☆今日の臨床◆届かない言葉①☆ | 治療屋ゆき 大阪天王寺・堺中百舌鳥 牧野鍼灸院

治療屋ゆき 大阪天王寺・堺中百舌鳥 牧野鍼灸院

美しくなりたい!体調を改善したい!!安心してお産をしたい! 
そんな希望や悩みに 治療屋 ゆき がこたえます

月一回のお仕事の休みの日は必ず来て下さる、60歳前半の女性。
いつも通り、治療の始めに脈の流れを診て身体の状態をチェック。
うーん、やっぱり疲れてるなぁ、
けれど前回も治療始めは疲労状態だったが、元々回復力の強い方なので治療を始めてすぐに又復活したし、まあ大丈夫かなと

次にお腹の状態を診て、
ん?
いつもより力(エネルギー)がない?

「今日は大分お疲れですか?」

「ああ、そう、疲れてるかも、今、歩いてここまで来てん」
「え、歩いてですか?今日はご主人お忙しかったんですね。」
「違うねん、この間の検査でコレステロール高いから歩けって言われて」
「ご主人に?」
「いや、病院の先生が」
「え?病院の先生が?
コレステロールが高いから歩けと言われたのですか?」
「そうやねん、もっと高くなったら薬飲まなあかんから飲みたくないんやったら歩いてもっと動けって言われてん」
(※この方は薬を飲むのが嫌いで、極力飲みたくない)

私は耳を疑いました。

え?歩け?

こんなに毎日疲労困憊して引きづるように身体を動かしている人に

歩け、と?

毎日ほとんど休み無しの過酷な労働条件で働いていらっしゃるのです。
仕事内容は、ほとんど動きっぱなしで力もいるので、肉体的な疲労状態を常に起こしている身体なんです。

そんな状態にある人に対してもっと動けとは、どのような意図で言われたのか?
検査数値のみ見て肉体を見ていないから言えるのか?

コレステロールはストレスがかかると数値が上がります。
過去の患者さん達が、医師の指導のもと、食事内容も変え、運動もし、それでも一向に数値が下がらないと口々に訴えるのは何故なんだろうか?
色々な文献を読んでいて、ああ、なる程と思ったのが、
コレステロールはステロイドの材料になるという説でした。

ステロイドとは副腎皮質ホルモンの事で、あらゆる炎症を抑えたり痛みを緩和したり、女性ホルモンの代替もしてくれると言う超スーパーホルモンです。
医薬品として使われる合成のステロイドは効き目も劇的ですが副作用も強いですね。
副作用のない自然のステロイドは体内でもちゃんと作られているんですよ。

血液中にこのステロイドの材料であるコレステロールが増えるという事は、
体内でステロイドが足りないので、材料をせっせと血液に乗せて運んでると考えると納得がいきました。
だって高コレステロールの患者さん達の身体は確かに副腎の疲労があり、ステロイド不足の身体症状も見られたからです。

身体って凄いんだな、なんて偉いんだろうって思いました。
皆さんもそう思われませんか?

不足しているステロイドを作って欲しいので材料を運んでいても、
かんじんの製造工場である副腎が疲れていると生産できません。

『あれ?、あんなに運んだのにまだステロイドホルモンが足りないぞ、よし、もっとたくさん材料(コレステロール)を運ばなきゃ!』

身体って結構こんな誤解をしょっちゅうしています(笑)
困るんだけど、一生懸命自分の出来る事をしている身体って可愛くて愛しいなって思います。

誤解させない為には、身体が欲している量のステロイドホルモンを作れるようにしてやれば、もう材料をせっせと運ばなくても大丈夫になりますよね。


その②に続きます。