
要は検査しなかったら寿命が終わるまで知らずに過ごせていたと思えるパターンのものです。
けれど異形成がある以上患者さんは不安を持ち続けるだろうに、
本当に経過観察じゃなく焼いてしまう事ができないのかな、と思ってたら
「レーザー蒸散術」
で焼いてくれるクリニックもチラホラ出てきました。
ただ、これは視診確認できる部位であること、
焼いて無くなってしまうので、その異形成細胞が癌細胞かどうか等の精密検査ができないそうです。
あとはLEEP法(精密検査可能)
が比較的日帰りできるようです。
最近は円錐切除術の場合でも、今までより早目に手術を行う事で従来よりも浅く切り取る方法など
本当に数年でどんどん進化して来ました。
大変喜ばしい事ですね。
私がお伝えしている情報を鵜呑みするのではなく必ず自分で調べて自分で勉強するという能動的行動を取って下さい。
そうすると情報に振り回されて、ただただ不安になる事も少なくなります。
アチコチで聞きかじった情報はきちんと真意を確かめる事です。
色々な方法が出てきているのですから、患者側が情報を勉強して、医療機関に自分のやりたい方法をどんどん提案して下さい。
そしたら間違いなく嫌われます(笑)
でも相談に乗ってくれる医師も少ないけどいます。
医師探しは相性があるので、自分の足で、目で確かめる努力はいります。
ずっと不安を持ち続ける月日を思えば、探す時間は少しです。
もし見つからなくても、数件の医療機関に足を運べば、自分の目で確かめた情報の中から自分で選ぶ事ができます。
又色んな医師の意見を聞くのは大変勉強になります。
そして、どんな事でも相談できる婦人科医に出会えたなら、貴女にとって本当に大切な存在になりますから、頑張ってみて下さいね。
そして、最後に伝えたい事は
不安を長引かせるだけの経過観察には反対ですが、
「切除したから(焼いたから)治った」
のではないと言う事です。
聞き飽きたかも知れませんが、
ウィルス感染して異形成になるような身体の状態にになった原因、
そこに焦点を当てて振り返って、生活を見直したり、身体を休ませてあげたりして下さいね。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、にならないようにお願いします。