「イビルアイ」。。。 | 怒りくまのブログ(仮)

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気が向いた時、だらだら書いてます
一部、ネタバレもあるのでご注意を

さて!今年最初に観た長編作品はコチラ!

 

【イビルアイ】

 

時代も場所も分からないどこかの片田舎

美しい三つ子の姉妹に魔女が目をつけると

三女に何か怪しい呪いでもかけたのか?

不気味な"怪物"が夜な夜な三女に忍び寄り

なんて薄気味悪いシーンから始まる本作

 

場面は変わりメキシコの大都市

何故か子供の病気が蔓延するマンションで

"難病"を患う娘ルナを療養させるために

実家の母の元へ連れて行くと決意するママ

何が根拠か?それが最善策と信じていて

パパと長女のナラも仕方なく付添うことに

田舎のお屋敷に住むママの母ホセファは

フレンドリーにも見えるがどこか不気味?

 

(一見上品な老婆だけど?)

 

都会とはまったく違う不便な田舎の生活に

思春期のナラはあからさまに嫌な顔をし

人目をはばからずイチャイチャする両親や

使用人のペドロ、アビゲイルの姿を見て

嫌悪感を抱きながらも淫猥さに興味を示し

そんな中、ルナにせがまれたアビゲイル

寝物語として村に伝わる昔話を語り始める

 

(それ聞き覚えがある。。。)

 

まさか?と思ったらやはり冒頭の話の続き

寝室に忍び込んできた怪物の正体は魔女

永遠の若さのため毎晩のように血をすすり

で、吸われた三女は様々な重い病を患い

姉たちは"女性魔法使い"を探し出して相談

対価を払えばどんな願いも叶えるという

"バッカ"というモノの作り方を教えられる

生まれたバッカを渡すという約束をして

魔法使いから授けられた"ダチョウの卵"に

山羊、蛇、子供の血をかけ土に埋めると

と、数日後。。。バッカが卵から誕生する

 

(え。。。バッカって生物なの?)

 

そのおかげか?三女は少しづつ回復して

姉たちは約束通りバッカを魔法使いに渡す

が、魔法使いは魔法使いにならないかと

弟子になるよう姉たちを誘ってそそのかし

次女は危険を感じキッパリと拒否したが

長女は魔法の魅力に負け弟子となり。。。

しかし偶然長女は魔法使いの秘密を知る

魔法使いは三女の血を吸い若返った魔女で

まさかの真実を知った長女は復讐を誓い

 

(怒り心頭の長女。。。)

 

ナラとルナがそんな昔話を聞いていると

寝室に入ってきたママがアビゲイルを叱責

「村の昔話や言い伝えを口にしないで」

ただの昔話のはずなのに何故か強い口調で

その後、ママはホセファが何かを相談し

「本当にやるの?」と確認するその一方で

治療法を探すとパパと二人で屋敷を去り

残された事でますます不満を募らせるナラ

そのうえホセファは深夜に寝室に現れて

姉妹に手をかざし何か怪しげな言葉を呟き

ナラは寝たふりをして必死で耐え。。。

 

(怖い怖い怖い。。。)

 

薄気味悪いホセファへの不信感が増す中で

ナラはアビゲイルに昔話の続きをせがむ

ここから再び場面は昔話の再現映像になり

長女は次女に事の次第を話し復讐を決行

普段は"人間の姿"をしている魔女だけれど

それは人間の皮を被っているためらしく

魔女が皮を脱ぎ出かけてた隙を突いた姉妹

人間の皮に弱点の粗塩をかけすりこんで

戻った魔女は何も知らずにその皮を着ると

 

(全裸の魔女が。。。)

 

(皮を着ると内側から焼けただれ)

 

(最後は燃え尽き。。。)

 

「妬みが姉妹を蝕み破滅させる」

魔女は姉妹に呪いの言葉を吐いて息絶えて

更に魔女が引き取ったバッカの"対価"を

姉妹が払う事になり三姉妹の母親が死亡し

この全てを正そうと覚悟を決めた次女は

バッカを葬るが。。。三女の病は完治せず

母親の死、治らぬ病が姉妹に影を落とし

最後は全てを村人たちに知られてしまって

三姉妹は村を去りどこかへ身を隠したと

 

(その姉妹が実は。。。なパターン?)

 

そんなアビゲイルの昔話を聞き終えると

ホセファに命じられナラはプールの掃除へ

夜になり疲れ果てて寝室に入ったナラは

昔話の三姉妹を真似て"魔女避け"のために

ベッドのマットの下にハサミを隠し就寝

と、夜中に目が覚めたナラが目にしたのは

キッチンの寸胴鍋で煮込まれてるバッカ

ホセファの寝室に隠されていた人間の皮と

眠るルナのベッドに忍び寄る魔女の姿!

 

(出汁を取られたバッカと)

 

(ナラを挑発する魔女!)

 

ハッ!とナラが目覚めると夜が明けていて

ナラが見たあれは悪夢?それとも現実?

困惑する一方でルナが体調を崩してしまい

両親に連絡したいがホセファが邪魔をし

ホセファに対する疑念と不信感が膨らむ中

スマホの電波が届かないはずの屋敷内で

屋根裏部屋だけ電波が入ると気づいたナラ

が、それにホセファが怒りスマホを壊し

これで祖母と孫二人の関係が決定的に決裂

 

(それは言っちゃダメw)

 

頭にきた?ナラは屋根裏部屋に勝手に入り

古いアルバムを盗み出して眺めていると

そこには"三人の女性"が映っている写真が

ひとりはママ、もうひとりはホセファで

曾祖母テレサ?車椅子の女性も映っていて

その写真にナラは何かを感じとるけれど

その夜、ホセファが眠ったルナの血を吸う

悪夢か現実か分からない姿を見たナラは

屋敷から逃げる事を決意してルナと逃げる

が、子供の足で逃げるには森は奥深くて

そのうえ森には何かの儀式?祭壇?の跡が

 

(ここで何が。。。)

 

変なのはホセファの屋敷だけではなくて

周辺の村や森を含め全体に何かあるのか?

と、動けなくなったルナを森に横たえて

近くのアビゲイルの小屋へ向かったナラは

アビゲイルが自ら自傷しながらペドロと

血まみれで愛し合う姿を目撃してしまう!

怯えて逃げたナラだがホセファに捕まり

「ルナは大切な血筋だ!」

と激怒するホセファはナラを閉じ込める

 

(やはりホセファは魔女?)

 

心配し様子を見に来たペドロに助けを求め

出してほしいと頼んだナラだったけれど

しばらくしてホセファはナラを解放すると

ペドロが変死し警察が来ると告げ。。。

自分が助けを求めたからペドロは殺された

ホセファは魔女だとナラは警察に訴える

が、そんな話を警察が信用するはずはなく

すると顔に包帯を巻いているホセファは

ルナに会わせてやってもいいと口にすると

 

(ぐったりしたルナと再会)

 

(意識が朦朧としてる様子)

 

採血するように"ママに頼まれた"と言って

ルナ腕から大量の血を抜いてるホセファ

と、電話が鳴って急ぎ受話器を取るナラ!

電話の向こうのママに助けを求めるが?

ホセファが電話線を抜いてそれを阻止して

再び閉じ込められたナラだが自力で脱出

もう殺るしかない?ホセファに立ち向かい

争ってる間に折れた棒を足に突き刺すと

殴って気絶させるとルナを連れ屋敷を出る

 

(足に木片を刺すと。。。)

 

(さすがのホセファも悶絶!)

 

深夜の暗い森を逃げ惑うナラたち姉妹は

焚火を囲みトランス状態で踊り狂う人々と

完全にハイな状態になってるアビゲイル

そして磔にされたペドロの死体を目にする

と、その時!刃物を渡されたアビゲイル

自ら首を切り裂いて。。。血まみれで死亡

不気味な仮面をつけた司祭?祈祷師?は

興奮状態で土に埋まった卵を撫でまわして

これはダチョウの卵?バッカと関係が?

 

(願いを叶えるための儀式?)

 

怖ろしくなりその場から逃げ出すナラだが

ルナが発作を起こし心停止してしまう!

と、それに呼応するようにあの卵が孵化し

生れたバッカに顔を近づける仮面の人物

おもむろに仮面を外すと。。。それはママ

ママがバッカに何か囁くとルナが甦る!

何も知らないナラはただただ喜んで。。。

そのまま森の周囲を彷徨い倒れた姉妹を

パパが見つけてホセファの屋敷に保護する

 

(家族が揃い一安心?)

 

両親とホセファたちの話を聞いていると

ママは最初からバッカでルナを治すために

この屋敷に来る計画を立てていたようで

ホセファもルナのためにと親身になり協力

ルナを連れ出したナラをママが責めると

難しい年頃、あなたもそんな時代があった

「責めないで」とホセファはナラを庇い

え?もしかして本当は祖母はいい人。。。

なんて思ったら?どうやらそうではなく

 

(不気味なセリフを吐き。。。)

 

(ルナから抜いた血をガブのみw)

 

街に戻るため車にルナを乗せていたママは

娘の体にアザのようなものを見つけ激怒

ホセファを問い詰めるため屋敷に戻るけど

隙を突かれてガツンと壺で殴られて気絶

「お前は母を奪った!だから娘をもらう」

 

ここで真相が判明します

村を逃れて身を隠した昔話の三つ子の姉妹

三女は病気が治らずにそのまま死んだが

長女はどこかへ逃げ魔女から学んだ魔法で

子供の血をすすり永遠に生き延びていた

次女も長女から学んだその魔法で生き延び

屋根裏の写真は三世代ではなく"三姉妹"

長女はママ、次女のホセファ、三女テレサ

 

(昔話は真実。。。)

 

ナラのマンションで病気の子供が多いのは

ママが夜な夜な子供の血を吸ってるから

しかしルナが難病を患ったため事態は急変

ママは絶縁していたホセファに連絡して

愛する娘ルナのためにと協力を頼み。。。

と、村の子供の血を吸っていたホセファ

血筋であるルナの血ならばより若返れると

計画を手伝うふりをしてルナの血を奪い

その血の効果は絶大!若い頃の姿に戻って

 

(最初からこれが目的。。。)

 

さすが三つ子?ママと瓜二つのホセファ

起きてきたナラに先に車で待つと声をかけ

もちろんパパも区別がつかないようで?

その一方、事情を全く知らないままのナラ

決着をつけるためハサミと塩を手にして

ホセファの寝室へと忍び込んでゆき。。。

顔に包帯を巻き横たわるのがママと知らず

ハサミでめった刺しにして塩を浴びせる

 

(魔女だったママは燃え尽き)

 

呆然と屋敷を後にしてパパの車に乗るナラ

車内にはパパとルナと。。。元ホセファ

それもバッカが入っているのか蠢く木箱を

ホセファが車に積み込んでいて。。。

その後、ルナはすっかり回復し元気になり

しかしナラはショック状態のままで沈黙

 

-ラストシーン-

ナラは深夜に違和感を感じふと目が覚める

パジャマのズボンが経血で赤く染まって

初めての事だが淡々と片づけていたナラは

鍵のかかった部屋からの物音に気がつく

鍵をこじ開け中に入るとそこには祭壇が!

近くの木箱の中ではバッカが蠢いていて

ママが脱いだ?ママの姿をした人間の皮も

と、困惑するナラの前に魔女が現れる!

ナラの手を掴み鍵を開ける時についた傷に

ベロベロと舌を這わせその血を舐めるが

「あなたは今夜大人になったようね」

なんて言いながらナラをきつく抱きしめて

 

(何を学ぶ?)

 

もしかしてママも魔女?怯えるナラだけど

魔女はナラの事を「お嬢さん」と呼んで

それはホセファがナラを呼ぶときの呼び名

自分を抱いているのがホセファである事

ハサミで刺し塩で焼いたのがママである事

その全てを悟ったか?暴れだしたナラを

魔女が力任せに強引に押さえつけて。。。

で、補足的なナレーションがここで入り

バッカがルナを回復させたその対価として

アビゲイルが死んだのかと思ってたけど

対価として支払ったのは"ママの命"の方と

 

魔女を殺した姉妹には罰が与えられた

二人は他人の血で生き自分の血で滅びる

その行いは次の世代へと受け継がれて

それは彼らに学ぶ準備ができた時。。。

 

よく分かんないけど因果は続くって事か?

で、エンドロールへ

 

妹の病気を治そうと必死なママに連れられ

片田舎にある祖母の屋敷に滞在する少女

思春期独特の難しい年頃なのもあってか?

両親とも祖母とも険悪な雰囲気になる中

地元に伝わる"魔女伝説"の昔話を耳にして

祖母が魔女では?と疑いはじめて。。。

全て少女の妄想?勘違い?それとも真実?

観てるコチラまで困惑させられるけれど

ま、蓋を開ければ意外とストレートなお話

丁寧に回収される散りばめられた伏線や

儀式、祭壇、田舎ホラー臭がする演出など

少し複雑で難解ながらも見応えは十分!

説明不足を感じる部分も多々ありましたが

それも作風というか?演出みたいなもの

ところどころに補足のシーンもあったので

なんとなく伝わればそれでいいのかな?

陰惨なシーンや淫猥な描写も盛り込まれて

薄気味悪さと怖さが絶妙に共存している

なかなか面白いと感じられる作品でしたね

「パラドックス」、「ダークレイン」と

独特の世界観を持った作品を世に送り出す

アイザック・エスバン監督が撮った本作

暇つぶし。。。として観るには重いですが

気になった方は試しに観てみては?

 

🧹