「頼られる=自分の価値だと思ってしまうんです」


ある受講生さんから、そんな相談を受けました。


きっと、責任感が強くて、まわりにも気を配れる優しい方なんだろうなと感じました。
でも…もしかしたら、少しだけ自分を後回しにしてしまっているかもしれません。



たとえば、職場でのこと。


後輩から、
「この資料どう作ったらいいですか?」
「この書類、どこに提出すればいいですか?」
と毎日のように質問が来る。


本当は、自分の仕事が山ほどあってギリギリなのに、
「頼られてるうちが華」
「期待に応えなきゃ」
そんな言葉がよぎって、気づけば全部引き受けてしまっている──


こうして頼られることで、自分の価値を実感できることもあるかもしれません。
けれど、それが当たり前になってしまうと、
あなたじゃなきゃ回らない状態を自らつくり出してしまうことにもつながります。


もちろん、後輩をサポートすることは素晴らしいこと。
でも「全部一人で抱え込まなくていい」ことを、
自分にも許してあげませんか?


たとえば、
・よくある質問はマニュアル化する
・説明上手な後輩を「教える役」に育ててバトンタッチ
・質問内容を事前に整理するフォーマットを導入して省エネ化


こうした小さな工夫が、未来の自分と組織を守ってくれます。


頼られることと、自分の価値はイコールじゃない。
本当の価値は、長く無理なく「関わり続けられること」かもしれません。

「頼ることが迷惑と思ってしまうんです」
そんなご相談をいただきました。


職場でよくあるのがこんな場面です。


オフィス全体が慌ただしい。
上司は電話に出っぱなし、
隣の同僚は会議準備でバタバタしている。


そんな中、自分の担当書類に
不備を見つけてしまった。


でも、どうしても声がかけられない…。


 

──頼ったら迷惑かも。
──タイミングを間違えたら、
気まずくなるかも。


そんな思いが頭をよぎって、
結局一人で抱えこんでしまう。


でも実は、こうした「頼れなさ」は、
性格のせいでも弱さのせいでもありません。
そう感じてしまう背景があるだけなんです。


私たちは、誰かに
「お願いする=手間をかけること」だと
思いがちですが、


実は、少し工夫することで、
相手の負担を最小限にしながら
気持ちを伝える方法もあるんです。


たとえば、こんな方法はいかがでしょう?


🔖【付箋で伝える】
・不備があるページに番号つきの付箋を貼る
・表紙には「3箇所あります。
 不明点があればお知らせください」と
 書いた大きめの付箋を添える
・相手のデスクにそっと置いておく


これだけで、会話のタイミングを待たなくても、
きちんと要件を伝えることができます。


こういった「会話以外の報告の工夫」を
知っておくことで、
無理に声を出さなくても、
安心して頼れるようになります。


声に出すだけが助けを求める手段じゃない。
あなたに合ったやり方で、
一歩踏み出してみてくださいね🌿

「助けてって言いたいのに、
飲み込んでしまうんです」


そんなご相談をいただきました。


これ、すごくわかります。
私も以前、同じような経験をしてきました。

たとえば、
自分の資料作成の締切が、
今日の17時に迫っているとき。


頭の中では「あと◯分で終わらせなきゃ」って
タイムリミットと格闘してる。


そんなときに、後輩から突然
「先輩、この処理、確認していただけますか?」
と声をかけられる。


……正直、余裕なんてない。
でも「今はムリ」って、どうしても言えない。
気づいたら「見とくね」って笑顔で返してる自分がいる。


こういう頼まれたら断れないって、
実は「自分が誰かに頼ること」にも
ブレーキをかけてるサインなんですよね。


「人に迷惑かけちゃいけない」
「ちゃんとしてなきゃ」って
無意識に自分にプレッシャーをかけていませんか?


でも、それでは自分のキャパを超えてしまう。
そして本当に助けてほしいときにも
声を上げられなくなってしまいます。


そんな時、まずできることは
「いつまでに必要?」って聞いてみること。


期限を聞くことで、
「今は難しいから○時以降でもいい?」って
調整する余地がうまれます。


実は「依頼に期限を添える」って、
文化として根づいてない職場も多いです。


だからこそ、自分から小さく文化をつくっていく。
それが、心地よく仕事を続けていく
第一歩になるかもしれません。


「助けて」が言えないのは、あなたの弱さじゃない。
その背景には、ずっとがんばってきた証があるんです。


少しずつでいいから、
自分のことも助けてあげられる自分に
なっていきましょう😊

最近、こんな相談を受けました。


「やらなきゃと思うほど、
つい後回しにしちゃうんです…」


その言葉を聞いて、
ふっと思い出したのが


名著『カエルを食べてしまえ!

(Eat That Frog!)』でした。

 




この本では、
「いちばん大事で、
いちばん面倒なことを先にやる」


という考え方が紹介されています。


頭ではわかるんですよね。
でも実際は、カエル(やるべきこと)を
前にすると、


「今日は忙しいし…」
「もっと時間があるときにやろう」
「完璧にできなそうだから後で…」


こんな言い訳が、
するすると出てくるもの。


実はこれ、責める必要はないんです。
人間は 「負担の大きいことから
自分を守ろうとする本能」 があるから。


だけど、言い訳って続けていると
気づかないうちに
心が疲れていきます。


そして、ふと


「……もう疲れた。やるしかないか」


と動ける瞬間が来ることがある。
でもそれは、「反動で動いただけ」 なので、
長続きしないんです。


本当に大切なのは、


カエルを前にしたときに、
ひとりで抱えないこと。



「ちょっと相談してもいい?」
「ここだけ一緒に見てほしい」


そう言えるだけで、カエルは
「怪物」から「ただの作業」に戻ります。


安心できる関係や
否定されない環境があると、人は


「やらなきゃ…」 ではなく、
「やりたいから動く」に変わる。


もし今、大きなカエルを前にして
胸がぎゅっとするなら——


その苦しさ、あなたひとりで
抱えなくて大丈夫です。


頼っていい。
分けていい。
相談していい。


小さな一歩は、いつだって
ひとりで頑張らなくても
踏み出せます。

「仕事で先輩に質問しようか
迷ってしまう」
そんな相談を受けました。



わかります。
私も以前は、質問することに
すごくハードルを感じていました。


「忙しそうだから話しかけづらい」
「自分で調べればいいのにって
思われないかな」


「これくらいで聞くなんて…
甘えてるって思われそう」


そんな気持ちが交差して、
結局、自分の中だけで答えを出そうとして、
堂々巡りしていたことが何度もあります。


でも、今は少し違います。


質問って、
「相手の時間を奪うこと」じゃなくて、
「相手の時間を生かす選択」なんですよね。


たとえば、こんな視点を持ってみては

どうでしょうか?


✔ 相手の時間をムダにしないために、
「確認させてください」と声をかける。
✔ 自分の意見や仮説も添える。

✔ わからないまま進んで、
後から修正になるより、
最初にすり合わせた方がむしろスムーズ!


そう思えるようになってから、
私は「質問すること」への罪悪感が
少しずつ減りました。
 


しかも、こうやって事前に
準備して聞けるようになると、


相手からの信頼感も
高まりやすいんですよね。


質問は、「時間泥棒」ではなくて、
「未来を前向きに整える行動」。



「こんなふうに動けたら、
自分も職場も心地よくなりそう」


そんな視点を持てたら、
自分の行動も自然と
変わってくるかもしれません😊