旅客船「セウォル号」沈没事故の行方不明者の捜索をめぐり「人工呼吸器を利用すれば、船内で効率的な捜索を行うことができる」として韓国にやってきた米国の専門潜水チームが、セウォル号の沈没海域で一度も潜ることなく撤収した。
同海域での捜索がどれだけ難しいかを、あらためて示したというわけだ。
米国の潜水専門業者「GAVI(Gallant Aquatic Ventures International)」に所属するジョセフ・ディトゥリさん(48)は13日「困難に直面した韓国を助けるためフロリダから来たが、これ以上何もできない。14日に米国に帰る」と話した。
今月3日に来韓した一行は、翌日に全羅南道珍島郡役所で、韓国政府の事故対策本部の関係者たちと行方不明者(11人)の家族に対し、水中人工呼吸器を利用した捜索計画を説明した。
一行は「水中人工呼吸器は、ダイバーが1回使用した空気を排出せずに特殊処理し、ダイバーに再び供給できるため、水面上で空気を供給することなく、最長6時間潜水することができる」と話した。
対策本部の一部の関係者は「潮の流れが速い現場海域で、人工呼吸器が効果的かどうか疑問だ」と主張したが、一行は「まずは現場を見た上で検証してはどうか」という行方不明者の家族の求めに応じ、試験的に潜水を行うことを決めた。
11日午前、潜水を行うため現場の孟骨水道を訪れた一行は、海の状況を見て、対策本部にこのような要求をした。
現場海域に停泊するバージ船(台船)を100メートルほど移動させてほしいというのだ。
「潜水を終えたら水面にブイ(浮標)を浮かべ、これを頼りにして浮上したい。
ブイが潮に流され、バージ船の下に潜ってしまったら、ダイバーが浮上できず、死亡する恐れがある」という理由だった。
対策本部は「バージ船を移動するには、現在行っている捜索作業を全て中止する必要があるが、これには行方不明者の家族も同意できない」として拒否した。
対策本部の関係者は「米国の潜水チームは、現場海域にバージ船が停泊していることをすでに知っていたが、事前協議でも何も言わず、現場に来て突然『バージ船を移動させなければ潜水できないと言い出した。
全く理解に苦しむ』と語った。行方不明になっている高校生の父親は「うちの子を見つけ出せるのであればと、わらにもすがる思いで米国の潜水チームの受け入れを求めたが、一行が一度も潜水することなく帰ってしまい、失望した」と語った。
チョン・ギョンファ記者
朝鮮日報