・フランス語、イタリア語、スペイン語にはアクセント記号がある。それぞれ使い方は似ているところも違うところもある。以下、まとめてみよう。Wikipediaの解説を多少編集してみよう。

 

アクセント符号、あるいはアクセント記号は、アクセントを表示する発音区別符号を指す呼び名である。以下の3つが含まれる。

 

①「`」- (重アクセント・右下がり)

②「´」 - (鋭アクセント・左下がり)

③「ˆ」 - (曲折アクセント・山型)

 

・まず、③の曲折アクセントは、仏、伊、西の三か国語では、仏語にのみ見られる。「アクサン・シルコンフレクス(accent circonflexe)という。â, ê,  ô,  はそれぞれ固有の音に確定するが、î 、û はアクサンのない i, u と発音上の区別はなく、単に同綴語を識別するだけの機能しかもたない。歴史的には、この符号が付加される母音の後ろに s があったか、重母音であったことが多い。1990年の正書法改革によって従来の「î ,û」の大部分は「i, u」と書かれることになったが、動詞の単純過去・接続法半過去・接続法大過去、固有名詞、および同音異義語の区別に役立つ少数の単語ではアクサンが残される。」うしろにsがあった例が、フランス語雑記帳(72)パスタ関連の語彙 | 雑文・ザンスのブログ (ameblo.jp)と、フランス語雑記帳(48)アクサンシルコンフレックス(続) | 雑文・ザンスのブログ (ameblo.jp)に書いてある。

 

フランス語では①は「accent grave (アクサン・グラーヴ)といい、à, è, ù が存在する。è は広い [ɛ] を表すほか、同音異義語の区別にも使われる。à, ù は同音異義語の区別に使われる(例:ou「または」と「どこ」)。」

 

イタリア語では、①は、「accento grave (アッチェント・グラーヴェ)といい、 最後の音節に強勢があることを示したり(例: caffè 「コーヒー」)、同音異義語を区別するために用いられる(例: li 「彼らを」に対する  「そこ」)。ただし付号する母音が狭い e や o ( 広めの [ɛ] や [ɔ] ではない [e] や [o] )であるいくつかの語については accento acuto(アッチェント・アクートを用いる。」

 

フランス語では②は、accent aigu (アクサン・テギュ)という。正書法上音節が e で終わっているとき、通常曖昧母音に発音されるか無音になるため、区別のために  é と書く。またフランス語では過去分詞の語尾 é を e で代用すると、現在形と区別できなくなってしまう場合があり(donne ⇔ donné など)、特に形容詞句として後置される過去分詞の場合、記号は義務的である。

 

イタリア語では、②はaccento acuto (アッチェント・アクート)といい、単語の最後の音節に強勢がある場合などで、その母音が狭い e や o のときに付号する(例: perché 「なぜ」、poiché 「~だから」)。 accento grave に比べると用量はずっと少ない。

 

スペイン語では、②はacento (アセント)と呼び、強勢の位置を示すのに使われる。ただし、規則的な位置(最後から2番目の母音など)に強勢がある場合にはこの記号は用いない。この記号を用いるのは不規則的な位置に強勢のある場合(例: máquina 「機械」、最後から3番目の母音に強勢がある)、および同綴語同士の一方に付加することによって区別をつける場合(例: te 「きみを」に対する té 「お茶」)で、記号は正書法上綴りの一部であり、義務的である。

 

なので、スペイン語ではとりあえず、上記②パターンのアクセントを覚えればよい。原則を外れる場合のみ、アクセントが記される(詳細は、「スペイン語入門」pp.21-25。(ちなみに、原則とは、(1)母音(a,e,i,o,u)で終わる単語は語末から数えて2番目の母音にアクセントがある。(例:paloma,mapa)。(2)子音で終わる場合で-n,-sで終わる単語は語末から数えて2番目の母音にアクセントがある(例:origen,Caracas)。(3)n,s,以外の子音で終わる単語は語尾の母音にアクセントがある。(例:general,capaz)。

 

・上記の「母音」の「語尾から何番目」のカウントの時は、二重母音(ai,ei,oi,au,eu,ou,ia,ie,io,ua,ue,uo),三重母音(iai,iei,uai,uei)は「一個」としてカウントする。・・まあ追々慣れてくるだろう。

 

・【追記】イタリア語の場合は、「後ろから2つ目の母音にアクセント」が原則(例えば、Roma:ローマ、Milano:ミラーノ)だが、例外もある。例えば、Napoliは「ナーポリ」、Modenaは、「モーデナ」。スペイン語ではどう表記しているか調べたら、Nápoles、Módenaとちゃんとアクセント記号がついていた!これ、親切かも。

 

・それから(フランス語、イタリア語でも見られる使い方だが)、同じ綴りで、品詞や意味の異なる単語は、アクセント記号をつけて、これを付けない単語と区別する。これも慣れるしかない。(例としては、el(定冠詞、その)、él(人称代名詞:彼)、té(茶),te(お前を),por qué(疑問詞なぜ),por que(前置詞+関係詞))。