「PITY:ある不幸な男」。。。 | 怒りくまのブログ(仮)

怒りくまのブログ(仮)

気が向いた時、だらだら書いてます
一部、ネタバレもあるのでご注意を

2月もそろそろ終わり

来月の新作に思いをはせながら

観賞した作品はコチラ

 

【PITY:ある不幸な男】

 

妻が事故により昏睡状態となって

息子と二人きりで暮らす

神経質で寡黙な主人公の弁護士

悲しみを押し殺しながら

毎日のように妻を見舞うその姿に

周囲の人々は同情。。。

 

(強い愛で結ばれた家族。。。)

 

が、可哀そうがられる事に依存し

同情を失わないよう努力

明るい曲をピアノで弾く息子には

悲しい曲を弾くよう諫め

経験上?ウソ泣きはすぐバレると

夜な夜な練習をしたり

 

(ま、確かにそうだけど。。。)

 

(めっちゃ練習してますw)

 

そのうえ妻が死に備え

「歌を作った」と息子に聞かせたり

その歌がまたヤバくて

 

あなたが今際の際を迎えて

たった独りで死んでゆく時~♪

あなたを愛する私たちは

1000匹の動物を殺す~♪

羊や犬や鳥は

血の経帷子を纏うだろう~♪

そして皆は知るだろう

私たちの愛の深さを♪深さを~♪

 

って、かなり病んでるよね(^▽^;)

 

(怖すぎるんだけどw)

 

が、ここで事態は急変!

医者も諦めていた妻が目覚める!

周囲の人たちは喜び

次第に元の生活へ戻ってゆく中

何かが狂いだす主人公

あの幸せな日々はもう戻らない。。。

 

(もう同情してもらえないかも。。。)

 

冷静さを保とうとするも

一度狂いだした歯車は元に戻らず

同情してほしいがため

ウソにウソを重ねて全てを失い

再び同情してもらおうと

愛犬を連れた主人公は海へ向かい

 

(な、おい!違うよな?捨てないよな?)

 

これでまた同情される

愛する犬を失った可哀そうな飼い主

しかし、何も変わらず

涙すらも出ず残るのは虚しさだけ

そして最悪の行動にでる

自分が担当する殺人事件を真似て

 

(父親を殺して。。。)

 

(妻も殺してしまう!)

 

息子が帰宅したところで画面は暗転

次に画面に映るのは

ひとり部屋で泣いている主人公

息子はどうなったのか?

流すのは本当の涙?それとも。。。

ただひとつだけ確かなのは

 

(クソ!死ぬかとおもったぜ!)

 

ワンちゃんが無事でホントに良かった

で、エンドロールへ

 

可哀そうだと同情されて

それが次第に快楽へと変わってゆき

遂には暴走し。。。破綻

人は一度味わってしまった快楽から

簡単には逃れられない

何もかもを失ってしまう主人公を

淡々と静かに描く本作

主人公は常に無表情なのもあり

その感情を読み取れず

よけいに不気味で寒気を感じるほど

一方、心情を文字として

テロップで表現している演出には

主人公本人の言葉なのに

どこか他人事で俯瞰的にも見えて

二面性を表しているようで

なかなか面白い演出だと思いました

ってか、妻に捧げる歌が

独特過ぎてかなりヤバかったです

ギリシャ、ポーランド合作の

とにかく静かで薄気味悪いミステリー

気になった方はぜひ

あ、ちなみに

"PITY"の意味は"残念"だそうです!

 

👓