3回にわたる量的緩和(QE)でFRBのバランスシートは過去最高の約3兆7000億ドル規模に拡大。
通常期の約1兆ドルを大幅に上回っている。
一部では、債券買い入れプログラムが今後数年にわたってインフレを招き、発見しにくい市場の混乱と資産バブルを引き起こす可能性があると懸念されている。
FRBは12月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、月額850億ドルの債券買い入れを1月から750億ドルに縮小することを決定した。
一方でFRBは、当面は利上げを行わないと投資家に確信させることで、借り入れコストを低水準に維持する意向。
イエレン氏が直面する課題は、金融市場を混乱させたり景気回復を妨げることなく量的緩和の解除を進めることだ。
<金利の引き上げ>
フェデラルファンド(FF)金利は2008年終盤の金融危機の最悪期以降ゼロ付近に維持されている。
FRBの予想に基づくと、最初の政策引き締めは2015年までない見通しだが、インフレ動向や雇用情勢が予想から逸脱すれば、この見通しは変化する可能性がある。
FRBは、インフレ見通しが目標水準を下回り続ける限り、少なくとも失業率が6.5%に低下するまでは利上げを開始しないと約束することによって、長期金利の低下を促している。
FRBは12月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、失業率が6.5%を下回ってからも「かなりの間」(wellpast thetime)、特にインフレ見通しが目標水準を下回る状況が続く場合、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ―0.25%に維持することが「適切になる公算が大きい」(likely will beappropriate)と表明。
失業率が少なくとも6.5%に低下するまで低金利を維持するとしていたこれまでのコミットメントを修正した。
11月の失業率は7.0%。
ただ、金融市場はFRBのコミットメントに疑問を抱いた。投資家がFRBが意図するよりも早期の利上げを予想し始めれば、借り入れコストは上昇し、景気に打撃を与えかねない。
一部の当局者は、低金利へのコミットメントを示すためFRBは失業率基準を引き下げるべきと考えている。
イエレン氏には、市場予想を適切な方向へ導くため主導的な役割が求められる。
<失業、インフレ(またディスインフレ)>
誰もが現時点で、失業率は高過ぎ、インフレ率は低過ぎると感じている。
そのため、FRBが非常に緩和的な金融政策の維持を決定するのは比較的容易だった。
ただ、インフレ率は目標を大幅に下回っており、今後上向かなければ、デフレ回避に向け既に異例の規模となっている緩和策をさらに拡大するべきかどうか、政策当局者は難しい判断を迫られる。
一方で、失業率が改善していなくてもインフレ率が上昇し、FRBの目標上限の2.5%に届きそうな事態となれば、政策の引き締めを迫られるだろう。
FRBは、引き締め策の一環として準備預金金利(IOER)を引き上げることも可能だ。
IOERを引き上げれば、準備預金が市場にあふれ出て経済を過熱させ
ることは防げる。
ただこの手段は今まで試されたことがない。
<長期的な出口戦略>
将来的にFRBは、保有証券の償還や売却によりバランスシートを正常な規模に縮小する必要が出てくる。
保有資産の縮小を急げば急ぐほど、金融政策の引き締め度合いが強まり、売却資産を消化する市場へのプレッシャーが増すことになる。
しかし、おそらくFRBが最も警戒しているのは、資産売却によりFRBに損失が発生し、その結果財務省への定期的な送金(国庫納付金)が一時的に停止することで、FRBの独立性を制限したいと考える政治家の批判を招くことだろう。
[6日 ロイター]
-米上院本会議は6日、イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長(67)の次期議長就任を賛成多数で承認した。
以下は、イエレン次期議長が抱える政策課題。
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<拡大したバランスシート>